「オケバトル!」 61. やった者勝ちの、あり得ぬ特典
61. やった者勝ちの、あり得ぬ特典
「何が違うんだね?」
女神レベルの名演絶賛を悲しげに否定するフルートの紺埜怜美に対し、審査委員長の長岡が不審そうに言った。
「間違いなく貴女の実力なんだから、素直に認めればいいんですよ」
「全然、認められたものじゃないんです」
自分でも、どこから話していいのやら分からない怜美さんに、周囲の仲間は、頼むから座ってください、余計なこと言う必要なんてないんですから、と必死で懇願する。
「つまり、その、私でなくて、有出さんのアドバイスがあっ