生糸

浮かんだ事を載せています。 明るくはないです。 どうぞ宜しくお願い致します。

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  • わたしについて

    私について書いたこととかいろいろ。

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思いおこせば…

怪我の多い子供でした。 雨戸を仕舞う戸袋で頭をぶつけて出血。 たまたま休みだった母が見つけて ヽ(ヽ゚ロ゚)ヒイィィィ!となりながら、父に電話。 止血の為に押さえたタオルは…物干し竿を拭く雑巾…。3針縫って今はそこだけL字に禿げている。 どうやら毛根も根こそぎえぐれたらしい。 こりゃ、ニューモでも効果はないだろう。 そして、高い所から飛び過ぎたせいでアキレス腱切れかける。 …イカロスになりたかったか。 自転車の補助輪を外したばかりなのに、いい気になって坂道を下り…行き着い

    • ポケットに入れたままの自由を 茹だるような暑さの下に放つ 遠くで陽炎が楽しげに踊りながら 手招きしている 空っぽになったポケットからは 寂しげな音が聴こえてきた きっと自由は吸い込まれたんだ 目の前が白くなったのは 茹だるような暑さのせい 夏は悪戯に夢をみせる

      • 誰がいないのか

        皆いなくなれと願ったのは何年前だったか。もう随分と長い間同じことを願っている。 そんなある日。 目覚めると私の他は誰も居なくなっていた。居なくなっているけれど、なんとなく誰かがいる“気配”はしている。だけど見えない。 やっと願いが叶ったと、これで嫌な目に遭うこともないと、清々しい気持ちになったのを覚えている。 Aはいつも人を見下した言い方をする。 今日もそんな物言いをされた。ならば自分ですればいいと言ったところ、できないと言う。 では、Aができないことをしている私を見下す理

        • 放置したブルーベリー

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        思いおこせば…

        • ポケットに入れたままの自由を 茹だるような暑さの下に放つ 遠くで陽炎が楽しげに踊りながら 手招きしている 空っぽになったポケットからは 寂しげな音が聴こえてきた きっと自由は吸い込まれたんだ 目の前が白くなったのは 茹だるような暑さのせい 夏は悪戯に夢をみせる

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          オニユリ

          オニユリ

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          咀嚼と吐き戻し

          吐き出せずに飲み込んだ言葉がたくさんある。あまりにも飲み込みすぎて、いっぱいいっぱいになって、何の前触れもなく突然吐き戻す。 吐き戻された中には、一部分が溶けた言葉や、かなり消化されて判別できない、止めや跳ねだけになった言葉もある。そしてこれは最近のものだろう、まだはっきりと読める言葉が残っていたりもする。 その言葉を目にした時、ああ、まだ私はそれらをちゃんと消化できていなかったんだと気づく。 きちんと咀嚼して、そして理解して飲み込んだ言葉なら吐き戻すこともあるまい。対峙

          咀嚼と吐き戻し

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          アガパンサス

          アガパンサス

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          僕は、やっぱり君が好きなんだ。 今夜、月明かりで照らされたあの港で待ってるから逢いに来てよ。 それで、二人して帆船に乗って揺られてどこまでも行こう。 ね。いい考えだと思わない? 君は僕をどう思っているのかはわからないけど、僕は君と一緒にいると落ち着くんだ。 だから逢おうよ、ね。

          僕は、やっぱり君が好きなんだ。 今夜、月明かりで照らされたあの港で待ってるから逢いに来てよ。 それで、二人して帆船に乗って揺られてどこまでも行こう。 ね。いい考えだと思わない? 君は僕をどう思っているのかはわからないけど、僕は君と一緒にいると落ち着くんだ。 だから逢おうよ、ね。

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          あじさいとアガパンサス

          あじさいとアガパンサス

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          6月の花

          6月の花

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          お話【通気工法】

          しゃがみこんで庭の草取りをしていると、 「やあ、ご精がでますね。そしてまた今日は特に風が強いですね」 と背後から声を掛けられた。 風なんて吹いていたかと、声のする方に向き直ると、燕尾服姿の男が立っていた。手には山高帽を持っている。 燕尾服も今どき珍しいが、何よりもだ、その、いったいどうしたらそうなるんだろう。目線の高さより少し上に燕尾服の男の腹が見えるのだが…。 腹に穴があいている! 例えるならドーナツのような感じなのだが、別に血も出ていないし、当の本人は笑顔で立っている

          お話【通気工法】

          鋏を携えて歩いてまわり 無数に張り巡らされた糸を 指先で一つずつ確認しながら 目視しながら 一つの糸を手繰り寄せる 今まで切れなかったこの糸を いつか切れてしまうのならば それなら今いっそこの手で切ろうと 何故震えているのか 覚悟を決めたのではなかったか

          鋏を携えて歩いてまわり 無数に張り巡らされた糸を 指先で一つずつ確認しながら 目視しながら 一つの糸を手繰り寄せる 今まで切れなかったこの糸を いつか切れてしまうのならば それなら今いっそこの手で切ろうと 何故震えているのか 覚悟を決めたのではなかったか

          最近みた花

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          お話【魚の夢】

          魚は月を知らない ある日、月をもう一度見たいと思った魚がいた。 それはまだ小さい頃、釣り人に釣られた時に一瞬だけ暗がりの中に光る大きな月を見たのがきっかけだった。 釣り上げられるまでは月と言うのを知らなかったが、釣り人が「なんだよ、こんなちっぽけな魚かよ。酒の肴にならないじゃないか。月も綺麗だし宴会がしたいんだよ」そう言いながら針を外していた時に初めて、‘’ああ、あれは月と言うのか‘’と、息苦しい中で知ったのだった。 他のどんな魚の目よりも大きくて、どんな魚の目よりも輝いて

          お話【魚の夢】

          お話【瓶】

          その瓶には不思議な力があって、互いの波長が合えば同じ色が瓶の中に現れて見えるそうだ。 そんな瓶が今、男の目の前にある。 机の上に置かれた瓶に向かい合う形で、男女が座っている。 「これ、何の色が入っていると思う?」 そう言いながら、無表現の女が目も合わせずに男の前へ差し出したのが、その瓶だった。 蓋で密閉された瓶の中には何か入っているとは思えず、ただ瓶を通して不自然に映り込む周りの景色が見えるだけだった。 「え、中身があるの?ほんとに?」 話を弾ませようとわざと明るく言って

          お話【瓶】

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          今日の花🪷

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