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日本以外のアジアに関する本のレビュー集

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日本以外のアジア諸国、地域に関する本のレビューを集めてあります。日本については、「日本史に関する本のレビュー集」に集めました。
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#妖怪

アジア遊学 (No.71) アジアの怪

アジア遊学 (No.71) アジアの怪

アジア遊学 (No.71) アジアの怪

 勉誠出版から出ているムック『アジア遊学』シリーズの第71号です。
 「アジアの怪」の特集号です。

 アジア諸国に伝わる怪異現象や、妖怪が、紹介されています。
 とはいえ、紹介されている地域には、偏りがあります。中国と日本とがほとんどです。

 他の地域は、冒頭の「序言 大地・山川・ジャングル・海から沸き立つものたち」の章で、少しずつ触れられてい

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アジアもののけ島めぐり―妖怪と暮らす人々を訪ねて

アジアもののけ島めぐり―妖怪と暮らす人々を訪ねて

アジアもののけ島めぐり―妖怪と暮らす人々を訪ねて

 アジア各所の妖怪や魔術について、紹介した本です。
 少なくとも、本書が書かれた一九九〇年代までは、アジアのそこらじゅうで、「妖怪や魔術が実在する」と信じられていました。
 本書は、その様子を、レポートしたものです。

 紹介されているのは、インドネシアのバリ島、マレーシアのランカウイ諸島、日本の琉球(沖縄)、マレーシア領部分のボルネオ島で

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人魚伝説 (「知の再発見」双書)

人魚伝説 (「知の再発見」双書)

人魚伝説 (「知の再発見」双書)

 人魚という幻想の存在について、いろいろと解説した本です。

 不思議なことに、人魚という存在は、世界の各地で、語り継がれてきました。ヨーロッパと日本のように、遠く離れた地においてさえ、ある程度、共通したイメージがあります。

 けれども、「半分がヒト、半分が魚」という、人魚の実在が証明されたことは、これまで、一度もありません。
 証明されたように見えた時

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トケビ―韓国妖怪考 (歴博ブックレット (24))

トケビ―韓国妖怪考 (歴博ブックレット (24))

トケビ―韓国妖怪考 (歴博ブックレット (24))

 韓国の代表的な妖怪、トケビを紹介した本です。
 本書を読めば、トケビの基礎知識が身につきます。「トケビ入門」と言える本です。

 トケビは、トカビ、トッカビなどと呼ばれることもあります。そもそも、朝鮮半島の言葉なので、日本語へと正確に発音を移すのは、無理なのですね(^^;
 本書では、トケビで統一されています。

 トケビは、現代の韓

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中国妖怪人物事典

中国妖怪人物事典

中国妖怪人物事典

 中国の妖怪、仙人、神などを、事典形式で、紹介した本です。
 『人物』とあっても、必ずしも、人ばかりを紹介しているわけではありません。人ならぬ存在も、たくさん載っています。

 分厚いです。質・量ともに、充実した一冊です。
 本書を読みきれば、中国の神話、伝説、妖怪などについて、とても詳しくなれるでしょう(^^)

 類書はありますが、これだけ充実したものは、少ないです

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中国の妖怪

中国の妖怪

中国の妖怪

 題名は、『中国の妖怪』ですが、扱っているのは、中国の妖怪に限りません。
 妖怪好きの方なら、必読だと思います(^^)

 主に扱っているのは、題名どおり、中国の妖怪です。
 妖怪の種類を羅列した妖怪事典ではありません。

 妖怪のイメージは、どのように形作られたのか、それが、どのように変遷していったのか、を解説した本です。
 妖怪好きなら、こういうことを知りたいですよね?

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幽霊画談

幽霊画談

幽霊画談

 『幽霊画談』という題名ですが、幽霊というより、妖怪といったほうがよいものが、たくさん載っています。やはり、水木しげるさんの著書ですね(^^)

 もちろん、幽霊も載っています。
 有名どころでは、「菅原道真【すがわらのみちざね】の怨霊」、「佐倉宗五【さくらそうご】」、「卒塔婆小町【そとばこまち】」などですね。「牡丹灯籠【ぼたんどうろう】」や、「耳なし芳一【ほういち】」のように、フ

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幻獣辞典

幻獣辞典

幻獣辞典

 古今東西の、架空の生き物たちを集めた本です。妖怪辞典、怪物辞典ということもできますね。

 日本語で読めるこの手の本としては、古くから出ているものの一つです。新紀元社の『Truth In Fantasy』シリーズが出る、はるか前に出版されました。
 私が持っている版は、一九七四年初版、一九八五年十八刷、となっています。これを見てわかるとおり、長く、たくさん売れ続けている本です。

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世界の魔女と幽霊 (世界民間文芸叢書 (別巻))

世界の魔女と幽霊 (世界民間文芸叢書 (別巻))

世界の魔女と幽霊 (世界民間文芸叢書 (別巻))

 世界各国の、魔女や幽霊にまつわる話を集めた本です。
 魔女や幽霊に限らず、吸血鬼、人狼、夢魔、食人鬼、鬼火、悪魔の猟犬なども載っています。要するに、妖怪の話を集めています。

 それも道理です。本書は、同じ三弥井【みやい】書店から出ている『世界の妖怪たち』という本の続巻です。
 本書を読んで、面白かったならば、『世界の妖怪たち』も、お勧め

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怪物の友―モンスター博物館

怪物の友―モンスター博物館

怪物の友―モンスター博物館

 博物学者、荒俣宏さんの「荒俣節」全開の本です(^^)
 実在しない怪物たちと、実在する怪物たち(!)とを取り上げています。

 「実在する怪物」というのには、三つの意味があります。

 一つは、実在しない怪物と、同じ名で呼ばれる生き物です。例えば、ヒヒなどがそうです。
 「ヒヒ」とカタカナで書いた場合には、普通、実在する動物を指しますね。サルの仲間のヒヒです

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河童アジア考―カッパは人か妖怪か

河童アジア考―カッパは人か妖怪か

河童アジア考―カッパは人か妖怪か

 これは、評価が難しい本ですね。読み手の力量が問われます。
 論理性と、メディアを読み解く能力(メディア・リテラシー)を身につけていない人は、この本から、悪い影響を受けてしまうかも知れません(^^;

 いきなり、ひどいことを書いてしまいました。
 けれども、この本を評価していないわけではありません。
 以下に、理由を書きます。

 この本は、河童につ

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世界の妖怪たち (世界民間文芸叢書 (別巻))

世界の妖怪たち (世界民間文芸叢書 (別巻))

世界の妖怪たち (世界民間文芸叢書 (別巻))

 日本以外の、各国の妖怪の話を紹介した本です。
 日本国内でも、アイヌの話は、二つ取り上げられています。

 取り上げられた妖怪話は、地域に偏りがあります。
 アフリカと、オセアニアの話は、一つも紹介されていません。中米の話は、メキシコのものが、一つだけです。
 ほとんどが、ヨーロッパと、アジアの話です。それに、北米と、南米―アルゼンチンの

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世界の龍の話

世界の龍の話

世界の龍の話

 世界の龍に関する民話を集めた本です。全部で、九十話あります。

 ただし、世界といっても、ほとんどがユーラシア大陸のものです。アジアとヨーロッパですね。アフリカ・オセアニア・北米の話は、一つもありません。

 南米の話も、三つだけです。それらは、すべて、ヨーロッパ文化に影響された龍の話です。

 この本の編著者の考えでは、「龍とは、ユーラシア大陸の文化に登場するもの」だそう

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