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女性の気持ち。

現実に、女性たちのご結婚前に、あなたの子供が欲しい、と何人もの女性から夜の誘いを受けたことがあります。年齢や社会の目線にとらわれ、「結婚と結婚する女性」に多いです。3000人に1人は、いると考えます。

ご結婚後もある一例です。

「娘たちを守らなくては」

奈緒子さん(仮名)は夫と3人の子をもうけるも、産まれてきたのは娘ばかり。そんな彼女に冷たくあたる義母と、守ってくれない夫に苦しめられてきた。だが、やがて待望の長男が誕生することになる。しかし、その父親はじつは、夫とは別の男性だった……。奈緒子さんはなぜ、夫以外の子を産むことを決意したのか。

「娘たちを守らなくては」
現在39歳の奈緒子さんには、12歳、10歳、8歳の女の子と(2歳になる男の子)がいる。

「結婚してから、大家族の波にのまれるように生きてきました。次々生まれる子どもたちは私にとっては宝物ですが、夫の両親は『また女?』という感じ。三女なんて出産後、誰も会いにもきてくれなかった。夫の実家側がそうだから、私としてはますます娘たちを守らなくては、かわいがらなくてはという気持ちになりました」

4歳年上の夫の父親は現在71歳、母は66歳とまだ若い。結婚して13年たち、義弟や義妹は独立して家を出ていったが、義父の弟と末の義妹は今も母屋で暮らしている。彼らのめんどうも奈緒子さんが見るしかないのが現状だが、最近では冷凍食品などを使って手を抜くこともうまくなった。

彼女は子育てが一息ついたら、自分と娘たちが少しでも自由に使えるお金を得るために仕事に出たいと願っていた。次女が小学校に入学した3年前、思い切って週に3日、パートで働くと夫に告げた。

「今までと何も変わらないなら、オレはかまわないけど」

それが夫の答えだった。自分の生活が不便にならなければそれでいいのだと、奈緒子さんは納得した。「その程度の夫婦関係なのだ」と。

三女を近くの保育園に預けて働き始めた。

パート先で深呼吸
「自分で自由に使えるお金があるのは本当にうれしかった。娘たちがほしがっているものも、たまには買ってあげられる。貯金もできる」

外で働き始めると、自分でも生き生きしているのがわかった。毎日の生活に張りが出た。身体的には前と同じ家事労働に、外での仕事が加わったためきつくなっているはずだが、奈緒子さんは結婚して初めて、深く息ができるようになったと微笑した。

「気づいたらいつも息が浅かったんですよ。それだけ義家族との関係がストレスになっていたんだと思う。パート先で深呼吸するのが日課になりました」

自転車を飛ばしてパート先に向かう。気の合う女友だちもできた。彼女たちのように、みんなでお茶をしたり出かけたりする余裕はなかったが、それでも休憩時間に話をするだけで、それまでとは違う日常が心を浮き立たせた。

半年後には、1日5時間のパートを週4日に増やしたいと上司に申し出た。

「『いつも一生懸命、手を抜かずに働いているのを知っています。ありがとうございます』とお礼を言われてびっくりしました。女性が多い職場で、確かに手抜きをしている人もいるんですが、私はお金をもらう以上、全力で働きたかったし、とにかく働くのが楽しかった。上司とはそのとき初めていろいろな話をしました。上司といっても私と同い年なんですけどね」

彼にも家庭があり、まだ幼い2人の子がいることを知った。なかなか直に対面で話す機会がなかったものの、上司の人のよさに気持ちが温かくなった。

「仕事は検品作業が主なんですが、そのとき上司に『商品の企画開発の手伝いをしてもらいたい』と言われて。短大を出て入った会社では、ある食品の企画開発室でアシスタントをしていたので興味がありました。今の会社なら主婦目線でできるので、上司の申し出はありがたかった。『パートでも正社員でも関係なく、どんどん新たな仕事に参加してください』と言ってもらえて」

お互いの視線が交わり、絡み合った。そのとき不思議な感覚になったのを奈緒子さんは覚えている。この人は信頼できるという思いと、この人の世界に入りたいという気持ちだった。

夫の浮気に、嫉妬すら起きず
「考えたら私、恋愛経験が乏しいんです。会社員時代に、友だちの紹介でちょっとつきあったことがある程度。実は男性は夫しか知らない。しかもその夫とは三女が生まれてからは、まったく男女の関係がなくなりました。

夫は仕事が終わると、商店街の寄り合いだの業者と打ち合わせだのとよく出かけていましたけど、実は浮気していたんです。それがわかったのは私がパートに出るようになってすぐでした。でもきっとその前から、いろいろ女性との浮いた話はあったみたい」

奈緒子さんが知ってしまったのは、外出していた夫からのメッセージがあったからだ。

「今から行くね、というメッセージでした。夫は飲みに出たらほとんど連絡してこないのにおかしいなと思ったし、帰宅するなら『行くね』とは言わないはず。夫も間違って送ったことがわかったんでしょうね。あわてて削除していましたが、もう私は見たあとでした」

夫が浮気しているとわかっても、奈緒子さんはそれほどショックを受けなかった。そしてそんな自分に逆にショックを受けた。夫への自分の気持ちを再確認したような気分になったからだ。

「子どもたちが大きくなるまでは、生活を変えるわけにはいかないけど、私は浮気されても嫉妬さえしない男性を夫にしている。それがつらかった」

思い返せば独身時代も結婚後も、孤独だった。子どもたちは最高の幸せをもたらしてくれるとはいえ、子どもの自立を阻むような母親にはなりたくなかった。自分も誰か心に寄り添ってほしい。そんな思いがふつふつとわいていた。そこへ現れた上司である。彼女の心の穴に、彼はすっぽりとはまった。

「それから彼をやたらと意識するようになっていきました。すれ違うだけで胸が大きく高鳴って。それが伝わったんでしょうか。対面で話してから1週間後、今度、仕事の打ち合わせをかねて食事でもと誘われたんです。夜はなかなか出られないけど、パートが休みの日に、どうしても夕方から手伝ってほしいと言われたということにして、夕飯の支度をしてから出てくればいいんだと気づきました」

出かけるとき、シャワーを浴び、下着を選ぼうとして色っぽいきれいなものがないことに気づいた。同時に「私、何をやってるんだろ」とも思った。仕事がらみの食事なのに……と。彼女の心の中で、すでに“恋”は始まっていたのだろう。

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「彼の子がほしい」
「その日は食事だけして帰るつもりでした。でも一緒にいるうちにどんどん楽しくなってきて、『帰りたくない』と言ってしまった。それはホテルに行きたいという意味ではなかったんですが、彼はそう受け止めたみたいです。それならそれでいいと私も思いました。彼の世界に入れてもらいたい。それが望みでしたから」

そこから恋は一気に進行していった。だがお互いに家庭のある身、関係を続けたいけれどいつかバレるかもしれない。それが彼女を苦しめた。

「彼の子がほしい。そう思ったんです。彼といつか別れても、私と子どもの縁は切れない。彼に似た男の子が授かるに違いない」

一度思いつくと、それがベストな考えのように感じられた。彼女は上司にその話をした。最初は「とんでもない」と言っていた彼だが、次第に彼女の気持ちに心を揺さぶられたようだ。

「彼のところは男の子がふたりなんです。もし女の子が生まれたらそれはそれでうれしい。いずれにしても子どもを通して、僕たちはずっとつながっていられるよね、公にはできなくてもと彼が言いました。私もそう思った」

その日から避妊はやめた。だがなかなか妊娠しない。ところがあるとき、「確実に妊娠した」と彼女は思った。その数日後、彼女は自ら酔った夫を誘った。

「実は夫とは未遂だったんですが、夫は酔っていたから、ちゃんとセックスしたと思い込んだみたい。『おまえが誘ってくるなんて珍しいな』と翌日、にやついていました」

「家族」とは何か
数週間後、彼女はやはり妊娠していた。上司にいちばんに知らせた。次に夫。私が彼女に会った頃には、お腹の子が男の子だと判明していた。

それから数ヶ月後、無事に男の子が生まれた。義母は驚きながらも、初めて「奈緒子さん、やったわね」と大喜びし、夫は出産に初めて立ち会った。

「生まれた子が上司にそっくりだったから、ちょっと怯えましたが、義母は息子にそっくりだと言っていました。子どもは今年2歳になります。上の娘たちも弟がかわいくてならないみたい。義妹まで面倒をみてくれています」

夫の子ではないが、長男は家族からの愛情を受け、幼いながらも家族のまとめ役になっているようだ。

「バレたら非難されるでしょうね。でもいいんです。私の子であることには変わりないし、万が一、疑念がわいてもこの子がこの家の跡取りである以上、誰も真実を追求してこないんじゃないかな。それほどたいした家でもないのに、長男にこだわる義父母たちへの私のささやかな復讐かもしれません。そもそも家族なんて血にこだわる必要もないんですよね」

妙に皮肉っぽく奈緒子さんは言った。子どものころから「居心地のよくない家庭」に育ち、婚家でひたすら大家族の面倒を見てきた彼女の思う“家族”とは、「血のつながりより愛情で結ばれた関係であるはず」だという。

「上司である彼とは、今もときどきデートしています。子どもにも会わせました。彼は育てられないけど大事に思っていると言ってくれた。それだけでじゅうぶんです」

彼女の行為の善悪を問うつもりはない。彼女が“復讐”だと言うように、これは従来の家族制度にのっとり、それがいちばん幸せだと疑わない人たちへの痛烈な批判なのかもしれないと感じている。

(抜粋)

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