2024年4月の記事一覧
99人のため、1人のため
気がついたら4年半ほど、Instagramで続けている「美術展の感想文」。
元々は美術を勉強したい自分に向けてのメモみたいな感覚で始めていたそれだが、気がつけば「読んでます」と言われるようになり、私自身もナントカがおだてりゃ…で通信芸大に行き、学芸員資格も取得し、noteにも(目標とする頻度には全然足りないが)定期的に記事を投稿できるぐらいにもなってきた。
一方でがっつりSNSの枠で投稿を
アーティスト・トーク「河口龍夫|長生きしたカゲロウ」(4/11) レポ🗒
去る4/11、KeMCoで開催中の展覧会「エフェメラ:印刷物と表現」展出品作家の河口龍夫先生をお迎えし、エフェメラについて語っていただくアーティスト・トーク「長生きしたカゲロウ」が開催されました。
本展では「エフェメラ/印刷物と現代における表現の接続」パートを企画され、これまでにも慶應義塾アート・センターでの個展などで河口さんとお仕事をされてきた渡部葉子さん(ミュージアム・コモンズ副機構長/慶應義
2024桜スケッチ(2) 東宝スタジオ入り口の桜、成城大学入学記念写真風景
はじめに 本格的な桜の季節になったある日の午前10時に、老兵ならぬ老企業戦士4名が小田急・成城学園前駅に集まりました。
当日は、近くの祖師谷大蔵に住むKさんの幹事で例年恒例の食事会(ランチ)をすることになっていたのです。しかもランチ前の腹ごなしとして、仙川沿いの桜並木の花見つきです。
幸い、天候にめぐまれソメイヨシノの花見をすることができました。現場でのスケッチはできないので、今回のスケ
私小説「ハードボイルド書店員の独り言」
雨上がりの朝七時。誰もいない路地を歩く。
タバコの残り香が鼻孔を掠める。湿ったアスファルトに自転車が踏みつぶした吸い殻。舌打ちはいつしか堪える方に過半数を譲った。
今日は昨日よりも混むだろう。
連日前年比を超えている。外国人観光客のおかげだ。彼ら彼女らが買うのは帆布を使った鞄。北斎や写楽や鹿苑寺のポストカード、そして文房具各種と期間限定で並べている動物のぬいぐるみだ。イングリッシュブック?
The Lost Universe 古代の巨大頭足類③巨大アンモナイト
アンモナイトは、化石マニアにとって永遠のロマンです。太古の海に生き、その記憶を現代に伝えてくれる憧れの存在。彼らはとても有名な古生物であり、化石と言えばアンモナイトというイメージが人々に強く根づいています。
なぜ、人はアンモナイトが大好きなのでしょうか。永きに渡る繁栄と巨大種の神秘を通して、彼らの魅力に迫りたいと思います。
アンモナイトとは何者か?「化石」の代名詞となった神秘の頭足類
古生物フ
コペンハーゲン②国の豊かさに触れる
コペンハーゲンの記事①は、こちらより。
記事②では、施設内に入場した場所を纏めてみたい。
運河巡り
約1時間のコースで、コペンハーゲンの街を海や運河から眺める事ができる。
早速ボートに搭乗。
ボートからは、街の中の色々な建物が見える。
港町らしい倉庫街。
オペラハウスは、海運会社大手のマースクの寄付により建てられたそうだ。
マースクは、海運売上高世界一を誇る企業。
黒いダイヤモンドと
【何も言わない美しい風景】マイケル・ケンナ写真展 JAPAN / A Love Story 100 Photographs by Michael Kenna 代官山ヒルサイドフォーラム
10代の頃から好きだったある風景写真。マイケル・ケンナ氏の作品だと知ったのは30代後半だった。
好きな写真だが子供がゆえ、それ以上調べる方法がなかった&Wikipediaもない時代の話だ。
フォトグラファーの名前の記載はあったと思うがではその名前を深く調べる手立てが、インターネットが発達する2000年以降までなかった。
大人になり、そーいえばあの写真の撮影者って…思い出して調べていくと、東京都写
【その手元にある展覧会チラシも】エフェメラ:印刷物と表現 関連イベント 冨井大裕|「経験をみること」 慶應義塾ミュージアムコモンズ
iPhone上であることは確か。
どこでこの展示情報と接触したのか(アドなのかオーガニックなのかwebサイトなのかSNSなのか)覚えがないが、なぜか慶應義塾ミュージアムコモンズ、通称KeMco(ケムコ)の公式webサイトに辿り着き、彫刻家・冨井大裕氏のトークイベントに申し込みをしていた。
この出どころの覚えのない情報で自らコンバージョンを生み出してしまったことに若干そわっとした。
実家の母から
私の作品紹介2 : 即興でデザインする、ライブイベントポスター
noteの投稿企画「春の連続投稿チャレンジ」は期間が終わってしまったけれど、成り行きで続く私の作品紹介その2。
作品紹介と言いながら、父の思い出を語ってしまったその1は、ありがたいことにnote公式のご紹介で、たくさんの方に見ていただきました。
ありがとうございます。
今回は父とは全く関係なく、デザイナー本来の、つまりいつもの仕事に近いポスターという形態だけれど、いつもとノリが全く違うという、
本好き&本屋好き&書店員にオススメの「ほぼ哲学書」
暇な時間にレジで同僚と話をします。
基本的には本に関することだけ。ちょっとした一言が選書や仕事への取り組み方を見直すヒントに繋がります。
数年前、純文学好きの同僚と某作家の話をしました。好きだけど「面白い?」と訊かれて「面白い」と返せる本ではない。不遜にもそう伝えたら、彼は軽く笑ってこう返しました。
「それが文学のいいところじゃないですか?」
たとえばある書籍が「さほど売れそうにない」と評
【スルーしないこと】ここは未来のアーティストたちが眠る部屋となりえてきたか?――国立西洋美術館65年目の自問|現代美術家たちへの問いかけ
この企画が告知された時から展覧会は始まっていたのかも知れない。
国立西洋美術館が、現代美術を展示する。
長いこと、上野のあの場所にいる国立西洋美術館。
現代美術に関しては他館に任せてスルーして行く方針なのかと思っていた。
それが当たり前だと勝手に思い込んでいた。
恐らく私だけで無く世間一般的に「当たり前」と思われていたことを自らぶち壊しにきたのはなかなかパンクだな、と。いいぞもっとやれ、と思