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【その手元にある展覧会チラシも】エフェメラ:印刷物と表現 関連イベント 冨井大裕|「経験をみること」 慶應義塾ミュージアムコモンズ
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iPhone上であることは確か。
どこでこの展示情報と接触したのか(アドなのかオーガニックなのかwebサイトなのかSNSなのか)覚えがないが、なぜか慶應義塾ミュージアムコモンズ、通称KeMco(ケムコ)の公式webサイトに辿り着き、彫刻家・冨井大裕氏のトークイベントに申し込みをしていた。
この出どころの覚えのない情報で自らコンバージョンを生み出してしまったことに若干そわっとした。
実家の母から「どこで購入したか覚えがないけど、このコップ気に入ってる」という話を聞くような感覚。
でも偶然の出会いなんて出どころのわからないのが面白いのかも知れない。
展覧会概要はこちら
エフェメラとは?
美術作品や書籍のように長期的な保存を本来の目的とせず、時限的な情報掲載や使用が主たる目的であるチラシやパンフレットなどのアイテムは、限られた期間で消えゆくものとして「ephemera=1⽇だけの、短命な」の⾔葉が与えられ「エフェメラ」と呼ばれます。安価につくられ配布された印刷物のエフェメラ(printed ephemera)は、時代ごとの出来事や空気を伝える重要なアイテムであり、近年、ミュージアムをはじめとする文化機関において蒐集の対象ともなっています。
どこに焦点が当てられるのか
慶應義塾ミュージアム・コモンズでは、エフェメラ、特に無料もしくは安価に刷られることで社会に広がるメディアとしての機能をもった印刷物エフェメラに焦点を当てた展覧会を開催いたします。
で、今回の展示は
本展覧会ではそうした紙面上の実験を紹介しながら、結果的に過去の出来事を伝え残す存在となったエフェメラに目を向けて、情報や表現の乗り物としての印刷物/エフェメラについて考えます。
また現代表現との接続として、エフェメラ/印刷物に関心を寄せる現代のアーティスト、河口龍夫と冨井大裕による二人展を同時に開催いたします。
上記のように印刷物をテーマに展示を行なっているが、グラフィックデザインの側面としての展覧会ではない。
印刷物「そのもの」の役割の話となる。
エフェメラについての面白さはこの動画をみるのもおすすめ。
コロナ禍に配布された飲食店安心マップ、なんかも30年経てば立派な社会資料になるんだろう。
とこういう展覧会のイベントの一環で、印刷物に纏わる作品を発表している彫刻家の冨井大裕さんのトークイベントが行われるという。
冨井大裕さんといえば…
東京国立近代美術館に作品が収蔵されている現役の彫刻家である。
作品はこんな感じ
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彫刻(折り紙)
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2023年夏、栃木県立美術館で開催された個展のレポはこちら
この視点が大好きで、今回も面白い話が聞けるのではないか、と参加してきた。
あと、作品をみるとつい笑ってしまうだけども、その解釈でいいのかなー?と作者の人となり、スタンスを知れれば、迷いなく笑えるな、と。
関連イベント 冨井大裕|「経験をみること」
トークの内容を忠実には書き起こすつもりはないので、私の視点で面白かった点を羅列していく。
タイトルにあった「経験」と「みること」の導入。
印刷物と「経験」とは
「印刷物を手にした時の『見る』ことや『手触り』など全てを『経験』ですよね」
なるほど!となりグッと話に引き込まれた。
持ち帰ったフライヤーへの思い入れは確かにあり、印象の強かった、自分自身に影響のあった展覧会のフライヤーは紙の質感や匂いまで鮮明に覚えている。
「チラシ見て展覧会や映画を見て『んー、チラシかっこいいのに内容イマイチ…』とかその逆も…『展示素晴らしいんだからもっとフライヤーどうにかならなかったのかなぁ』…とかね」
ちょっと笑ってしまったが深く頷いてしまった。
誰にでもある経験として共感しつつも、それを言語化したものに遭遇していなかったので新しい視点をもてた。
冨井さんと印刷物と彫刻
「武蔵美で彫刻を学んでいた頃の教授達は新制・東京芸術大学の一期生近辺の彫刻家達だった。恐らく、その頃今の様な輸送技術もない時代なので、海外の彫刻に触れるのは印刷物だったのではないか、と。
絵画作品は比較的来日展などあったかもだけれど、彫刻を生で見るチャンスは少なかっただろう。そう思うと印刷物と彫刻への関係ってある」
印刷物と彫刻の接点に思いを馳せる。
つい立体と平面、と考えてしまいがちだがそうではなく。
印刷物と彫刻作品
冨井さんの作品をご本人から解説してもらう。
印刷物から作る彫刻作品。ここには紙の質感も大事になってくる。
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様々な形が生まれるが、冨井さんの中のルール、印刷物の文字は読める状態で立体にしていく。デザイナーが構成したであろう画面をまた冨井さんが別の形をつくっていく。
その質が、色の感じが、紙の匂いが、インクの匂いが…から新たな形を生み出す作品とわかると「面白い形」と捉えられる。
笑顔を交えながら、心底楽しく制作している話を聞いて、「あ、この彫刻家は本当に楽しく作っているのだな」と思ったし、作品を見て笑っても大丈夫そうだ。
そして何より、印刷物に対する愛がすごい。トークの冒頭で「印刷物でビールが飲める!」とも話ていた。好きのパワーはどこまでもポジティブだ。
慶應義塾ミュージアム・コモンズ(KeMCo)について
施設概要を見ると主に在学生向けの施設。
土日祝日が休みなので訪問の際はお気をつけを…。
では、マイベスト・エフェメラは何か
という訳で、東京都現代美術館の開館年1995年ぐらいから30年分の美術展チラシが手元にある。
いつか、「マイベスト・エフェメラ」とかテーマにnoteを書きたいものだ。
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