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店舗経営編~時代を先読むチカラ~

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小さな店は【先手を打つ】に限ります。小さな店の運営を20年以上続け、売上もそれなりにあります。運営/経営/店の切り盛り/世相とこれからにについて書いてます。
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#経営

ITとヒトとの関わり方・バランス・距離感・適正化【八百屋から見た“食”no.48】

ITとヒトとの関わり方・バランス・距離感・適正化【八百屋から見た“食”no.48】

近所にあるファミレスで目にする光景。

人手不足編でも書いたように、働くヒトが減っています。
アルバイトはひと昔前のような規模では採用できず、大手個人といった経営規模にかかわらず、常時配置が難しくなっています。

注文取りのパネル化・QRコード化は一般に普及しましたね。
さらに一歩進み、飲食産業では配膳(運搬)・会計を非対面方式にシフト。
猫型ロボット(←ん?)が出来上がった料理を運びます。

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店を続けたいなら値上げしよう【八百屋から見た“食” no.5】

店を続けたいなら値上げしよう【八百屋から見た“食” no.5】

先々続けたい店は値上げする。このシンプルな事実。
「食」関連の値上げ(だけ)は残念に感じる人が多いのはなぜでしょうか。

■原料価格の視点から
農産物価格は豊作不作で変動しますが、近年は国内外とも天候不順による不作が目立ちます。とくに土地利用型の穀物・根菜・果樹に多く、高騰が長引いています。豊作不作に関係なく“物流費・動力費”も上昇。機械を動かすガソリン・ボイラーを焚く重油・宅配便等々、実感する場

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今後も長く続けたいなら休もう。週休2日制へ。 【八百屋から見た“食“no.6】

今後も長く続けたいなら休もう。週休2日制へ。 【八百屋から見た“食“no.6】

ひとり親方で法人10期を終えます。
学生インターンからカウントすると八百屋歴20年弱。。
トマトも食べられんかった奴がわからんもんです。
===

先手を打つ。
個人商店の醍醐味はコレしかないと言っていいです。
風を読み帆を張り、たまに風を読まずに突き進むバランス。

丸2年“棚上げ”していた【週休2日・週5営業日制】3月から実施します。
おかげさまでそれなりに盛況。週6営業で大穴があく日もありま

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モノもヒトも消えていく未来〜豊富な食の終焉〜【八百屋からみた“食”no.24】

モノもヒトも消えていく未来〜豊富な食の終焉〜【八百屋からみた“食”no.24】

先日、意見交換する機会がありました(単なる飲み会という)

職業&経歴上、製造・販売・農漁業・流通・輸出入・飲食店といった食品関連産業の友人が(業態/国内外問わず)多くいます。

今回会ったのは年に数回会う顔ぶれ。肩肘張らない会話が続くのが嬉しく、知見も蓄積し、各分野の最新情報や動向も得られます。酒量も健康的。
対面機会の少ない最近は、人と会うとしゃべってしまいます。カラミ酒と思われていないかやや

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八百屋を目指す皆さんへ。【八百屋から見た“食”no.34】

八百屋を目指す皆さんへ。【八百屋から見た“食”no.34】

八百屋・直売農家・小売店に共通します。
以下、謎解きみたいな書き方かもしれませんがお付き合いください。

これからの食料品販売は
◆安値&量販(お買得/お値打ち品/特売)
◆ストーリー(起源/歴史/イイモノ/自分優位/優劣比較)
◆農法(無○○/減○○/○○をなるべく使わず/丁寧に/キケン/安全)

上記に【訴えない】運営で
いかに顧客を増やし続けるかどうかです。
意気揚々と新しく始めてはすぐにつ

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生鮮売場は必需ではなくなった【八百屋から見た“食”no.37】

生鮮売場は必需ではなくなった【八百屋から見た“食”no.37】

近年、都内スーパーでは、リニューアルのたびに惣菜売場&冷凍食品売場が拡張し生鮮売場(とくに青果と鮮魚)は縮小しています。買い物される皆さんは実感あるのではないでしょうか。生鮮の売場面積が小さくなったため、選ぶ楽しみも選択肢もどんどん減っています。

すでに“料理する前提”で生鮮品が売場に並ぶ時代は過ぎました。常備ではなく、使うか使わないか/気に入った商品か否か/料理するかしないか、世帯ごとに判断が

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ヒト&胃袋の縮減と無関心の大波。〜2024年の抱負〜【八百屋から見た“食”no.40】

ヒト&胃袋の縮減と無関心の大波。〜2024年の抱負〜【八百屋から見た“食”no.40】

2024年も美味しい普段遣いを念頭に仕事します。

いつのまにかフォロワー100名超えてました。ありがとうございます。
2023年の抱負は継続しつつ、2024年になった今思うことを列記します。

◇経営の最適化(≒個人労働/行動範囲の最適化)
◇(働く)ヒトがいなくなる中の運営
◇食資源が減りづづける中の運営
◇〃→それでも野菜&コメは余っちゃう問題
◇労働のスコア化(単価&軽作業化)
◇食事のス

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八百屋は簡単に事業展開できると思っている人達へ【八百屋からみた“食”no.39】

八百屋は簡単に事業展開できると思っている人達へ【八百屋からみた“食”no.39】

「八百屋なんて簡単」

いや~ひさびさに聞いたんで所感を。
異端の八百屋を紆余曲折21年ほど続けています。本当にいろんな方に支えられてきたし、正直運もあります。仕事にばかり運使ってどうすんだという御声は置いといて。

個人的には【八百屋は個人運営で最も難しい商い】と常に思っています。継続できる収益性を常に生み出しにくい職種。だから他人に全く勧めないし、ベンチャー企業&しくみ作って多店舗展開とかマニ

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個人商店は特定のお客さんに喜んでもらう仕事。全員に認められなくてもいい【八百屋から見た“食”no.41】

個人商店は特定のお客さんに喜んでもらう仕事。全員に認められなくてもいい【八百屋から見た“食”no.41】

昨年より闘ってまで言いたいことが減っています。
ある種の承認欲求が落ち着いたのかもしれないし、自分の出力(≒マンパワー)が落ち気味なのかも。あるいはヨノナカの全員に受け入れられはしないという諦観なのかもしれません。

「こんなことやってます」アピールよりも、日々のサービスレベルを落とさずそつなく終え、店を利用してくださる方々に応えたいという意識が強くなっています。個人商店にとっては(全員でなく)フ

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人手不足を言語化する【八百屋からみた“食”no.45】

人手不足を言語化する【八百屋からみた“食”no.45】

人口動態の統計で明らかな通り、日本人の年齢別人口が最も多いのは75歳前後の各年代。近年毎年200万人の日本人が高齢者&後期高齢者となり正社員やアルバイトといった労働市場から消えています。

かたや就職やアルバイトで労働市場に新たに参入する日本人は毎年85-90万人。

ざっくりとした計算ですが1年進むたび、差引100万人以上の日本人働き手が居なくなっています。実際の人口減以上に働き手が急速にいなく

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続・つづけたいなら休もう【八百屋から見た“食”no.46】

続・つづけたいなら休もう【八百屋から見た“食”no.46】

※これまでの経緯※
序章:2019〜コロナ禍〜2022年の経緯を書きました。

前回:人手不足という次元を超え、働き手が年100万人ずつ消えている現在(2024)を書きました。

前回お伝えした人手不足の状況と弊害について
もう少し細かく、より運営に準じた話を書きます。

これまでの食品小売業界、ファーストフード・惣菜販売・スーパー・コンビニ・デパ地下・飲食店・パン屋八百屋etc.専門店といったあ

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