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伝わるモノ(生業・農産物・民具など)

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【前編】大学で「食文化の伝承と発信」をテーマに講義しました

【前編】大学で「食文化の伝承と発信」をテーマに講義しました

令和6年6月24日、滋賀県立大学「地域教育プログラム」地域基礎科目
【近江の美】のひとコマ
「食文化の伝承と発信」をテーマに講義させていただきました。

今回、講義をするために、改めて活動内容、調査してきたこと、発信してきたことをまとめる機会となり、良き振り返りとなりました。
講義内容パワポを紹介します。

【その1】YOBISHIプロジェクトの活動紹介

YOBISHIプロジェクトを動かす中心メ

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文化庁「100年フード」認定!

文化庁「100年フード」認定!

「よびしの食」
(寄り合いの時のおもてなし料理)が
3月3日文化庁【食文化あふれる国・日本『100年フード』】認定いただきました!

滋賀県は1件のみ、全国から応募212件中、131件の認定でした。

「世代を超えて受け継がれ、長く地域で愛されてきたもの、地域の関係者や
地方自治体が100年続く食文化として継承することを宣言する」ものです。

【よびしの食】

「よびし」とは、冠婚葬祭などに、親戚

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「地域学習」で「化石発掘体験」ができるまちで、「ブランディング」に小学生がチャレンジ

「地域学習」で「化石発掘体験」ができるまちで、「ブランディング」に小学生がチャレンジ

2022年、国指定天然記念物になったアケボノゾウ化石多賀標本。
「シガタガゾウのサト祭り実行委員会」は、アケボノゾウ化石多賀標本が国の天然記念物となる動きや、取り組みを契機に動き出したプロジェクトです。『アケボノゾウ化石でわくわくするまちづくり』をコンセプトに活動しています。
シガタガゾウのサト祭り実行委員会の取り組みを紹介します。

多賀町内の小学生は、古琵琶湖層から発掘された古代ゾウ、アケボノ

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プラスチック桶が所せましと並ぶ あの光景はなんだったのか?

プラスチック桶が所せましと並ぶ あの光景はなんだったのか?


ホームセンターに並ぶプラスチック桶

まだ多賀町に越してくる前のこと、今でも忘れられない光景があります。
ホームセンターの外壁天井まで何段も並んでいたのが、子ども一人が充分入れるサイズのプラスチック桶の数々。
何にそんなに需要があるのか??と衝撃を受けました。平成10年頃だったかと思います。
当時は、漬物を漬ける桶との認識はなく、雨水タンクかコンポストを推奨しているものかと勘違いしていました。

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縄ない機、修理して使われへんやろか?

縄ない機、修理して使われへんやろか?

2年ほど、滋賀県多賀町多賀で活動する老人会のおっちゃん達から聞き取りをしている。
「昔を語る会」と言って、農作業の話、遊びの話、お祭りの時の話、昔の町並みの話、食の話など毎回テーマを決めて思い出話を聞かせてくださる。
2年前、多賀町立化財センターに寄贈された昔の農機具を見て、「懐かしいなあ、子どもの頃につことったわ」と、昔を思い出して生き生きと話しておられました。
「縄ない機 修理して使われへんや

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稲藁をもらいに行って『わらしべ長者』の「しべ」の価値が気になった日

稲藁をもらいに行って『わらしべ長者』の「しべ」の価値が気になった日

いつも稲刈りは突然

「今年も年末に、しめ縄作りのワークショップしはるやろ?
私らもな、ムシロ編み機を修理してな、ムシロ編みたいねん。
藁をな、確保しといてくれんやろか??」
半年前から、地元老人会を取りまとめる先生からお願いされていました。
「藁そろそろやろ?たのむでなぁ」
と、月曜日に出会った時にも念を押され、そろそろ稲刈りかなあと心構えしていましたが、今年も突然でした。
お願いしていた方から

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かき餅を焼くは「育てる」感覚

かき餅を焼くは「育てる」感覚


思い出の定番おやつ

聞き取り調査で、必ず聞く定番おやつが、「かき餅」や「あられ」。
冬の一番寒い時に、餅を搗いて、ジュウ(フードコンテナ)にのばし、薄くスライスする。それを藁縄の間に挟んで縁先に吊るして乾燥させる。乾燥したら缶に入れて保存する。
火鉢で炙って食べるのが美味しかった~と聞きます。

子どもの頃、母が正月に余った餅を小さいサイコロ状に切り、網戸の上に干して「あられ」を作っていました

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うどん県出身を魅了した蕎麦打ち

うどん県出身を魅了した蕎麦打ち

「多賀そば」

滋賀県多賀町の特産品「多賀そば」を打つ動画撮影を、桃原プロジェクトさん協力で昨年夏に記録しました。
忙しくて編集できないままでしたが、一年越しで優秀なYOBISHIスタッフhさんに仕上げてもらいました。

滋賀県多賀町は、近畿で指折りの蕎麦生産地なんです。
1996年(平成8年)から蕎麦の栽培が始まり、2020年(ちょっと情報が古いですが)は16軒の農家さんが栽培されていたそうです

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多賀町シャインマスカット宣言

多賀町シャインマスカット宣言

令和5年8月吉日
滋賀県多賀町は「多賀町シャインマスカット宣言」します!
令和2年度から始まった栽培。
まずは、町内の皆さんに知っていただき、
まずは
お味見をしていただきたい。

8月26日土曜日
多賀大社駅前から門前町一帯で開催されるコトブキ市が、初お披露目となります!
コトブキ市情報はこちらから ↓

多賀にんじん

多賀にんじん

多賀にんじん
にんじんは、抗酸化作用のある βカロテンを豊富に含む栄養価の高い野菜です.
最も効率的に、栄養を摂取できる秘訣は、皮ごと、油と一緒に加熱すると吸収率がUP!します.
にんじんの糖度は平均5~6度程度とされていますが、多賀は、冬の寒さが厳しく、降雪量も多いことからにんじんの糖度が上がり、最高10度(生でも甘く感じられる、果物に近い)程度になります.甘くて美味しいので、生で食べる(ジュー

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草木染とごぼう畑

草木染とごぼう畑

 

草木染とごぼう?

 滋賀県多賀町桃原地区は、かつては、ゴボウの名産地。標高350mの鈴鹿山系にある集落です。石灰岩の上に堆積した赤土と、冷涼な気候が高級ごぼうを育む産地となったようです。
江戸時代の文献に「多賀午房」とみられます。昭和半ば頃まで、お多賀午房がなければ正月が迎えられないと、京都では高値で取引されていたそうです。

お多賀ごぼう人気のわけは?

かつてのゴボウは太くて、

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