運河の街 小樽/海辺の水彩画
絵・文 岡本幸雄
小樽は北海道開拓時代の玄関口として発展してきました。当初は沖泊めした本船からハシケ(台船)を使って荷揚げ作業が行われていましたが、次第に取り扱う荷量が増え、搬送作業の効率化のためにハシケが接岸できる長い水路が必要となりました。そこで大正12年に完成したのが小樽運河です。
小樽運河は内陸部を掘り込んだ一般的な運河ではなく、日本で唯一、海岸の「沖合埋め立て方式」で築かれました。そのため、元の海岸線に沿って緩やかに湾曲しているのが特徴です。当初の全長は1,14