「ねむりのもりのはなし」〜あべこべのくに〜 長田弘
いまはむかし あるところに
あべこべの くにがあったんだ
はれたひは どしゃぶりで
あめのひは からりとはれていた
そらには きのねっこ
つちのなかに ほし
とおくは とってもちかくって
ちかくが とってもとおかった
うつくしいものが みにくくて
みにくいものが うつくしい
わらうときには おこるんだ
おこるときには わらうんだ
みるときには めをつむる
めをあけても なにもみえない
あたまを じめんにくっつけて
あしで かんがえなくちゃいけない
きのない も