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中島屋酒造場 日本酒造りの風景

日本酒造りには、気温の下がってくる冬から春頃まで仕込みをする寒造り(寒仕込み)という方法と、一年を通して仕込みをする四季醸造という仕込み方法があります。
周南市永源山の麓に蔵を構える中島屋酒造場は200年変わらず寒造りを行っている蔵です。この度、ご縁があって中島屋酒造場の日本酒造りに参加させていただくことができました。ここではなかなか見ることのできない日本酒造りの風景を紹介出来たらと思います。

この記事は、周南市の魅力をPRする周南市市民ライターの活動として発信しています。

朝の風景

中島屋酒造場は新南陽駅から北へ歩いて約15分、神代川と富田川の合流地点にあり、豊富な水源から蔵のお酒は造られています。

酛すり作業の様子

中島屋酒造場は、昔ながらの製法生酛造り(きもとづくり)を取り入れている蔵でもあります。酛すり(もとすり)作業でお米をペースト状にし、自然の乳酸菌を取り込みながら発酵させることで、生酛造りならではの酸を感じられる奥深い味わいの日本酒になります。中島屋酒造場の「家伝造り 生酛純米 カネナカ」はこの製法を用いて造られた同蔵の代表的なお酒です。

櫂入《かいい》れ作業

櫂入(かいいれ)作業では、蒸したお米、麹、お水、醪(もろみ)を混ぜ合わせていきます。発酵が進むにつれ、プチプチとした発泡と共に日本酒のいい香りが蔵内に広がります。

雫取り風景
中島屋酒造場 会長の佑治郎さんと杜氏兼社長の信博さん
大吟醸の醪が入った袋

醪を袋に入れ、圧力をかけず自然の重みでお酒を絞り、「雫取り」します。
雫取りすることで、雑味のないとても上品な味わいに仕上がります。大吟醸のいい香りが蔵いっぱいに広がり、酒ラバーの私としては「一滴一滴絞られるお酒を味見したいぞ!」と思いつつ、心の奥にそっと閉まっておきました。

火入れ風景

火入れ作業を行うことにより、より安定した酒質になり、生酒では感じられない落ち着いた味わいの日本酒に仕上がります。この後、出荷や貯蔵に入ります。

今年5月、夢風車通りで開かれた「第23回まんどころ来てみん祭」出店の様子(中島屋酒造提供)

日本酒がどういった工程で、どういった人たちと造りあげられていくのか。それを知ることは私にとってより日本酒を深く理解する大切な機会になりました。
今回、中島屋酒造場で日本酒造りに携わることができたことを幸せに思います。この記事を通して少しでも多くの人に日本酒が造られる工程を知っていただき、より美味しく日本酒を味わっていただければ嬉しいです。

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