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僕の読書記録

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#読書感想文

ことり

ことり

今回は久しぶりに最近読んだ小説を紹介したいと思う。

小川洋子さんの「ことり」。

あらすじは以下の通り。

あらすじだけしか読んだことのなかった僕はどんな物語なのだろうと興味津々だった。小川洋子さんの作品も「人質の朗読会」しか読んだことがなかったので今回が2冊目。

人間の言葉は話せないけれど、小鳥のさえずりを理解する兄?

この文脈だけだと主人公は一体誰なのか。

それもよくわからない。

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熊の敷石

熊の敷石

台風の影響が大きかった。大雨による被害も全国各地で起きているとニュースで見た。いよいよ梅雨のシーズン。油断はできない。

さて、6月最初の記事では最近読んだ小説を紹介したいと思う。

堀江敏幸さんの「熊の敷石」。

あらすじは以下の通り。

堀江さんの作品は初読となる。

この小説は「熊の敷石」、「砂売りが通る」、「城址にて」の3作品が掲載されたものだ。

そもそも敷石とは何か。広辞苑をはじめ辞書

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ボッコちゃん

ボッコちゃん

GWも今日でおしまい。

そして全国的に雨。でも気温的にはこのくらいの涼しい感じが良い。これから始まる梅雨はジメジメしてるから苦手だけれど、この時期にパラパラ降る雨なら好き。

今日もまた前回に引き続き小説を紹介したいと思う。

星新一さんの「ボッコちゃん」。

あらすじは以下の通り。

以前大学の授業で登場した作家の1人。

星新一さんの作品の魅力はなんといっても未来予言的な部分がストーリーに組

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三兄弟の僕らは

三兄弟の僕らは

ゴールデンウイークと言いつつ、僕は昨日も今日も朝から普通に授業があった。最大で9連休の人もいると聴きそれはそれで羨ましい気持ちを抱くと同時に、この連休が過ぎ去れば、7月まで全く祝日がないという事実に気づいてしまった。次の祝日までざっと70日くらいかな……。

今回は最近読んだ小説を紹介したいと思う。

小路幸也さんの「三兄弟の僕らは」。

小路さんの小説は以前、「東京ピーターパン」、「荻窪シェアハ

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Two days after the snowfall.

Two days after the snowfall.

金曜日の関東地方、雪が降った。

昨日、今日は晴天だ。

最近、シェアハウスが舞台の作品になんでこんなにハマっているのか自分でもわからないが、また新たに1つ、小説を見つけて読み終えたので共有したいと思う。noteで少し前に取り上げた「荻窪シェアハウス小助川」は、本当に面白かったのでおすすめしたい。が。今回取り上げる小説もぜひ。特にDIYに興味がある人、趣味としてやっている人にはおすすめしたい。

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荻窪シェアハウス小助川

荻窪シェアハウス小助川

今日から2月。そして春休み。

大学生にとって夏休みよりも冬休みよりも長いのが春休み。予定はあるけれど、いつもよりも余裕ができるので有意義な休暇にしたいと思う。

今回は最近読んだ小説を紹介したいと思う。

小路幸也さんの「荻窪シェアハウス小助川」。

小路さんの小説は以前、「東京ピーターパン」という作品を紹介する際に取り上げたことがある。マガジン掲載の「僕の読書記録」をご参照ください。

あらす

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ピアニシモ

ピアニシモ

今日は久しぶりに最近読んだ小説について書きたいと思う。

辻仁成さんの「ピアニシモ」。

この小説でデビューし、第13回すばる文学賞を受賞した小説家だ。ミュージシャンや映画監督、演出家としても知られている。

あらすじは以下の通り。

父親の転勤により何度も転校を繰り返してきた主人公・氏家透。透の中にはヒカルという人物が存在していた。ヒカルは誰にも見えない。透の中だけに居てどんな時も一緒に過ごすと

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星に願いを、そして手を。

星に願いを、そして手を。

今日は久しぶりに最近読んだ小説について書きたいと思う。

青羽悠さんの「星に願いを、そして手を。」

青羽悠さんは僕の3つ上で2000年生まれの22歳。

6年前にこの小説で「第29回小説すばる新人賞」を受賞した若手の小説家だ。同賞の受賞で彼が歴代最年少記録を更新した。

あらすじは以下の通り。

まず青羽さんが高校生の時に書いたというのに驚く。

人の生き方に正解がないからこそ、それぞれの立場で

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ネバーランド

ネバーランド

ハリボーって何種類かあるけれど、僕はコーラ味が好きだなあと思う。実家に帰るとお菓子の棚にあるので手に取って食べる。ハリボーは今現在も世界一の販売数らしい。僕はハリボーも好きだけど、男梅グミも好きだ。

今日もまた最近読んだ小説を紹介したいと思う。

恩田陸さんの「ネバーランド」。

あらすじは以下の通り。

僕が恩田陸さんの作品を読むのは2冊目。

初めて読んだのは中学生の頃、国語の先生に薦められ

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東京ピーターパン

東京ピーターパン

今月はまだ雨が降っていないらしい……という声が電車の同じ車両にいた人たちの会話から聞こえてきた。たしかに僕が記憶している限り、11月に入ってから雨が降っていないような。

先週の関東地方は何度か地震が起きた。最近は少し頻度が多い。深夜の緊急車両の音も季節的に響いて普段よりも大きくそして長く聞こえる回数が増えて来たような気もする。

今日は最近読んだ小説を紹介したいと思う。

小路幸也さんの「東京ピ

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とるにたらないものもの

とるにたらないものもの

ニュースを見ている感じだと今日、昨日、一昨日の渋谷は予想通りの混雑具合いだったのだとわかる。ハロウィンか……。そうか。僕はそれっぽいことを何もしてないな。ホラー映画をこの時間から観始めるのはちょっと怖いし。まっでも袋がハロウィンデザインのお菓子は食べたからいっか。

10月最終日となった。今年も残り2か月。

今日は江國香織さんの小説「とるにたらないものもの」という作品について書きたいと思う。あら

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心に耳を傾けて

心に耳を傾けて

ある海外文学と出会った。それは「アルケミスト 夢を旅した少年」というパウロ・コエーリョが書いた小説である。

今から34年前に発売された作品でこれまで多くの国と地域で翻訳されている。今回はその日本語訳版を講読した。

あらすじは下記の通り。

そもそもアルケミストとは何なのかというと、英語表記で「alchemist」=錬金術師という意味である。ただ、今回の主人公・サンチャゴは錬金術師ではない。今回

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世界の正常な部品としての私

世界の正常な部品としての私

村田沙耶香さんの「コンビニ人間」を読んだ。この作品は大学で同じ学科の学生が、おすすめの本紹介の中で挙げていた作品だった。2016年に第155回芥川賞を受賞し、2018年に文庫版が刊行された作品である。

【あらすじ】
主人公・古倉恵子は、30代半ばにも関わらず、正規の就職をせずに大学時代に始めたコンビニのアルバイトを続けていた。古倉は子どもの頃から変わり者で人間関係は希薄、恋愛経験も皆無だったが、

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