「麦の海に沈む果実」恩田陸

「麦の海に沈む果実」恩田陸

やや幻想的な世界観。湿原が象徴的に描かれているように、どことなく薄暗く見通しのきかない物語。 主人公の女の子が何なのか……とかを謎として解き明かしていく読み方を求められているのだろうけれど、それよりも、このどんよりとした風景の学園生活が、何だか面白くなってしまっていて、そちらへの興味をうまく掴みきれなかった。折しも、物語展開も中途で緊張感が緩み、そのまま私は迷子になってしまったため、ラストの畳みかけもうまく機能せず。 恩田陸という作家は大変人気があり、私も何冊か読んだけれど、

【読書記録】三月は深き紅の淵を

【読書記録】三月は深き紅の淵を

普段私は読みやすい本を読んでいるのかなぁーと 思わされる一冊だった。 不思議な感覚。 どんどん飲み込まれていくように、 頭の中にハテナが浮かんでは消えて、 掴めそうで掴めない、 を繰り返した。 理解しようと努め、自分のちっぽけな頭で 解釈しようと奮闘するのだけれど、 なんだかケムに巻かれているような不思議な感覚が つきまとう。 「三月は深き紅の淵を」というタイトルの本をめぐる、4つの短編から 成る。 4つの短編を繋げているのは「三月は深き紅の淵を」という本と、 小泉八雲に似

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月の裏側

月の裏側

九州の水郷都市・箭納倉。ここで三件の失踪事件が相次いだ。消えたのはいずれも掘割に面した日本家屋に住む老女だったが、不思議なことに、じきにひょっこり戻ってきたのだ、記憶を喪失したまま。まさか、宇宙人による誘拐か、新興宗教による洗脳か、それとも?事件に興味を持った元大学教授・協一郎らは〈人間もどき〉の存在に気づく…。 やっと読み終えましたー。 本当、どれだけかかったんだ!ってくらい時間がかかりました。 恩田さんの小説はいつもワクワクして続きが読みたくなるのですが…。 この月

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ネタバレ!祝祭と予感 著:恩田陸

ネタバレ!祝祭と予感 著:恩田陸

 蜜蜂と遠雷のスピンオフ短編集が出ていると読書メーターで知って、即図書館で検索、読みました!!なんだこれは!こんなにご褒美もらっちゃっていいんですか!?  というわけで、ネタバレなしに感想を語るなんてありえない!!と思い、こちらは存分にネタバレしながら語っていきたいと思います。もうめちゃくちゃネタバレです!!  今回の作品は短編集のため、本編とはちがって、本当にあっさりと読み終わることができました。なのに、この感動。なのに、この読後感。まさか、こんなストーリーを読めるなん

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祝祭と予感
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祝祭と予感

蜜蜂と遠雷 https://note.com/manchanhaven/n/n266cbaf5cfc5 そして祝祭と予感。 “蜜蜂と遠雷”のスピンオフ。 まずページ数の少なさにびっくり!! 一気に読めそうだったけど、味わうように二晩で読んだ。 6つの短編に分かれていた。 すべてのタイトルが本編と同じく“〇〇と〇〇”という具合。 そのタイトルの意味するところを考えながら読むのも面白かった。 本編を書いてからこれらを書いたのか、それともあらかじめ書いていて本編に記載され

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読書記録〈4-6月〉

読書記録〈4-6月〉

なぜか7-9月の読書記録を先に投稿してた。まあいいや。 4月 ダンス・ダンス・ダンス 上/村上春樹 ダンス・ダンス・ダンス 下/村上春樹 砂の女/阿部公房 安達としまむら/入間人間 図書室の海/恩田陸 ビブリア古書堂の事件手帖5/三上延 安部公房は初。恩田陸は『蜜蜂と遠雷』しか読んだことなかったので、短編集で作品の雰囲気つかみのために読んでみた。 ビブリアは気がついたらかなり進んでたので(第2部始まってて驚いた)追いつくために再履修。 5月 アンドロイドは電気羊の夢を見

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本に囲まれると安心する現象を何と名付けようか #本棚をさらし合おう
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本に囲まれると安心する現象を何と名付けようか #本棚をさらし合おう

あきらと氏がやってくれました。 何だって?2年間も放置している本棚を紹介していいよって?やれやれ.... 楽しいじゃないですかやだ―! そのかわり、2年分だからとんでもなく長いよ。覚悟してね。 (あきらと氏へ。やっぱり結構本棚変わってました。まる) 最近はいろいろな場所に行くのがためらわれるので、欲望をあおる紀行文を中心にピックアップしました。 では、どうぞー。 ・酩酊混乱紀行『恐怖の報酬』日記 著者:恩田陸 これは笑うための本です(←違う)。 恩田陸さんと

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本とそれにまつわる思い出

本とそれにまつわる思い出

六番目の小夜子 恩田陸 大阪の鶴橋のBOOKOFFで買いました。がちゃがちゃとした街。10数年前の冬、カラッと晴れた日だと思います。お昼には焼肉を食べた気がします。 すいかの匂い 江國香織 はじめて買った本。木べらのスプーン、亀、新幹線の話、ナイフ?で切りつける話…何度も何度も読んでいます。背がよれよれです。ずっとこれからも好きです。 ゴーストハントシリーズ 小野不由美 中高生の頃に読みました。装丁の祖父江さんを知るきっかけになった作品です。もちろん、内容も好きです。なん

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【読書】辻村深月と恩田陸と原田マハはどこか似ている?

【読書】辻村深月と恩田陸と原田マハはどこか似ている?

今、人気、実力ともに エンタメ文学界を代表する女性作家、 辻村深月、恩田陸、原田マハ。 ご三方は、 青春じわじわ感動小説も、 ざわざわ温かミステリー小説も、 両方、書ける点で、 よく似ている気がするんです。 でも、 文章の味も、 得意な人物も、 取り上げやすいテーマも、 じっくり見たら、やはり違いますね。 これは作者の性格や、 作家としての目標や、 趣味嗜好の違いが原因でしょう。 恩田さんは、 優しげな暗闇に包みれる感覚? 辻村さんは、 痛みや冷たさがどこかに隠れた

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秋の夜長にお勧めしたい読書シリーズ

秋の夜長にお勧めしたい読書シリーズ

私の住んでいる地域は、すっかり秋になりました🍁 秋といえば読書の秋!ということで、個人的にお勧めしたい本たちをご紹介します。 麦の海に沈む果実恩田陸さんの学園ものが本当に好きなのですが、中でもこれはイチオシです。 舞台は湿原に囲まれた全寮制の高校。そこで暮らすのは、複雑な事情を抱えた大人びた生徒たち。 主人公の水野理瀬が3月に転入してくるところから物語は始まります。 世界から隔離された謎めいた学校。個性的で賢い子どもたち。次々と起こる事件はミステリー要素満載で、その不思議

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