谷川嘉浩

京都市在住の哲学者。たにがわよしひろ。 Twitter: @houkago_kitsu…

谷川嘉浩

京都市在住の哲学者。たにがわよしひろ。 Twitter: @houkago_kitsune

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京都市在住の哲学者、谷川嘉浩です。 以下のようなジャンルの文章や音声をお届けする予定です。 ・書籍のための連載記事(文章) ・注目の書籍やコンテンツの紹介や読み解き(音声/文章) ・日記(文章) ・執筆や講演の舞台裏(音声/文章) ・過去記事の転載(文章) などなど 開かれた場所でも、閉じられきった場所でもないところで、なんとなくお互いの気配を感じながら、ひっそりと哲学未満のことばたちを作り上げる「工房」や「作業場」のような場所を持ちたいと考えていました。 SNSの喧騒を忘れて、言葉を作ることにこだわる場所です。 メンバーシップを始めた最大の目的は、書籍執筆にあります。何もないところから言葉を作り出すプロセスには、伴走してくれる人が必要です。 言葉を作り上げていくプロセスは、地味で静かです。谷川の日常に付き合っても構わないという方、お待ちしています。 月ごとに内容や本数に多少の偏りがあるかもしれません。その点ご承知ください。(3回以上は更新したい気持ち)

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    ウェブで公開して構わないものを訳しています。投げ銭だったり、一部公開だったりします。 課金してもらえたら、チーズケーキ買って帰る幸せが得られます。

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    京都で暮らすと見られるもの。観光客の後頭部、遠巻きに人間を見つめる猫と、キノコの生えた街路樹、回収の遅い郊外の生活ごみ。

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    • 10本

    Transit Library(ただ今、建設工事中)の Lounge でのコミュニケーションの蓄積です。

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    しがないシナリオ作者です。全文公開のやつもあります。

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はじめまして。京都市在住の哲学者、谷川嘉浩です。 noteのメンバーシップをはじめます。「哲学の工房」という名前です。 以下のようなジャンルの文章や音声をお届けする予定です。 開かれた場所でも、閉じられきった場所でもないところで、なんとなくお互いの気配を感じながら、〈哲学未満のことば〉を〈哲学のことば〉へと作り上げていく「工房」のような場所を持ちたいと考えていました。 SNSの喧騒を忘れて、言葉をつくることにこだわりたいと思っています。 メンバーシップを始めた最大の

    • 日記:5/1-5/31

      5/1 猫を心配し、書店でイベントする 猫の体調がよくない。食事の量が明らかに減っていた。急いで動物病院に滑り込む。GW中に平日があってよかった、なんて思うとは思わなかった。胃腸を崩したらしいが、水分はよくとっているし、大きな問題にはならなかった。よかった。 栄養のある缶詰をもらって猫にあげると、いたく気に入っていた。缶詰の音に過剰反応するようになった。 夜には鴨葱書店にてイベント。 5/3 古巣の人たちと食事する 行ったことのないお店で、あまりしっかり話したこと

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      • 三宅香帆『娘が母を殺すには?』と、批評の問題

        今日は三宅香帆さんの新刊である『娘が母を殺すには?』について書いてみたいと思います。(著者よりご恵投いただきました、ありがとうございます。) この本が何をやっているかって言うと、「批評」ですよね。書評家を名乗っていた三宅さんが、『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』を経て「文芸評論家」を名乗り、翌月にどーんと批評本を出す。批評家の名刺としては、とてもいい流れですよね。 批評の本としては不思議な書き方 ただの本としては少し不思議なことをやっているんですよ。何をやっている

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        • 思い切りのいい異端者の哲学:ジョン・デューイ本連載⑦

          #デューイ連載 の第7回目です。前回のリンクはこちら。 プラグマティズムが何をしない代わりに何に取り組むのか。そういう関心の編成の問題として、哲学の再構築を論じました。 さて今回は、哲学とは仮説の提示であるという異端的な考えについてさらっとお話します。 思い切りのいい異端者 デューイは、異端の哲学者としてウィリアム・ジェイムズの名前を挙げたことがある。 もちろん彼は、この少数の異端者に力いっぱい同意を示している。その同意が持つ意味について解説する前に、この引用文の先

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          日記:5/1-5/31

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          5/1 猫を心配し、書店でイベントする 猫の体調がよくない。食事の量が明らかに減っていた。急いで動物病院に滑り込む。GW中に平日があってよかった、なんて思うとは思わなかった。胃腸を崩したらしいが、水分はよくとっているし、大きな問題にはならなかった。よかった。 栄養のある缶詰をもらって猫にあげると、いたく気に入っていた。缶詰の音に過剰反応するようになった。 夜には鴨葱書店にてイベント。 5/3 古巣の人たちと食事する 行ったことのないお店で、あまりしっかり話したこと

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          日記:5/1-5/31

          三宅香帆『娘が母を殺すには?』と、批評の問題

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          今日は三宅香帆さんの新刊である『娘が母を殺すには?』について書いてみたいと思います。(著者よりご恵投いただきました、ありがとうございます。) この本が何をやっているかって言うと、「批評」ですよね。書評家を名乗っていた三宅さんが、『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』を経て「文芸評論家」を名乗り、翌月にどーんと批評本を出す。批評家の名刺としては、とてもいい流れですよね。 批評の本としては不思議な書き方 ただの本としては少し不思議なことをやっているんですよ。何をやっている

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          思い切りのいい異端者の哲学:ジョン・デューイ本連載⑦

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          #デューイ連載 の第7回目です。前回のリンクはこちら。 プラグマティズムが何をしない代わりに何に取り組むのか。そういう関心の編成の問題として、哲学の再構築を論じました。 さて今回は、哲学とは仮説の提示であるという異端的な考えについてさらっとお話します。 思い切りのいい異端者 デューイは、異端の哲学者としてウィリアム・ジェイムズの名前を挙げたことがある。 もちろん彼は、この少数の異端者に力いっぱい同意を示している。その同意が持つ意味について解説する前に、この引用文の先

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          形而上学を回避するプラグマティズム:ジョン・デューイ本連載⑥

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          哲学者、ジョン・デューイを読み解き、プラグマティズムに入門していく #デューイ連載 、今回は第6回目です。 前回はこちら。それ以前は上記のハッシュタグで辿れます。 前回は、哲学を読み換え、書き換えるデューイの実践を、「道徳」という領域において確認しました。 さて、今回はそういうデューイの哲学観を、「形而上学」という言葉を使って説明し直してみたいと思います。 形而上学を回避する哲学 デューイが近代科学の影響下で哲学を書き換えようとしてきたということをこれまで確認してき

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          ある『人生のレールを外れる衝動のみつけかた』読書会のためのQ&A

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          ある読書会で、『人生のレールを外れる衝動のみつけかた』を扱ってもらい、顔を出さないかと誘われたのですが、流石に多忙でしてその機会は持てず、代わりに簡単に質疑応答的なものに応えました。三回にわたる読書会だったそうで、その熱心さに心打たれました。 はい、ということで、今回はその質疑応答の内容をシェアします。事前にもらった質問に答え、読書会時間中に回覧し、雑談の種にしてもらう感じですね。 はじめまして。谷川嘉浩です。今回は読書会にご参加いただきありがとうございます。 ちょっと

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          ある『人生のレールを外れる衝動のみつけかた』読書会のためのQ&A

          買うか迷った本を買うかはどう決めればいいか問題

          「コーヒー1杯分の支援」他に参加すると最後まで読めます

          私は仕事柄……というより習慣的によく本を読むし、それをはるかに上回るスピードで本を買うのですが、買うか迷って買わなかったことで後悔したことはたくさんあります。 その逆もあるのですが、そういう本は、天下の回り物だと思って古本屋さんに売ってしまいます。次にいい人に会えるといいなってな感じで。 売るときは、最近はバリューブックスの買取システムを使いがち。集荷してくれるのでめんどくさくない。残念ながら、職場の近くや職場への動線で地元の古本屋がないんですよね。 それはともかく、今

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          形而上学を回避するプラグマティズム:ジョン・デューイ本連載⑥

          哲学者、ジョン・デューイを読み解き、プラグマティズムに入門していく #デューイ連載 、今回は第6回目です。 前回はこちら。それ以前は上記のハッシュタグで辿れます。 前回は、哲学を読み換え、書き換えるデューイの実践を、「道徳」という領域において確認しました。 さて、今回はそういうデューイの哲学観を、「形而上学」という言葉を使って説明し直してみたいと思います。 形而上学を回避する哲学 デューイが近代科学の影響下で哲学を書き換えようとしてきたということをこれまで確認してき

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          ある『人生のレールを外れる衝動のみつけかた』読書会のためのQ&A

          ある読書会で、『人生のレールを外れる衝動のみつけかた』を扱ってもらい、顔を出さないかと誘われたのですが、流石に多忙でしてその機会は持てず、代わりに簡単に質疑応答的なものに応えました。三回にわたる読書会だったそうで、その熱心さに心打たれました。 はい、ということで、今回はその質疑応答の内容をシェアします。事前にもらった質問に答え、読書会時間中に回覧し、雑談の種にしてもらう感じですね。 はじめまして。谷川嘉浩です。今回は読書会にご参加いただきありがとうございます。 ちょっと

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          買うか迷った本を買うかはどう決めればいいか問題

          私は仕事柄……というより習慣的によく本を読むし、それをはるかに上回るスピードで本を買うのですが、買うか迷って買わなかったことで後悔したことはたくさんあります。 その逆もあるのですが、そういう本は、天下の回り物だと思って古本屋さんに売ってしまいます。次にいい人に会えるといいなってな感じで。 売るときは、最近はバリューブックスの買取システムを使いがち。集荷してくれるのでめんどくさくない。残念ながら、職場の近くや職場への動線で地元の古本屋がないんですよね。 それはともかく、今

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          「そして(Nマイナス1)人しかいなくなった」と、偶然の価値

          ※『潮』2023年10月号掲載のエッセイ「偶然の価値」を転載しています。 「そして(Nマイナス1)人しかいなくなった」と、偶然の価値  「これは大江健三郎さんとしゃべったときに言ってたんだけど、今の文学って偶然を嫌うんですね」と河合隼雄は語った。「変なこと起こっているようでも、必然性がある。そういうのが今の文学」(『臨床とことば』)。現代の物語は必然性ばかり意識して、偶然の価値を低く捉えたという。

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          「そして(Nマイナス1)人しかいなくなった」と、偶然の価値

          日記:4/16-30

          4/17 FM COCOLOに出演する 収録形式だけど、3回目の出演。 お昼にはちょっとだけいいランチに行く。京都大学の近くにあるお店で、博士論文を出した後あたりに、「軽めの祝いに」と行った記憶がある。二度目だったが、コロナ辺りを機会にレイアウトを変えたのか、すっかり様変わりしていることだけはわかった。 肉もおいしかったけど、前菜が印象に残った。サラダスピナー(?)で水分飛ばした葉っぱって、うまいなと、やけに感激した。知ってはいたんだけど、改めてなんだかこの日にそう思

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          「哲学者と鴨葱書店をめぐる」をやってみてよかったよ、という話

          三鷹のUNITÉを手掛けている大森さんが、京都駅の南側に鴨葱書店というお店を5月1日にオープンしました。 非常に心地いい空間で、サイズこそ小さいですが、ユニテを思い出させる木材の使い方でした。ちょっと奥まっているので、一瞬お店がどこにあるのかわからないかもしれませんが、大通りから、道一本入ったところにあります。 さて、オープンに合わせて、書店で本をめぐる話をするというイベントをしました。大森さんにノリで打診したらオーケーが出たので、12名定員で申し込むと、早々に満員に。か

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          『ネガティヴ・ケイパビリティで生きる』の講義メモを公開します

          今回は、『ネガティヴ・ケイパビリティで生きる』の第四章辺りのレクチャーに用いたメモと、その解説です。 ふらっと通りがかって読んでみてわかるものでもないので、今回は早々に有料にしておきます。手許に本を置いて、見返しながら読んだ方がいいかもしれません。 対比と反復を探してみよう まずは、本文中の対話から、人をまたいで成立している「反復」と「対比」を追いかけているところ。(矢印を二度打つよりも、同値記号を使った方が対比感ある矢印が書けるので、⇔を使っています)

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          一定の規則に従いさえすれば「道徳的」なのか——ジョン・デューイ本連載⑤

          好評の(?) #デューイ連載 、今回は第4回目。 前回は、近代科学がもたらした「仮説」という考え方について話しました。詳しくは読み直してみてくださいね。 さて、今回は、「道徳」がテーマです。「仮説」という考え方を道徳の領域に持ち込むとどうなるのかという問いに向かい合っていきます。 ちなみに、道徳と倫理という言葉の違いですが、哲学業界で定まった使われ方をしているわけではありません。さほど違いがないと考えてよいと思います。どちらも善に関わることであり、習慣や習俗に関わること

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          日記:4/1~4/15

          4/4 会議がはじまる この日は新年度最初に私が経験した会議。大学にいると、年の瀬よりも年度に節目を感じる身体になるので、4月は会議の不得手さを痛感させられた。 多くの人がそうかもしれないが、会議はあまり好きではない。企画会議、書籍の打ち合わせなど、かなり楽しい会議もあるけれど、運営的な会議は裁量や工夫よりも慣習が場を支配しているので、正直私は向いていないなと思う。 オンラインではなく人に会い、挨拶をする。その中には以前一度だけ会ったことのある人もいた。そういう挨拶は、

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          日記:4/1~4/15

          日記:3/1~3/31

          3/5 他人の文章を解説する ここ数日は、解説の執筆にかかりきりだった。研究会もそのせいで遅刻する。文庫に解説を書くよう依頼されて、喜んで引き受けたものの、これが結構難しかった。でもいい経験だったな。 はじめて「文庫解説」の存在を意識したのは、島本理生さんが『100回泣くこと』に寄せた解説。これが本当にすごい面白さだった。地元の小さな書店で、高校生のときに立ち読みで解説を読んだとき、思わず涙した。せっかくなら実際に小説を読んでみようと読んだのだけど、実際の小説よりも解説の

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          私費献本企画:『人生のレールを外れる衝動のみつけかた』をお送りする方は……

          京都市在住の哲学者、谷川です。今日は、新刊関連の話。 4月10日発売。全国の書店およびネット書店で買えます。 (どうでもいいことですが、ヨドバシカメラのネットショップでも本が買えるので、Amazonや楽天に在庫がなくなっても大丈夫) ……という募集をしていました(すでに終了)。今後の流れは以下の通り。 むちゃくちゃ多くの申し込みがあり、選びきれなかったこともあって、13名に増枠しました。私費献本なので、なぜか私が自分の財布を痛めている謎な行為なのですが、まぁそれはさてお

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          子どもの言葉の眺め方

          今日はちょっと雑談めいた話。大学院からの友人である、発達心理学者の萩原広道さんの2年前のインタビューが面白いよ、という話をしたい。2年前の記事を語るにしては、今さらの感もあるが、研究の面白さと時間経過はあまり関係がない。 萩原さんは言語発達の研究をしていて、今は大阪大学に勤務している。今現在の萩原さんがどんな研究をしているのかわからないけれど、院生時代は研究室の壁などないかのように、よく会って話をしていた(研究の解析に関する部分や、言語発達の先行研究についてはほぼわからない

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