”ここにいなさい。ここ以上に正しい場所はないんだから。思い出して。逃げようとしないで"  ―江國香織『ウエハースの椅子』183頁

”ここにいなさい。ここ以上に正しい場所はないんだから。思い出して。逃げようとしないで" ―江國香織『ウエハースの椅子』183頁

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きらきらひかる

きらきらひかる

半年前に関係が切れた彼のことが忘れられない。 当時に比べて思い出す回数も 楽しかった時間を思い出して泣く回数も 減ったけれど 私の考え得るかぎりでは二度と 一緒にお酒を酌み交わして談笑したりするような関係に 戻ることはないのだろうなと思う。 諦めなければとは思うが、 思い出して感傷に浸ることくらいは許されるはずだし 時間がきっと私を大丈夫にしてくれるはずだから いまはまだ飽きるまでは思い出の中を彷徨っていようと思う。 ところで、この彼の話にも繋がる話なの

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"幸福かどうかは重要なことじゃない。それがどういう意味なのか、そのときの透にはわからなかったが、いまはわかるような気がする。詩史さんに与えられる不幸なら、他の不幸よりずっと価値がある。" -江國香織『東京タワー』69頁

"幸福かどうかは重要なことじゃない。それがどういう意味なのか、そのときの透にはわからなかったが、いまはわかるような気がする。詩史さんに与えられる不幸なら、他の不幸よりずっと価値がある。" -江國香織『東京タワー』69頁

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時間は確かに、ここにいた

時間は確かに、ここにいた

あれはたしか、私が大学生の頃。 この本がTwitterの丁寧な生活界隈でやけに流行ってて、当時から江國さんが大好きだった私はなんかちょっと嫌だった。 でも、古本屋さんで偶然見つけて、持ってなかったので買ってみた。 まだ本当の恋も愛も知らないとき。 だから、読んでみたけど全然ピンと来なかった。 それをこの前、実家に帰ったタイミングで読み返してみた。(実家に置きっぱなしにしていた) すごかった。 数年前はピンと来なかった言葉たちが、本当の恋、初めての愛、そして本当の失恋を

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時には過去を
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時には過去を

江國香織さんの小説ばかり読んでいた時期がある。 お酒と音楽に溢れ、瑞々しくきらめく文体で描かれる情景を読み進めるのはまるで特別な日に食べるディナーに舌鼓をうっている感覚だった。   いつしか、社会的に恵まれている立場にいるのに空虚感を抱える主人公達に共感出来なくなって読まなくなってしまったけれど。 昔Twitterで仲良くしていた女の子。 『薔薇の木 枇杷の木 檸檬の木』に出てくる陶子さんが好きだと教えてくれたあの子は今元気だろうか…。 ねぇ、陶子さんが好みそうなワンピース

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深夜のサービスエリアで飲むココア
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深夜のサービスエリアで飲むココア

10/3 友人と喫茶アミーゴへ。 ちびちび飲んだり食べたり出来るって本当に幸せ。 秋は自転車に乗るのが気持ちいい。 10/4 夫の兄から鯨肉をもらう。一キロ七万円するらしい。私より高そうだ。 10/8 夜菌さんが突如名古屋に来る。シーシャを吸ったりする。パソコンの壁紙もスマホの待ち受けも私の写真だった。照れる。 友人に勧められて「ヴェノム」を見る。大好きになった。続編が楽しみ。 これまた勧めてもらったPodcastを聴く。私もラジオやりたい! みかんが美味しくて

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「なつのひかり」 江國香織

「なつのひかり」 江國香織

 江國香織の書くものは、いつも欲望のかたまりとしてある。  自分の欲望で、作品のすべてを埋め尽くそうとしている。  それはどんな欲望か。自分の「好き」で世界を覆いつくしたいという願いだ。 「私」は20歳で、バイトを掛け持ちして暮らしている。双子のような兄がいて、彼には妻と娘がいる。おまけに50代の愛人までいる。 「私」のもとに「やどかりを知らないか」と隣人の男の子が訪ねてきて、そこからちょっと奇妙な夏の日々が展開していく。やどかりを探したり探さなかったりしているうちに、気

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私の好きな小説十選(女流作家編)

私の好きな小説十選(女流作家編)

流しのしたの骨 / 江國香織平成の頃はカリスマ的に扱われ、今でも女性作家の中ではとびきり個性と力のある江國香織さんの長編小説です。 19歳の私「こと子」を主役として、何気ない日常とちょっとした恋愛や出来事などが続きます。 家族は、長姉の「そよちゃん」、 優しい次姉の「しま子ちゃん」、 小さな弟の「律」、 詩人でもある「母」、 厳格で真面目な「父」、の六人。 自分が本の虫となったのが大体二十歳頃で、その時に三宿の大きな書店で買った記憶があります。江國香織さんの小説で最初

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読書感想文:江國香織「東京タワー」をできる限りネタバレ無しで語る

読書感想文:江國香織「東京タワー」をできる限りネタバレ無しで語る

 人というのは不思議なもので、大人になればなるほど効率的に器用に、そして同時に同じくらい非効率的に不器用になるものだと思う。  現代の日本において、多くの人は教育を受ける中で、「論理的に考える」ことを知る。そして、多くの人が自分はある程度「論理的に考える」ことができる人間だ、と思うようになる。し、実際間違いは無いだろう。  とは言え、はたから見るとある選択は全く論理的ではなく、非効率で、不器用な物に見える事も多くあるように思う。  『東京タワー』という作品は、その不器用

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2021年9月読んだ本まとめ
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2021年9月読んだ本まとめ

偏らないようにしつつ、好奇心の赴くままに選書をしている。小説やビジネス本、エッセイなど手に取る本は様々だが、根底にあるのはただ「人間を理解したい」というのがあるかもしれない。それは本に限らず動画でも現実世界でも、目的はそこに通じているのではないかと思い始めている。 サーチ・インサイド・ユアセルフ ―仕事と人生を飛躍させるグーグルのマインドフルネス実践法 瞑想に関しては何度も挫折してきた。今回こそは!と気持ちは入れては続かず、三日坊主の僕には無理だと諦めてきた。色々な本を読ん

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