福田尚弘

東京都。晩年を彷徨う放蕩おやじ。趣味嗜好→文学・映画、お酒・カラオケ、野球・麻雀など。…

福田尚弘

東京都。晩年を彷徨う放蕩おやじ。趣味嗜好→文学・映画、お酒・カラオケ、野球・麻雀など。とっつきにくそうな作家を中心に、解りやすい「入口」を提案しています。著書「サクサク身につく 大人のための語彙力」(リベラル社)、「10才までに覚えておきたい、ちょっと難しい1000のことば」他。

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    ご来店者様の記事をランダムに紹介させて頂いてますm(__)m

  • にっぽんのことば

    日本の作者たちによる名言や俳句、短歌、詩などです(^▽^)

  • 作家たちの「入口」・(年代順)

    とっつきにくそうな作家や難しそうな作品の、分かりやすい「入口」をご提案します。

  • 福田あい・福田直木・(たまに店主)のギャラリー

    子どもたちの作品をアップしています😊

  • ROCK & POP CLASSICS 今日の一曲

    1960~70年代を中心に、熟成されたロック・ポップスの名曲をそろえました。

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1千万年後のどこかへ            

国内外の文学を中心とした、古今のアーチストたちによる作品やことばを、お気楽にティスティングして下さい とっつきにくそうな文学作品・作家を中心に、広く・浅く・時には深く、、、その「入口」を分かりやすくご案内します。 一見、難解そうな作家や作品でも、なじみやすい「入口」から入ってみると、その世界への視界が案外スムーズに開けてゆくことがあります。 Note初心者ではありますが、挫折が多かった自分自身の読書経験もふまえて、「どこから読めば入りやすいのか?」を僭越で稚拙なのですが

    • ♡今日のひと言♡梶井基次郎

      梶井基次郎 (1901-1932~大阪・小説家) 早くから頽廃的な生活を送り肺結核に罹患したが、作家の中谷孝雄らと知り合い、文学への道を志した。その中谷らと雑誌『青空』を創刊し,同誌に『檸檬』『城のある町にて』(1925)など後に梶井の代表作とされる作品を発表したが、文壇からは注目されなかった。26年から伊豆の湯ヶ島温泉に転地療養し、その間に『冬の日』(1927)や『冬の蠅』(1928)など、生と死の極点を凝視した作品を書いた。その後病状が悪化し、『交尾』(1931)、『のん

      • ♡今日のひと言♡オーギュスト・コント

        オーギュスト・コント(1798-1857~フランス・社会学者、哲学者)。 「社会学」という学問の名称を創始し、彼の影響を受けたイギリスのスペンサーと並んで「社会学の祖」と称されている。著書に「社会再組織に必要な科学的作業のプラン」(1822)「実証哲学講義」(1830-1842)等。 人間とは パラドックスの体現であり 矛盾の塊である

        • デカダンス文学の入口~引きこもり小説『さかしま』 J.K.ユイスマンス(改訂)

          デカダンスとは「退廃」「衰退」を意味するフランス語です。 19世紀半ばを過ぎると、ヨーロッパ文学はロマン派に対抗した写実主義、自然主義が主流となりました。 科学・技術・産業、さらにはジャーナリズムの発展により、社会問題や事実・現実をありのままに描写することが要求されたのです。 しかし、そのさらなる反動として、19世紀末に向けて主にフランスで起きたのがデカダンス芸術でした。 その特徴は、伝統的な規範や道徳に背を向け、病的な趣味を重んじ、退廃的で人為的な美を追求する傾

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          ♡今日のひと言♡ジョン・レノン

          ジョン・レノン(1940ー1980 イギリス・ロック、ポップス音楽家) 1960年に「ビートルズ」を結成。ポール・マカートニーとともにその支柱として多くの名曲を放ち、世界的な旋風を巻き起こした。 ビートルズが若者を中心に圧倒的な支持を得る一方、レノンはスピリチュアルな原始宗教志向を示し、反キリスト的な発言等によりバチカンをはじめとするキリスト教徒側の怒りを買った。 日本人アーチスト小野洋子と結婚。1970年にグループ解散後ソロ活動に入ったが、暴漢に射殺され40歳で世を去

          ♡今日のひと言♡ジョン・レノン

          ♡今日のひと言♡~川端康成から梶井基次郎に向けて

          川端康成(1899-1972 大阪・小説家) 幼くして孤児となり、叔父のもとで育った。大学在学時の1921年にデビュー、菊池寛の知遇を得て「文藝春秋」同人となった。卒業後、横光利一ら当時の新進作家たちとともに「文芸時代」を創刊し,新感覚派の運動を始めた。初期の代表作は「伊豆の踊子」(1926)。 第二次世界大戦後の作品では、精緻な詩的表現によって東洋的人工美の世界を築いた。1968年ノーベル文学賞受賞。1972年に自殺した。他にも「禽獣」(1933)、「雪国」(1948)など

          ♡今日のひと言♡~川端康成から梶井基次郎に向けて

          ソクラテス~プラトンの入口『ソクラテスの弁明』他(改訂)

          ①「西洋哲学の祖」ソクラテス 時は紀元前400年頃の古代ギリシャに遡ります。 この時代の哲学は、プロタゴラスに代表される「相対主義」が主流でした。 「世の中に絶対的なことなどないのだ」「価値観は人それぞれであり、状況次第で変わるものなのだ」という考え方です。 それはある面において柔軟な考え方であると言えます。 しかし一方で、何でも「時と場合による」で済ませてしまっては「高い理想(イデア→後述)や真理を求める」という姿勢が欠落してしまうという一面があります。 民主主義

          ソクラテス~プラトンの入口『ソクラテスの弁明』他(改訂)

          ♡今日のひと言♡井上靖

          井上靖(1907-1991 北海道・小説家) 小説は同時代を舞台とするもの(『猟銃』(1949)、『闘牛』(1950)、『氷壁』(1959)『城砦』(1964)他)、自伝的色彩の強いもの(『あすなろ物語』(1953)、『しろばんば』(1960)他)に加え、歴史に取材したものに大別される。歴史小説は、日本で特に戦国時代(『風林火山』(1955)、『真田軍記』(1957)、『淀どの日記』(1961)他)、中国ではとりわけ西域を題材にした(『天平の甍』(1958)、『敦煌』(19

          ♡今日のひと言♡井上靖

          永遠の今~『シッダールタ』ヘルマン・ヘッセ(改訂)

          ヘッセは、詩と小説によって知られる20世紀前半のドイツ文学を代表する作家です。 「シッダールタ」(1922)は、あるインドの求道者が悟りの境地に達するまでの体験を描いた作品です。 ヘルマン・ヘッセ(1877- 1962 ドイツ・小説家、詩人) 様々な職に就きながら著述活動を行い、穏やかな人間の生き方を描いた作品を数多く残した。代表作は他に「車輪の下」(1906)「デミアン」(1919) 「シッダールタ」(1922)「荒野のおおかみ」(1927)など。1946年にノーベル

          永遠の今~『シッダールタ』ヘルマン・ヘッセ(改訂)

          ♡今日のひと言♡孔子

          孔子(前551頃-前479~中国・思想家) 春秋時代末期を生きた、儒教の始祖。54歳で国の刑罰・警察をつかさどる役についたが、国政改革に失敗し、弟子の教育と「詩経」「書経」など古典の整理に専念した。古代中国社会の変動期にあって、孔子は混乱した社会秩序を回復することに必要を感じ、そのためには個人の社会的道徳の修養が求められると考えた。彼の言行は死後弟子が「論語」に編集した。

          ♡今日のひと言♡孔子

          ♡今日のひと言♡ジョン・アーヴィング

          ジョン・アーヴィング(1942- アメリカ・小説家) 現代アメリカ文学を代表する作家です。 1965年より大学の創作科でカート・ヴォネガットに師事、フィクションの可能性を継承し拡大させました。 1968年に「熊を放つ」でデビュー。その後、「ガープの世界」(1978)が世界的ベストセラーになりました。 映画化された「サイダーハウス・ルール」(1985)では自ら脚本を手がけ、アカデミー賞最優秀脚色賞を受賞。 その他「ホテル・ニューハンプシャー」(1981)「オウエンのた

          ♡今日のひと言♡ジョン・アーヴィング

          ♡今日のひと言♡坂口安吾

          坂口安吾(1906-1955 新潟・小説家) 1931年に「風博士」「黒谷村」で文壇に登場。その後「日本文化私観」(1936)「青春論」(1942)などの随筆を発表した。第2次世界大戦後、「生きよ、堕ちよ」という逆説のモラルを評論「堕落論」(1946) で説き、小説「白痴」(1946)、「桜の森の満開の下」(1947)などを発表、戦後社会の混乱と退廃を反映する作風を確立した。ほかに推理小説「不連続殺人事件」(1947~48)、文明批評的「安吾巷談」(1950)など。 以下

          ♡今日のひと言♡坂口安吾

          「深夜」

          トカゲ 方舟をやり過ごした 白いトカゲは コートの襟をよせて 六本木交差点から 暗い坂を下った 頭上には首都高速道路、 その闇の奥から ひとひらの桜が 舞い降りてきた トカゲはそれを 瞬時にして食った 「破壊せよ」 店舗らのネオンが まばらにささやいていた 桜の酔いがまわる頃 トカゲは トンネルの中にいた 闇の中にくり抜かれた もう一つの闇 そのさらなる先で 別の街が輝いていた トカゲの目は 桜色に変わっていた 「根底から破壊せよ」 轟音の奥からふ

          「深夜」

          「黄色い家」ヴィンセント・ヴァン・ゴッホ(改訂)

          美しい景色を探すのではなく 景色の中に 美しいものを見つけよう Don't look for the beautiful scenery. Something beautiful is found in the scenery. ヴィンセント・ヴァン・ゴッホ(1853- 1890 オランダ・画家) ポスト印象派(Post-Impressionism)を代表する画家として知られる。生前はほぼ無名だったが、後世に残る傑作を晩年の約2年半に描いた。「ひまわり」「自画像」「星

          「黄色い家」ヴィンセント・ヴァン・ゴッホ(改訂)

          ♡今日のひと言♡ハンス・クリスチャン・アンデルセン

          人生を楽しもう 死後の時間は あまりに永く退屈なのだから Enjoy life. There's plenty of time to be dead. ハンス・クリスチャン・アンデルセン (1805- 1875~デンマーク・童話作家、詩人)日本でも「人魚姫」(1837)「マッチ売りの少女」(1843)「みにくいアヒルの子」(1845)などで知られ、子どもから大人まで人気が高い。民俗説話からの影響が少なく、創作童話が多いのが特徴である。新美南吉らに影響を与えたと言われる

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          ♡今日のひと言♡瀬戸内寂聴

          子どもと目線を同じにして 対等に話をしてください。 大人は皆、上から物を言い過ぎます。 そして、世の中は生きる価値があると感じてもらえるように、 大人が努力しましょう。 瀬戸内寂聴(1922-2021 徳島県・小説家) 本名晴美。小学生のころから文学に親しみ、大学在学中に結婚、中国の北京へ渡る。その後、妻子ある作家との8年に及ぶ愛情関係を題材に、人間にひそむ暗い世界の模索を試みた私小説系列の作品を書く。『夏の終り』(1962)で女流文学賞を受賞。他に『蘭を焼く』(19

          ♡今日のひと言♡瀬戸内寂聴