底の知れない物語-原作『風の谷のナウシカ』
何度読んでも読み終えた気のしない物語、というものがあるけれど、『風の谷のナウシカ』はわたしにとって、まさにそういう物語だ。
映画版の同作はご覧になったかたが多いと思うけれど、原作は、映画版とはまるで違う。物語の背景も奥行きも、ストーリーさえも。
たとえば巨神兵ひとつとっても、その存在の意味深さがまるで違って、初めて原作を読んだ時には仰天した。
なにしろ、子どもの頃からDNAに刻まれてしまうのではないかと思うほど何度も観てきた映画版『風の谷のナウシカ』では、巨神兵は「意思を