創作大賞2024は、もうすぐ終わるけれどーあとがきにかえて
note創作大賞2024の募集が、5日前に終わりました。
チャレンジされたみなさま、本当に本当に、お疲れさまでした!
ここnoteの世界のハイレベルなみなさまと一緒にこのお祭りを楽しめたことは、心の底から楽しく、わたしの人生の大切な経験のひとつになりました。
これはきっと、わたしにとって、死ぬまで忘れない体験。
「死ぬまで忘れない」なんて、あまりにも大げさな言葉だなあと、自分でも思います。
でも、本当に心から、そう思うのです。
なぜそこまで思うのか、今回の記事ではその理由を書いてみたいと思います。
◇ 書くにあたって、素敵な企画に参加したい!
創作大賞の締め切りが終わって、「ああ、やりきったなあ」とほっとして、数日。
素晴らしかったこの体験について他のみなさんと分かち合いたい、作品を応募されたみなさんの思いも聞きたいし、願わくばわたしの思いも聞いてもらいたい。
次第にそんな思いが、漠然と、ふつふつと、湧き上がり始めました。
でも、どんなふうに書こうかなあ。
そもそも、そんな記事を読みたい人なんて、いるんだろうか。
そんなふうに思いながらnoteの街をぶらぶらしていた、今日の昼下がり。
ふと、こんな素敵な企画を目にしました。
わあ。。
「作品を振り返ってみたい」という同じ思いの人が、ちゃんといる!
そしてそれを、こんなに素敵な企画にしてくれている!
うわあ、わたしもこれに参加させてもらおう!
ふむふむ、どれどれ……
え!
締切り、今日の18時までだ!
というわけで、いろんな予定を脇に置き、大急ぎでいま、この記事を書いています。
(どうか書きあがりますように!)
創作大賞というお祭りを目いっぱいまで楽しめるような素敵な企画を考えてくださったみくまゆたんさん、本当にありがとうございます!
◇ 小説&音楽作品、『おはよう、私』
たくさんの応募部門がある、note創作大賞。
いくつもの作品を応募されるかたも多い中で、わたしがエントリーしたのは1作品だけ。
小説と音楽でひとつの世界観を作る、『おはよう、私』という作品です。
でもこの作品、もともとは、note創作大賞に応募するために作った作品ではありませんでした。
◇ 始まりは子ども食堂支援コミュニティ、そして一曲のピアノ曲
そもそもの始まりは、去年の12月。
わたしも参加している「オーエイチコム」という子ども食堂支援のコミュニティを主催するJagaさんから、「僕の作ったピアノ曲に、物語をつけてみない?」と声をかけていただいたことがきっかけでした。
『おはよう、私』という題名の、Jagaさんが弾くとても素敵なピアノ曲。
お話をいただいた瞬間、静かな朝の一場面とそこにいる一人の女性が、わたしの中で像を結びました。それはもう、不思議なほど自然に。
あ、書ける。
シンプルになんの抵抗もなくそう感じ、「うん、書く。」と、実にあっさりお返事したことを憶えています。
そうしてできたのが、この第1話です。
◇ 自然発生した物語、そこから生まれた歌詞
初めはただ、その素敵なピアノ曲を引き立てるために、この短い第1話をそっと添えるだけのつもりでした。
でも書き終えてしばらくして、この第1話に出てきた他の登場人物が、自分の目からみた物語を語りたがっているように感じられました。
内側からトントントン、とノックされるような感覚。
「私には私の物語がある」という、ちいさな、でも消えない声。
その声が語るまま、第2話ができました。
そしてこの第2話を、作曲者であるJagaさんに、読んでみてもらいました。
それはもう、どきどきしながら。
「勝手に書いたものだし、求められていたものじゃないかもしれないな」と思いながら。
いっそ見せずにこのままPCに入れておこうかなあ、という思いが、何度も頭をよぎりながら。
でもJagaさんから返ってきたのは、「小説を読んで泣いたのは、初めて」という、思ってもみなかったような嬉しい言葉でした。
そして、この第2話をきっかけに、なんとJagaさんが、ピアノ曲に歌詞を書いてくれました。
歌詞のついたピアノ曲。
それを何度も聴くうちに、ふとわたしの中でまた、新しい景色が見えました。
それは登校前の、慌ただしい朝の一場面。
ふとラジオから流れたこの曲に心を奪われ動きを止める、ひとりの少年。
その場面がふっと心に浮かび、その彼の姿をぼんやりと眺めているうちに、なぜそれほどこの曲に心を奪われたのかというその理由を、今度はこの少年が、小さな声で語り始めました。
そうしてできたのが、この第3話です。
この物語を生んだ歌詞のついたピアノ曲は、こちら。
◇ どこかに応募してみたい、でも、どこに?
一曲のピアノ曲から二つの物語がうまれ、その物語から歌詞がうまれ、さらに歌詞のついた曲からまた、新しい物語がうまれて。
そうやって、どこに出すためでもなく、ただただ創作の喜びのなかで織り上げた『おはよう、私』。
自然と、「これ、どこかに出してみたいね」という話になりました。
でも、どこに?
文芸コンテストをいろいろ調べてみましたが、わたしの調べた限り、音楽とセットにして小説を応募できるようなものは見当たりませんでした。
でも、小説単体では応募したくなかった。
だってそれでは、どうしたってこの作品じゃなくなってしまうから。
やっぱり無理かなあ、どこかに応募するのは。
そう諦めかけたとき、ふと目にしたのが、note創作大賞2024でした。
応募要項の「オールカテゴリ部門」という不思議な部門欄に、「形式(文章、画像、音声、動画など)、文字数は問いません。」と懐の深いことが書かれている!
これだ。
音楽と小説をばらばらにすることなく出せるのは、これしかない。
チャレンジしたい。してみよう!
そんなふうにして、募集開始の4月末、3つの短編小説と一曲の音楽でできた『おはよう、私』を、無事エントリーしました。
でも、作品にはこのあと、さらに広やかで素晴らしい展開が待っていました。
◇ 歌声に、繋がっていく
歌詞の付いた『おはよう、私』。
「この歌を歌っていただくとしたら、この人しかいない」とJagaさんが話す、ひとりの歌い手さんがいました。
それが、透明な美しい歌声を持つプロのシンガーソングライターである、坂本櫻さん。
その彼女が、Jagaさんの話を丁寧に聞いて『おはよう、私』とその成り立ちに共鳴し、すべて無償で(!)歌ってくださることになりました。
信じられないような幸せな展開。
その歌を初めて聴いたときは、全身に鳥肌が立ちました。
第3話の主人公の少年・青磁がラジオから聴いた歌が、ここにある。
そう思いました。
(その経緯と素晴らしい歌声は、こちらに ▽)
◇ 作り出した作品を楽しんでもらえる、という喜び
Jagaさんや坂本櫻さんという素晴らしい方たちと一緒に作品を作り、さらにそれを、どなたかに楽しんでもらえるという喜び。
note創作大賞にエントリーして一番嬉しかったことは、それでした。
『おはよう、私』の感想を記事にしてくださった方、各話のコメント欄に感想をくださった方、X(旧Twitter)のリプ欄やDMで感動を伝えてくださった方、サポートと共に感想の言葉を添えてくださった方。
そのどれもが、わたしにとってはかけがえのない宝物です。
どれもすべてご紹介したくて、でも、これほどたくさんの感想をいただく経験は初めてで、そのすべてをどうご紹介していいかわからないまま、結局どの感想も、ご紹介しないままになりました。
noteのつぶやき機能を使ってご紹介したりもしてみましたが、どれほど嬉しかったかをとても伝えきれていないと感じて、結局下書きに戻したりして。
わざわざ記事にしてくださった感想もコメント欄にくださった感想もXや他の手段で伝えてくださった感想も、どれひとつとして宝物でないものはなく、どれかだけを選別してご紹介する、ということも、すべてを紹介する、ということも、わたしのキャパシティーでは、できませんでした。
この場をお借りして、感想をくださったすべてのみなさまに、深く深く、感謝をお伝えしたいです。
作品を受け取って心に響かせてくださったこと。
作り手として、これほど嬉しいことはありませんでした。
本当に、ありがとうございました。
◇ お祭りは、もうすぐ終わるけれど
長くなりましたが、これがわたしの、「note創作大賞2024を死ぬまで忘れない」理由。
たくさんの素晴らしいクリエイターの方がエントリーされた、note創作大賞2024。
この楽しく濃厚なお祭りは、読者応援期間が終わる7/31に一旦幕を閉じます(たぶん)。
でも、創作の楽しさや喜びは、このあともずっと(たぶん一生)続きます。
その喜びを知るみなさまと、また別の作品で、お会いできたらいいなと思っています。
素晴らしい体験を共にしてくださった皆さま、本当にありがとうございました!
* * * * *
『おはよう、私』の表紙ともいえるバナーの画像、花鯨。
これを描いたのはなんと、『おはよう、私』作詞作曲演奏の、Jagaさんです。
作詞作曲、ピアノの演奏、素敵なイラスト。
多才すぎます。。
この花鯨は、『おはよう、私』の守り神です。
Jagaさん、ありがとう!