現実と倦怠(散文詩)
読めない現実と倦怠をすべて巻き取って
世界はぐるぐると回っている。私はその
外側にいるがお尻についた尻尾のような
ものが巻き取られている先に絡みついて
いる。「読む」という行為と「書く」とい
う行為は別物だと思い知らされる。読ま
れたものは心の別の場所に預けられ書く
気持ちはするすると私の意識なしに世界
に繰り出していく。だから私は言葉を魚
と名付けるのだろう。ひっきりなしに胸
から外の世界に泳ぎ出していく。いつ終
わるともしれない倦怠が前髪を掠めてい
く。本を開く頁に指が届