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真夜中の交差点(詩)

交差点を渡る
ひとつの交差点が
ふたつ、みっつと増えていく
私の渡る交差点には
他に人はいない
人々は薄い硝子を隔てた
反対側を歩いている
その姿は水族館の
回遊魚のよう
他の人々の目には
私は映っているのだろうか
私には見えない
私の側には無数の人々がいて
皆、回遊魚なのか
海ではない海のような
水のなかで
生きているように
死んでいるのは
私も同じだろう
やけに長く続く
交差点の向こうには
光のような
希望はあるのか
わからないまま
歩き続けている
真夜中のはずなのに
夕方五時の音楽が
口笛のように
泣いている

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