あおい満月

あおい満月(みづき)と申します。 現在、詩誌「詩と思想」、同人誌「指名手配」、「カナリ…

あおい満月

あおい満月(みづき)と申します。 現在、詩誌「詩と思想」、同人誌「指名手配」、「カナリア」、「澪」等で詩、エッセイ、詩人論を書いています。 「公募ガイド」等にも詩やエッセイを出すこともたまにあります。 2020年11月20日、第一詩集「風の声 空の涙」刊行。

記事一覧

「心の詩人」室生犀星

 今日、同人誌『カナリア』の秋季号の特集だった室生犀星の詩集のエッセイを書き終えた。私は室生犀星の詩集は、初めて読んだけれど、犀星は「心の詩人」だったのではと思…

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千里の道も一歩から

 やはり、自分の特技で生きる時代になってきたのか、と思う。  私は秋に結婚を控えているが、それまでの間に出来る仕事を探している。しかし、中々見つからない。  2年…

あおい満月
11日前
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薔薇の花のように

咲き乱れている薔薇を見ていると、その赤や白や、ピンクや、紫の花びらのなかに美しく、深く、時に激しさにも似た詩が流れてくるのが聴こえてくるような気がする。私は幼い…

あおい満月
2週間前
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お互いを「学び合う」こと

 また一つ、気がついたことがあった。 今更か、とも思われるかもしれないが、私が何故、こんなにもパートナーであるたけさんのことが好きで好きで堪らないのか。それは、…

あおい満月
2週間前
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母の教え

最近になって、よく思うことがあります。 それは、「母の教え」です。母は、私が小さい頃から、幼稚園でも、「お友達は大切に。嫌がること、傷つけることは絶対に言わない…

あおい満月
2週間前
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共有

何かが 心の底から生まれて 大きくなり 心臓を突き破るくらいの 見えない痛みを感じた時に 声は言葉になり 白い地図の上に落ちていく それはまるで パントマイム 手のひら…

あおい満月
4週間前
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自分自身になれる場所

「人の意見を聞き入れるのは大事なことだけれど、けっして、左右されてはダメよ」とは、私が人間関係で悩んでいることを伝える度に、母が諭してくれた言葉だった。  ある…

あおい満月
1か月前
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声を探す

視界から 雨のようにふりそそぐ世界は 目を閉じると 海馬にそそぐ川となり 流れていく 世界の声は 耳を塞いでも流れてくる 壊しても壊しても 壊しきれない壁たちの優越や …

あおい満月
1か月前
13

嘆きの母

 今日は時間があるので、頭の中にあるもやもやしたものを書こうと思う。  私が一番嫌いなことは、嫌な、悲惨なとか、苦しい現状をただ「嘆く」こと。打開策も考えようと…

あおい満月
1か月前
12

ノートに書くを再開

 来週、新しい仕事がもしも決まって、働き始めるまでまだ3週間は先だから、もっともっと、詩を書いていようと思い、再びノートに向かっている。  来年は詩集を出す予定で…

あおい満月
1か月前
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光のなかで

眩しすぎる光のなかで 影に抱かれている あなたの顔を見たいけれど 眩しすぎる光のなかでは 指でなぞった輪郭でさえ 煌めいては消えていく 魚影のように不確かで あなたが…

あおい満月
1か月前
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もっともっと、好きなことを

 春の暖かなそよ風や、花の色、甘い香り、芽吹く緑…。昔と比べたら私自身は、随分穏やかな性格になったような気がする。ゆっくりゆっくり、流れる時間の味わいのようなも…

あおい満月
1か月前
13

noteという場所の変化

以前、作業員のお仕事に憧れてやってみるも、結局私の足の障害のせいで先方様からNGを出されてお仕事終了になってしまったので、やはり私は事務のお仕事に戻るしかない、と…

あおい満月
1か月前
37

来年の入籍日

 私は相変わらず、仕事を探しているが見つけられない不安定な日々を過ごしている。私は仕事には恵まれない生まれかもしれないが、人には恵まれているのではないかと最近は…

あおい満月
5か月前
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文章を書くための5つの大切なこと

佳い詩を書こうとか、佳いエッセイを書こうとか、 色々思いながら書く日もあるけれど、一番大事なのは私やあなたが「書くこと」がどれくらい好きかということなのだと思う…

あおい満月
6か月前
60

私の母のこと。

 昨日の夕飯はポトフーだった。 寒かったから、温かくて美味しかった。 作ってくれたのは母だったが、私は最近になって 母の有難みをひしひしと感じている。  私の母は、…

あおい満月
6か月前
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「心の詩人」室生犀星

「心の詩人」室生犀星

 今日、同人誌『カナリア』の秋季号の特集だった室生犀星の詩集のエッセイを書き終えた。私は室生犀星の詩集は、初めて読んだけれど、犀星は「心の詩人」だったのではと思った。犀星の詩の世界は、どの詩のなかにも、あたたかく切ない人間愛があると思う。また、犀星の詩を読んでいると、自分が初めて「詩」というものを書き始めた頃の気持ちに戻ることが出来て、私にはとても、懐かしい未来のように思えてならない。また、犀星の

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千里の道も一歩から

千里の道も一歩から

 やはり、自分の特技で生きる時代になってきたのか、と思う。
 私は秋に結婚を控えているが、それまでの間に出来る仕事を探している。しかし、中々見つからない。
 2年ほど前からコロナ禍が緩和され、今までコロナで失業したりして家に籠もっていた人たちが求職し始めて、ここ2〜3年で派遣の仕事が急激に増えたような気がする。
 私自身も、この急なコロナ緩和の激流に呑まれた一人で、約5年間誇りを持って従事していた

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薔薇の花のように

薔薇の花のように

咲き乱れている薔薇を見ていると、その赤や白や、ピンクや、紫の花びらのなかに美しく、深く、時に激しさにも似た詩が流れてくるのが聴こえてくるような気がする。私は幼い頃から花が好きで、特に薔薇の花には何か特別なものをいつも感じていたような気がする。まだ小学2年ぐらいの頃、私の住んでいる千葉県習志野市には、八千代市の京成バラ園の姉妹園である谷津バラ園があってよく母や友人たちと出掛けた。谷津バラ園は元々遊園

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お互いを「学び合う」こと

お互いを「学び合う」こと

 また一つ、気がついたことがあった。
今更か、とも思われるかもしれないが、私が何故、こんなにもパートナーであるたけさんのことが好きで好きで堪らないのか。それは、たけさんのなかには私にはない「強さ」があるからだ。それは、この前の愛知県に行ったときに、旧国鉄中央廃線(トンネル)や馬籠宿の急坂を登り降りしたときに、彼が「下を見て歩くな!山を真っ直ぐ見て下れ!姿勢を真っ直ぐ、踵から足を下ろして」とアドバイ

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母の教え

母の教え

最近になって、よく思うことがあります。
それは、「母の教え」です。母は、私が小さい頃から、幼稚園でも、「お友達は大切に。嫌がること、傷つけることは絶対に言わないこと、押し付けないこと、自分の意見を言う前に、まず相手の話をきちんと聞いてから、意見を言うこと」
 私が社会人になってからも、母は再三「人は大切に」だった。そして、結婚したら必ず「旦那を立てろ」だった。「人を大切に、自己主張をするな、相手を

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共有

共有

何かが
心の底から生まれて
大きくなり
心臓を突き破るくらいの
見えない痛みを感じた時に
声は言葉になり
白い地図の上に落ちていく

それはまるで
パントマイム
手のひらに
伝えたい何かを宿して
それは手探りのようだけれど
手探りではない
あなたに意思を伝えるために
声なき声が
届ける詩

人は誰でも
生きながら詩を書いている
自己という見えない世界で
手探るように
しっかりと
あなたは私に
生き

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自分自身になれる場所

自分自身になれる場所

「人の意見を聞き入れるのは大事なことだけれど、けっして、左右されてはダメよ」とは、私が人間関係で悩んでいることを伝える度に、母が諭してくれた言葉だった。
 ある人は、「富士子さんは真面目で優しいから、誰の言葉も真に受けてしまうのよ。ああこの人は、こう言う人だ、って折り合いを付けられれば良いんだけどね」と言ってくれたこともあった。その人は、私と同い年の女性で、おおらかで人当たりも良い人で、私が行きつ

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声を探す

声を探す

視界から
雨のようにふりそそぐ世界は
目を閉じると
海馬にそそぐ川となり
流れていく

世界の声は
耳を塞いでも流れてくる
壊しても壊しても
壊しきれない壁たちの優越や
美しいものをちらつかせながら
諭してくる生易しい教えや
私を支配しようとするものは
いらない

鏡を覗く
瞳の奥から聞こえてくる
充満するカオスの声を振り切り
息をしている声を探す
七日間を生き延びて
ひっそりと大地という
空に還

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嘆きの母

嘆きの母

 今日は時間があるので、頭の中にあるもやもやしたものを書こうと思う。
 私が一番嫌いなことは、嫌な、悲惨なとか、苦しい現状をただ「嘆く」こと。打開策も考えようとしないで、ただただ「私はもうダメだ!」とか、「何でこうなったんだろう」とか、「世の中、生きてたってつまらない。早く死にたい。」とか、はっきり言ってやめてほしい。
 上記のように嘆くのが私の母親。
彼女は私を産む前から糖尿病を発症していて、お

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ノートに書くを再開

ノートに書くを再開

 来週、新しい仕事がもしも決まって、働き始めるまでまだ3週間は先だから、もっともっと、詩を書いていようと思い、再びノートに向かっている。
 来年は詩集を出す予定で、資金はあるのだけれど、うちはあいも変わらず母が私のお金を管理している。私が名古屋に嫁ぐ時、いくらかは母と分けて持って行くつもりだが、母はなかなか首を立てに振らない。でも、私はなんとしても詩集を出す。
 詩人で文化企画アオサギの代表の佐相

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光のなかで

光のなかで

眩しすぎる光のなかで
影に抱かれている
あなたの顔を見たいけれど
眩しすぎる光のなかでは
指でなぞった輪郭でさえ
煌めいては消えていく
魚影のように不確かで

あなたが私の名前を呼ぶ
差し伸べられた手を繋ぐ
その時初めて
過酷な現実の
一抹の優しさを知る

ビルの谷間に沈んでいく
夕陽の赤い光が
あなたと私の髪を撫でて
一時の別れの扉が開く音が
私の肩を掴んでも
胸のなかに咲いた花は
風に散ること

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もっともっと、好きなことを

もっともっと、好きなことを

 春の暖かなそよ風や、花の色、甘い香り、芽吹く緑…。昔と比べたら私自身は、随分穏やかな性格になったような気がする。ゆっくりゆっくり、流れる時間の味わいのようなものを感じられるようになったし、物事に対しての見方や触れ方も、優しくなったような気がする。昔はこんなではなかった。いつも焦っていたし、イライラもしていた。誰かと楽しく笑っていても、心のなかは嵐だった。
 詩を書いてきて、今年で21年目。長い付

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noteという場所の変化

noteという場所の変化

以前、作業員のお仕事に憧れてやってみるも、結局私の足の障害のせいで先方様からNGを出されてお仕事終了になってしまったので、やはり私は事務のお仕事に戻るしかない、と決断し、仕事探しを再開している。と言ってもなかなかすぐに見つかるものでもないが、やるだけやるしかない。
 8月の名古屋行きも、たけさんのお仕事が8月は忙しいのと、東海地方の夏は酷暑で物凄く暑く、外にも出られないぐらいだというので、8月は諦

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来年の入籍日

来年の入籍日

 私は相変わらず、仕事を探しているが見つけられない不安定な日々を過ごしている。私は仕事には恵まれない生まれかもしれないが、人には恵まれているのではないかと最近はひしひしと感じる。
 先日、婚約者のたけさんと上野で一足早いクリスマスデートをした。ケーキは食べなかったけれど、お互いプレゼントをし合った。私は帽子をプレゼントし、彼は中指に嵌める指輪をプレゼントしてくれた。私はすごく嬉しかった。男性からち

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文章を書くための5つの大切なこと

文章を書くための5つの大切なこと

佳い詩を書こうとか、佳いエッセイを書こうとか、
色々思いながら書く日もあるけれど、一番大事なのは私やあなたが「書くこと」がどれくらい好きかということなのだと思う。
 私は詩を書いて20年目に突入したが、エッセイに力を入れ始めたのはまだ4年ほど前である。
 だから、文章の書き方とかのノウハウのようなものを人に語れる立場ではないのだけれど、書き続けてきて、習慣というか、ポイントのようなものは見えてきた

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私の母のこと。

私の母のこと。

 昨日の夕飯はポトフーだった。
寒かったから、温かくて美味しかった。
作ってくれたのは母だったが、私は最近になって
母の有難みをひしひしと感じている。
 私の母は、あまり幸せな人生を歩んでこなかった。と、子どもである私が語るのはおかしいかもしれないが、一度は財産家の息子に見初められ結婚したが、子宝に恵まれず、おまけに使用人の女からの壮絶な嫌がらせにより神経をすり減らし、何もしてくれない夫に愛想をつ

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