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お互いを「学び合う」こと

 また一つ、気がついたことがあった。
今更か、とも思われるかもしれないが、私が何故、こんなにもパートナーであるたけさんのことが好きで好きで堪らないのか。それは、たけさんのなかには私にはない「強さ」があるからだ。それは、この前の愛知県に行ったときに、旧国鉄中央廃線(トンネル)や馬籠宿の急坂を登り降りしたときに、彼が「下を見て歩くな!山を真っ直ぐ見て下れ!姿勢を真っ直ぐ、踵から足を下ろして」とアドバイスしてくれた時だった。彼はずっと「恵那山を見ていればいい」と言っていた。たけさんは、20歳の時にバイクで事故に遭い、脳を傷つけた。その後遺症で両足に若干の障害のようなものが残った。でも彼は負けなかった。足を治すために、大学のワンダーフォーゲル部に所属し、登山で足を鍛えた。その甲斐あって今ではたけさんの両足の障害は90%消えた。彼は強かった。自分に負けなかった。
 私は生まれつきの両足の障害者だが、私は彼と違い、今までできないものは避けて生きてきた。言い訳もしたことは多々あるし、とにかく自分を見えない防弾チョッキのようなもので守ることに必死だった。しかし、今、彼と過ごして私は本当に生まれて初めて、「強くなりたい」と思った。だから、私はたけさんからもっともっと「強さ」を学びたい。彼の「強さ』を自分のものにしたい、とも思った。
私たちは、これから色々なことを共にして生きていく。「夫婦」とは、お互い「成長」することと、お互いを「学び合う」ことではないだろうか。
 たけさんが、私から何かを学ぶとしたらなんだろうか。多分、まだあまりないと思う。私はたけさんの一回り年下だし、不器用だし、頭も良くないから。けれど、私もいつかたけさんに私を学んでもらえるように、仕事や生活の一つ一つを努力していきたい。

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