日本人として、日本語をもう少し丁寧に扱おうと心に決める。 ~吉屋信子『花物語(上)』を読む~
はじまりは先輩からの独白だった。
「学生の頃、フランス人形みたいな先輩がいてね、洗顔の泡の上手な立て方を教えてくださったり、免許を取って初めてのドライブは助手席に乗せてくれたり。」
「それは恋愛だったりするの?」
「うーん、どうだろう。」
先輩は少し考える。
「恋愛感情は無かったかな。でも、その人に初めて彼氏が出来て、遊ばれて捨てられたとわかった時は心の底から相手が憎かったし、進学した後に車で学校まで迎えに来てくれたのに、彼氏の誕プレ選ぶの付き合ってって言われた時は、本当に、