定年退職した大学教授の新たな冒険

長らく勤めていた大学を2024年春定年退職しました。これまで研究に明け暮れ、それ以外全…

定年退職した大学教授の新たな冒険

長らく勤めていた大学を2024年春定年退職しました。これまで研究に明け暮れ、それ以外全てを二の次にしてきた元教授が、世の中を体験していく様子をお伝えします。新しい発見や楽しい出来事の一方で、頭を抱えて戸惑うポンコツな瞬間もあることでしょう。彼の新たな冒険の日々をお楽しみください。

最近の記事

元教授、現在のTV周り事情:「全録」の魅力(定年退職31日目)

定年退職後、自宅にいる時間がぐっと増え、その結果TVの前に座る時間も長くなってしまいました(主にメジャーリーグ(MLB)などのスポーツ系やお笑い番組などを楽しんでいます)。今回は自宅のTV周り事情について話そうと思います。特に変わったことはしてないと思いますが、ちょっとした参考になればうれしいです(逆に、私の情報の方が遅れているかも知れませんね)。 自宅のTV周りのシステムは、地デジとBSがついている普通の液晶テレビにレコーダー装置が繋がっているだけなのですが(下写真)、一

    • 「紙」の新しい使用法と新素材 @紙加工技術展(元教授、技術展に行く。その3):定年退職30日目

      前回(その2)の更新から少し時間が空いてしまいましたが、4/18,19 に大阪産業創造館で開かれた「紙の加工に関する技術展」の2回目の報告をお届けします。前回は、紙の新機能に焦点を当てましたが、今回は紙の使用法の新しい方向性と新素材の創出についてお話しします。 まずは、「紙」のどんな点が環境にやさしいかを下記にまとめてみました(注1など)。特に、今回のテーマ「新しい使用法」に関しては、これらの性能を活かした革新的な製品が多く見られました。  ・植林による原料の再生産  ・

      • 元教授の鞄の中身(その5、大学で使用していた山専用ボトル):定年退職29日目

        先日大学に持って行っていた鞄を整理していたら、懐かしい(と言っても、たった1ヶ月前ですが・・・)ワイン入れの袋が出てきました。 東京・恵比寿のガーデンプレイスにあるワインショップ(Wine Market Party)で購入した、ワインが2本運べる袋でした。そのワインショップは、世界各地の産地から選りすぐったワインと、珍しいおつまみ、キッチン雑貨などが販売されており、さすが東京といった感じのお洒落なショップです。私は、恵比寿のホテルに行くたびに立ち寄り、貴腐ワインのドライレー

        • 元教授、バスの中で起こしたiPad での恥ずかしい失敗。そして決意!:定年退職28日目

          一昨日ドイツでの大失敗の話を書いている途中に、最近の失敗を思い出し、恥ずかしくなってきました。それと同時に新しい購買意欲も湧いてきたので、決意とともにnoteに綴ります。 ほんの数日前、地元の阪急バスに夕方乗ったのですが、駅のバス停で動き出すまで少し待つ時間がありました。すると、バスの中から「中島みゆき」の音楽が流れてきました。運転手さんの趣味かな、でも懐かしいな、そう言えば最近聞いてないな、と思いにふけりながら、バスの前方に移動して行きました。私は以前中島みゆきの大ファン

        元教授、現在のTV周り事情:「全録」の魅力(定年退職31日目)

          ドイツでのお土産、ラミーのボールペン(元教授、大阪駅でヨーロッパの鉄道旅を思い出す。その8):定年退職27日目

          海外での共同研究や国際会議に行くと、研究室の学生たちからお土産を期待されることがあります。彼らは、もちろん直接言う訳ではないのですが、無言のプレッシャーを感じます。 最初の頃は、どんなお土産を買うか考えたりしていたのですが、次第に面倒になり、どこの国に行っても同じものを買うようになりました。一度だけワインを買ったこともありましたが(当鉄道旅シリーズ「その4」)、旅先で瓶が割れないかずっと心配していました。 その定番のお土産は、ゴディバのチョコレート詰め合わせです。 これ

          ドイツでのお土産、ラミーのボールペン(元教授、大阪駅でヨーロッパの鉄道旅を思い出す。その8):定年退職27日目

          ドイツでの大失敗!(元教授、大阪駅でヨーロッパの鉄道旅を思い出す。その7):定年退職26日目

          昨日「ドイツで危機一髪」の原稿を書いている時に、懐かしさとともに、ドイツでいろいろと失敗をしたなと思い出し、思わず冷や汗が流れました。その中でも、一番印象に残る失敗をお話しします。 私はドイツ人の C 教授とある国際学会で出会い、私の大学でも講演をしてもらいました。彼は化学の分野で有名人であり(当時、世界の化学論文引用数100傑入り)、その飾らない人柄と大きなビール腹がチャーミングな先生です。数年前には、異なる分野ではありましたが(むしろ異分野だから!)共同研究の話になり学

          ドイツでの大失敗!(元教授、大阪駅でヨーロッパの鉄道旅を思い出す。その7):定年退職26日目

          ドイツで危機一髪!(元教授、大阪駅でヨーロッパの鉄道旅を思い出す。その6):定年退職25日目

          数日前までドイツでの講演や食事に関して書いていましたが、その際過去の記憶をよみがえらせるために、当時の写真を探していました。私の学生時代はすべて紙の写真だったのでアルバムを見れば一瞬だったのですが、その後はすべてデジタル(最初はデジタルカメラ、後にiPhoneとなり、しかも機種が多数にわたる)で、コンピューターのどこに何が保存されているかわからなくなってしまいました(汗)。 皆さん、どうされていますか? そう言えば、イェール大学の成田悠輔さんと近藤麻理恵(こんまり)さんと

          ドイツで危機一髪!(元教授、大阪駅でヨーロッパの鉄道旅を思い出す。その6):定年退職25日目

          元教授、技術展に行く(その2、機能性「紙」材料 @紙加工技術展):定年退職24日目

          先日、地下鉄の車内広告(タイトル写真)で見つけた「紙」の加工に関する技術展を見に、大阪産業創造館に行ってきました(その1、定年退職23日目)。昨日の概要に引き続き、少し詳細なレポートを始めます。 会場には 56 件もの展示がありましたので、私はそれぞれを以下の3つの大きな分野に分類して、じっくりと見て回りました。 今回はその中の (i)の分野を説明します。 (i) 紙に様々な「新しい機能」をつけた機能性材料の創成 (ii) 紙本来の性質ないしそれに高性能を付与しての「新

          元教授、技術展に行く(その2、機能性「紙」材料 @紙加工技術展):定年退職24日目

          元教授、技術展に行く(その1、大阪産業創造館と紙加工技術展の概要):定年退職23日目

          最近「紙」に関することで特に私が感心するのは、Amazon などで買った商品の開封時です。注文した商品が段ボールに包装されて届きますが(2週に一度しかない紙ゴミの日が大変に(涙))、時々、1枚の段ボールが折り紙のように複雑に折り畳まれていて驚かされます。そしてそれは、組み上げていくと立体パズルのように形が完成し、商品が傷つかないように保護しています。これは、紙ならではの素晴らしい技術だと、いつも感動します。 大学を定年退職してから自由な時間が出来たので、色々な技術展やExp

          元教授、技術展に行く(その1、大阪産業創造館と紙加工技術展の概要):定年退職23日目

          元教授、大阪駅でヨーロッパの鉄道旅を思い出す(その5、ドイツでの講演):定年退職22日目

          これまで国際学会などで、何度かドイツで講演をしたことがあります。そこで感じたいくつかの感想やポイントなどを書かせていただきます。 まず、前日までの準備に関してですが、私はほとんどの場合、直前の飛行機の中か現地ホテルで講演の原稿を準備していました(事前に日本で準備しておけば、このような問題は無くなるのですが・・・(泣))。いくつかの注意点があります。一つ目は飛行機の中は比較的温度が低いので(特に、よく使わせてもらったドイツに向かう L 社 の機体は寒かった。機体保全のため?と

          元教授、大阪駅でヨーロッパの鉄道旅を思い出す(その5、ドイツでの講演):定年退職22日目

          視覚障がい者が願う、雨音のしない安全な傘(元教授、ものづくりの精神に触れる):定年退職21日目

          先日、大阪産業創造館で開催された「紙加工技術展2024」に参加してきました。とても熱気にあふれた技術展で、内容に関しては後日数回に分けて配信します。今回は、その会場で見つけた「大阪製ブランド」(写真左、注1)の話題に触れます(本日の内容は、プロモーションを含んだものではありません)。 まず最初に大阪府(知事)が、ものづくり中小企業の優れた製品を「大阪府ブランド製品(MADE IN OSAKA BRAND)」として認定していることに驚きました。この情報はあまり知られていないよ

          視覚障がい者が願う、雨音のしない安全な傘(元教授、ものづくりの精神に触れる):定年退職21日目

          元教授、大阪駅でヨーロッパの鉄道旅を思い出す(その4、アイスワインとの出会い):定年退職20日目

          アイスワインに関しまして、前回は話を始めたところで終わってしまいましたので、今回はその魅力をじっくりお話ししようと思います。ただ、私は専門家ではないのであくまで素人目線の話です。 ドイツの某化学会社にはワイナリーとレストラン(写真)が併設されていました。共同研究の打ち合わせを終えた後、そこで早い夕食を楽しんだ際に、ドイツワインを何種類か出していただきました。その中でも特に印象的だったのがアイスワインでした。名前だけ聞きますと冷やしたワインを想像しましたがw、実際には食後にチ

          元教授、大阪駅でヨーロッパの鉄道旅を思い出す(その4、アイスワインとの出会い):定年退職20日目

          元教授、大阪駅でヨーロッパの鉄道旅を思い出す(その3、ニュルンベルクのソーセージ):定年退職19日目

          前回はドイツの化学のことを書き始めて、思わず熱くなってしまいました。申し訳ありませんでした(これからも時々あるかも知れませんが、ご容赦ください)。今回は少し柔らかい話にしたいと思います。訪欧時の週末に訪れたニュルンベルクの話です。 フランクフルトからは、赤い角張ったDBの列車に乗り2時間ほどでニュルンベルクに到着しました。個人的には車好きなので、ニュルンベルクと言えば、まずは有名なサーキットです。「ニュル24時間耐」のレースや、サーキットでコースレコードを出すと「GT-R

          元教授、大阪駅でヨーロッパの鉄道旅を思い出す(その3、ニュルンベルクのソーセージ):定年退職19日目

          元教授、大阪駅でヨーロッパの鉄道旅を思い出す(その2、ドイツと化学):定年退職18日目

          ドイツを訪れる機会は、国際学会もしくは大学や化学会社との共同研究がメインでした。化学の世界では、ドイツは日本にとって特別な存在(親も同然)で、昔から多くのことを学ばせてくれた国です(日本で武士が刀を差して歩いていた頃、ドイツではすでに有機化学の研究が盛んでした)。そのためドイツを訪れることは、われわれ化学者にとって、(アメリカとはまた違った)特別な夢でした。 日本の化学物質のカタカナ表記は、今でもドイツ語読みです。たとえば、高校でも習う化合物「ベンゼン」や「トルエン」は、日

          元教授、大阪駅でヨーロッパの鉄道旅を思い出す(その2、ドイツと化学):定年退職18日目

          元教授、大阪駅でヨーロッパの鉄道旅を思い出す(その1、フランクフルト):定年退職17日目

          本日は大阪が雨の予報のため、基本的には家にいる予定です(晴耕雨読w)。昨日、梅田の蔦屋ラウンジからiPhoneで撮った大阪駅構内の写真をタイトルの上(左)に添付しました。その風景を眺めていると、ヨーロッパの鉄道の駅舎が思い出されました(中央の写真は、フランクフルトの駅構内です)。もしかしたら、大阪駅はこれらを参考にして造られたのかも知れません。 そこで、ヨーロッパの鉄道旅行の思い出を今日から何回かに分けて書こうと思います。ほとんどが、国際学会や共同研究の際の交通手段として利

          元教授、大阪駅でヨーロッパの鉄道旅を思い出す(その1、フランクフルト):定年退職17日目

          元教授、駅前のカフェで2時間限定の仕事(その3、マクドナルド):定年退職16日目

          今日は3日ぶりに、梅田の蔦屋シェアラウンジにやってきています。前回までは他のカフェ(ホリーズカフェとスタバ)の話題を取り上げていたので、ちょっと不思議な感じがします(比較ではなく、それぞれの個性が面白いという結論でしたが)。 この蔦屋ラウンジに来るとき、梅田の紀伊國屋書店(タイトル写真左上)の前を通ることがあるのですが(研究室で梅田飲み会があるときは、写真左下の本書店横BIGMAN前で待ち合わせでした)、そこから少し歩くと、阪急梅田駅とJR大阪駅の間にマクドナルドがあります

          元教授、駅前のカフェで2時間限定の仕事(その3、マクドナルド):定年退職16日目