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元教授、技術展に行く(その1、大阪産業創造館と紙加工技術展の概要):定年退職23日目

最近「紙」に関することで特に私が感心するのは、Amazon などで買った商品の開封時です。注文した商品が段ボールに包装されて届きますが(2週に一度しかない紙ゴミの日が大変に(涙))、時々、1枚の段ボールが折り紙のように複雑に折り畳まれていて驚かされます。そしてそれは、組み上げていくと立体パズルのように形が完成し、商品が傷つかないように保護しています。これは、紙ならではの素晴らしい技術だと、いつも感動します。


大学を定年退職してから自由な時間が出来たので、色々な技術展やExpo2025(あと、350日余りで開催されます!)などに行こうと思っていました。最初は、4月初めに御堂筋線の車内広告で見かけた紙加工技術展(タイトル写真左)に参加しようと、大阪産業創造館に行ってきました。とても熱気ある興味深い技術展でしたので、3回に分けて説明します。


大阪産業創造館(通称:サンソウカン)は、堺筋本町駅から5分ほどの場所にありました。大阪の中小企業や起業希望者をサポートしている大阪産業局の機関で、イベントやセミナーが頻繁に開かれています。遠くからでも目立つ建物で、見あげると七福神がカヌーで外壁を登っているモニュメントがあります(タイトル写真右。七福神は写真を拡大すると(下写真)、わかりました)。これは、未来に向かって漕ぎ出す大阪の起業家を表しているそうです。私が到着したのは開始10分ほど前でしたが、すでに建物の周りには参加者が溢れておりました。

タイトル写真の拡大図(七福神)


展示内容は、予想していた以上に面白かったです。会場では、どのような発想で新しい分野を開拓しているか、など意欲的なお話がたくさん聞けました。特に、廃棄が困難なプラスチックにはない、環境負荷が少なくSDGsを意識したいろいろな取り組みが新鮮でした。


展示内容全体を私なりに大きく3つに分けますと、(i) 紙に様々な「新しい機能」をつけた機能性材料、(ii) 紙本来の性質ないし高性能を付与しての「新しい使用法」の開拓、(iii) プラスチックとのハイブリッドも含めた「新しい材料」の創出、が発表されていました。下記にそのいくつかの例を、写真とともにあげますと:

・フッ素やシリコンを使用しない撥水撥油性材料。防滑紙 (i)

・紙の一部を透明に加工することで中身が見える封筒(下写真) (i)

・温度、光、水に応答して色が変わる紙 (i)

・紙でできた、災害時用の寝袋(下写真) (ii)

・エアクッション(プチプチ)の代わりになる緩衝材 (ii)

・放置竹林からの廃材竹を用いた紙 (iii)

・アップサイクル環境紙 (iii)

などがありました。

一部が透明で中身が見える紙封筒
紙で出来た災害時の寝袋


次回は、上記の(i)の内容を中心に説明させていただく予定です。お楽しみに!


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会場を見て回った後、エレベータに乗ったらなんと!2つ上の研究室の先輩が先頭に立っておられました(先輩はマスクをされていましたが、昔と全くお変わりがなく、すぐにわかりました)。そして、2人とも同時に「なんでここに?」となり、久しぶりの再会に大喜びしました。1階のロビーで昔話に花を咲かせた後、再会のための連絡先を交換させていただきました。

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