日本俳句教育研究会(nhkk)

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日本俳句教育研究会(nhkk)

https://e-nhkk.net 「俳句」を教材とした様々な教育の可能性を研究する日本俳句教育研究会は、「俳句」を教材に教育活動を展開しようとする教師や俳句愛好家の情報交換の場になりたいと活動する任意団体です。

マガジン

  • 事務局レポート

    日本俳句教育研究会(nhkk)事務局が参加したイベントのレポートの他、事務局がかかわったインタビューや特集記事、教材などをご紹介します。 「俳句津々浦々」は、俳句の種蒔き活動の中で出合った市井の俳句紹介です。

  • 日本俳句教育研究会

    「全国教室俳句コンテスト」のご案内の他、日本俳句教育研究会(nhkk)からのお知らせを掲載します。

  • 図書室

    俳句に関する書籍の紹介だけでなく、事務局長が出逢った書籍の感想などを思いのままに綴る、個人的な図書室です。好みに偏る傾向があります。

  • 実践報告レポート

    俳句を使った学校や地域での取り組みの参考になれば、との思いから、お寄せいただいた実践報告等を掲載しています。教師や俳句愛好家の情報交換の場としてnhkkが機能できればと考えていますので、発表の際には、参考元としてnhkkの名前を入れてください。

  • よくある質問

    日本俳句教育研究会(nhkk)に寄せられた質問についてお答えします。 俳句創作の指導方法など具体的なご質問があれば、事務局までお寄せください。

最近の記事

  • 固定された記事

全国教室俳句コンテスト募集開始

本日7月1日(月)より、nhkk主催「全国教室俳句コンテスト」の募集が開始されました。 募集要項、及び、応募用ファイルのダウンロードは 全国教室俳句コンテスト 募集要項(&応募用ファイルダウンロード) ページをご覧ください。 コンテストについてのご質問がありましたら、コンテスト専用メールアドレス  e.nhkk.contest@gmail.com  までお気軽にお寄せください。 多くの先生方からのご応募をお待ちしております。 ■日本俳句教育研究会(nhkk) 「俳句」を

    • 俳句津々浦々(23)

      副会長夏井いつきのライフワークである「俳句の種蒔き」活動。その中で出合った俳句をご紹介します。 開襟のシップはみ出る父の首 ああ、夏になって開襟シャツを着るようになったんだからさ、お父さん、せめて湿布は見えないように貼ってよ。いっしょに歩いている私が恥ずかしいじゃないのさ。そう言えばさ、この前、ピップエレキバンを首筋に並べたまま散歩に行ってたじゃない。もうほんとに。お父さんはいいんだけどさ、娘の私が恥ずかしいじゃないの。湿布を首に貼るときは私に言って! ちょっとだけ下に貼

      • 俳句津々浦々(22)

        副会長夏井いつきのライフワークである「俳句の種蒔き」活動。その中で出合った俳句をご紹介します。 春の虹犬は玄関見つめてる 誰かの帰りを待っている犬か。あるいは戻らぬ人を待つ犬か。開くことのない玄関を飽きずに見つめている犬の姿を、後ろから眺めている作者が居る。「春の虹」は淡く消えやすく、色が揃わないこともある虹。そんな日を、静かに佇む犬の姿からは、飼い主と犬との信頼を通わす日常も見えてくる。出来れば、もうすぐに玄関を開けて帰ってきて欲しい。「ただいま!」と。 ~2024年

        • 夏井いつき・ローゼン千津『五七五と出会った子供たち』

          副会長の新刊は、「俳句と出会い、言葉を育て、心を育て、生き抜く力を手にした子供たちのノンフィクション」! 「俳句を愛するすべての人」へ届けたい一冊の完成です。 第一章は、廃版となっていた『100年俳句計画 五七五だからおもしろい!』(そうえん社)から、副会長自身の忘れがたい学校現場での「句会ライブ」のエピソードを加筆修正し、再録したもの。 前著で、涙ながらに読んだ感動のエピソードが復活! 「句会ライブ」を体感できる一章となっています。 二章は、2019年8月15日に放送

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        記事

          高等学校|「クラスマッチ俳句」句会

          nhkk事務局スタッフ: 実践報告レポートでは、nhkkにお寄せいただいたものに加えて、副会長のブログ『夏井いつきの「いつき組日誌」』へ届いた特派員報告の中で、ぜひnhkkで皆様と共有していきたいと考えた実践報告も随時掲載しております。 今回ご紹介するのは、これまで機械科男たちの文化祭俳句・「卒業前のキモチ」句会の実践をお寄せいただきました「山口県のみのる先生」からの続報です。対象は、進学コースの3年生。昨年から続けられてきたという「『俳句』を作らせて、句会でそれぞれの思い

          高等学校|「クラスマッチ俳句」句会

          俳句津々浦々(21)

          副会長夏井いつきのライフワークである「俳句の種蒔き」活動。その中で出合った俳句をご紹介します。 小春かなウォシュレットにはおしりの絵 ほっほう。そう言われればウォシュレットのボタンには、お尻に水が当たるような絵が。ウォシュレットが出来る前は、たいへんだったよなあ……とか思いながら、ボタンをプッシュ。ああ、なんだか幸せな暖かさというか……。でも、ときどき温水になっていなくて冷水がピューとくるとひゃあとなるよねえ。でも、これは温水。上五の「小春かな」と詠嘆されると、冬の中での

          俳句津々浦々(20)

          副会長夏井いつきのライフワークである「俳句の種蒔き」活動。その中で出合った俳句をご紹介します。 留守宅の仏壇に造花秋の雨 どんな留守宅なのだろう。「留守宅」とは主人が不在の家とか人がいない家。その留守宅の仏壇に供える造花。なぜ造花なのかと言えば、生花を備えるとなかなか訪れることのない留守宅なので、枯れてしまうからか。まあ、長持ちさせるために造花を供えることもあるかもしれない。ひょっとすると住むことのなくなった実家の仏壇か。中七の字余りもなんだか、造花を供えることへの少しの

          俳句津々浦々(19)

          副会長夏井いつきのライフワークである「俳句の種蒔き」活動。その中で出合った俳句をご紹介します。 鰯雲追いかけて油が高い 「鰯雲」を追いかけるように駆ける車だろうか。世界情勢もあるから、このごろガソリンも値上がりしているなあ。こんなに車を走らせてもなあ。とか思いながら、やっぱり「鰯雲」を追いかけてしまうんだよなあ。 いやいや、ガソリンだけじゃない、このまえスーパーに行ったら、サラダ油もオリーブオイルもバターも高くなってたなあ。車で「鰯雲」追いかけてる場合じゃないなあ。土手に

          小・中学生|子ども俳句教室

          nhkk事務局スタッフ: 静岡の高山佳風先生から届きました実践報告をご紹介いたします。高山先生からは、昨年度も小中学生|「子どもゆめ基金助成活動」子ども俳句教室、一般|教師向け俳句学習会の実践報告をお寄せいただいておりますので、ぜひ参考になさってください。 今回の実践報告は、先日、副会長のブログ:夏井いつきの「いつき組日誌」にて紹介されていた「子ども俳句教室2024 高山佳風の巻」の詳細バージョンです。 高山先生: こんにちは! 静岡県浜松市の高山佳風(たかやまかふう)で

          小・中学生|子ども俳句教室

          俳句津々浦々(18)

          副会長夏井いつきのライフワークである「俳句の種蒔き」活動。その中で出合った俳句をご紹介します。 おでんの具いつも父には口答へ 大根がいいとか、ジャガイモがいいとか、厚揚げがいいとか、おでんの具のことで父に口答えしているのか、いつも父に口答えしている日常があって、「おでん」と取り合わされているのか。 どちらにも読めるのは、冒頭の季語おでんの「具」という置き具合が絶妙だからだ。「おでん」の茶色に染みた色合いと口答えしている景が、よーく馴染んでいるというか染みている。きっと、こ

          福島智『ぼくの命は言葉とともにある』・福島令子『さとしわかるか』

          「盲ろう者として世界で初めて大学教授となった」東京大学の福島智さんの実話を小雪さん主演で映画化した『桜色の風が咲く』を見て、ぜひ読んでみたいと思ったのが、お母さん(福島玲子さん)の書かれた『さとしわかるか』でした。 福島さんと意思疎通をとろうと、偶然にお母さんが生み出し、福島さん(そして、盲ろう者の方々の)新しいコミニュケーション手段となった「指点字」。『さとしわかるか』は、その「指点字」で初めて話した言葉がタイトルとなった、心揺さぶられる母の体験記でした。 そして、『さ

          福島智『ぼくの命は言葉とともにある』・福島令子『さとしわかるか』

          俳句津々浦々(17)

          副会長夏井いつきのライフワークである「俳句の種蒔き」活動。その中で出合った俳句をご紹介します。 秋燕母のホルンを売りにいく さて、(16に続き)今度は「母のホルン」である。それを売りに行くと。 この母はどうしたのだろう。昔、母はホルン吹きだったが今はもう吹けなくなったのか。で、手放すのだろうか。あるいは、金の無心に実家に行ったら、母にホルンを投げ渡されたのか、そして、売りに行く。 名のあるホルンならまだしも、それほどでもない楽器なら二束三文かも知れぬ。まあ、ひとまず、ホル

          俳句津々浦々(16)

          副会長夏井いつきのライフワークである「俳句の種蒔き」活動。その中で出合った俳句をご紹介します。 持ち歩く母の実印銀杏散る 作者の事実は置くとして、母親の実印を持ち歩くとはどういう状況か。何かの重要な契約を母に代わってするため。記憶の薄らいでいる母には実印を持たせられないため。印鑑登録証のない昔なら役所に印鑑証明をもらいに行くため。 にしても、「持ち歩く」のである。つまり、肌身離さず、持ち歩く。もういない母の思い出のように持ち歩くのか。あるいは何かの事情で借りていた実印を返

          俳句津々浦々(15)

          副会長夏井いつきのライフワークである「俳句の種蒔き」活動。その中で出合った俳句をご紹介します。 菊の茎切る淋しくて寂しいよ 上五、いや上七か。回文もどきのような言葉遊びのような歌い出しである。一瞬、諧謔の句かと思わせ、中の五、下五の「さびしい」の畳みかけ。意表を突かれる。同時に、「淋」「寂」の連続にも胸を突かれる。ふたつの漢字を使うことで、「さびしさ」の地平の隅から隅まで行き渡る「さびしさ」。具体的なことは言わない。いや、ほんとうの心の衝撃は具体的な言葉をもてないのだろう

          志賀直哉『暗夜行路』

          高校一年生の『現代の国語』に収録されている「城の崎にて」。授業で扱うたびに、脚注の解説に出てくる『暗夜行路』を、まだ一度も読んでいないことがずっと気になっていました。ようやく読了! 『暗夜行路』は、志賀直哉の唯一の長篇ですが、11年の中断の時期も含めて草稿の段階から26年後に完成した作品です。発表までの経緯について詳細が記されている「あとがき」には、作品についても、次のように言及されています。 主人公時任謙作の人生を襲うのは、母と妻の過失に影響される事件だけではありません

          俳句津々浦々(14)

          副会長夏井いつきのライフワークである「俳句の種蒔き」活動。その中で出合った俳句をご紹介します。 秋涼し図書館にある授乳室 秋の涼しさを感じる時期ともなれば、本も恋しくなり、図書館へと足が向く。ただ、子ども連れでは周りへの気遣いや遠慮から、このごろは足も遠のいているのだろう。だが、あの図書館には授乳室が設けられ、ときどき子どもをあやしながら授乳することも出来る。母と子に優しい図書館。そんな授乳室をもっと利用したいと思う秋のころ。 ~2023年10月8日 福岡 夏井いつき