出久根達郎『漱石センセと私』
直木賞作家である出久根達郎さんの『漱石センセと私』。月刊『パンプキン』に連載された「いとしのより江ンジェル」が単行本化、そして文庫化されたものです。
タイトルから、漱石がメインで登場するのかな……と思ったのですが、読んでみると、若い頃の久保より江(俳人・歌人)の物語でした。全体の印象としては、連載時のタイトルの方が、内容に近いのかなと感じましたが、より江と交流していく人々が、漱石との出会いに端を発している、ということでのタイトルの改変だと理解しました。(もちろんキャッチーさ