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図書室

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俳句に関する書籍の紹介だけでなく、事務局長が出逢った書籍の感想などを思いのままに綴る、個人的な図書室です。好みに偏る傾向があります。
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記事一覧

ドストエフスキー『カラマーゾフの兄弟』原卓也訳

松本潤×長澤まさみ×永山瑛太の初共演で話題の舞台、NODA・MAP『正三角関係』を観に行く前に…

夏井いつき・ローゼン千津『五七五と出会った子供たち』

副会長の新刊は、「俳句と出会い、言葉を育て、心を育て、生き抜く力を手にした子供たちのノン…

福島智『ぼくの命は言葉とともにある』・福島令子『さとしわかるか』

「盲ろう者として世界で初めて大学教授となった」東京大学の福島智さんの実話を小雪さん主演で…

志賀直哉『暗夜行路』

高校一年生の『現代の国語』に収録されている「城の崎にて」。授業で扱うたびに、脚注の解説に…

山本文緒『自転しながら公転する』

年末に放送された松本穂香×藤原季節のスペシャルドラマ『自転しながら公転する』。評判が良い…

せきしろ×又吉直樹『カキフライが無いなら来なかった』『まさかジープで来るとは』

せきしろさんと又吉直樹さんの自由律俳句本2冊。『カキフライが無いなら来なかった』が第一弾…

川上弘美『三度目の恋』

背表紙には、次のように紹介されています。 『伊勢物語』の六段、「鬼一口」で知られる芥川のモチーフを、恋の狂態の例として繰り返しちりばめつつ、平安の貴族社会、江戸の遊郭、そして現代の男女の恋愛を交差して描いた作品でした。現代に生きる主人公の梨子が、「魔法」(夢の中)によって、別の時代の別の人生を生きていくのですが、その際に、現代人梨子の意識も残っていて、当時の女性の恋愛観を現代の価値観で眺めていくのが特徴的でした。 主人公の梨子が、盲目的に愛して結婚した「ナーちゃん」は、「

森博嗣『トーマの心臓 Lost heart for Thoma』

萩尾望都さんの『トーマの心臓』が、森博嗣さんによって小説となっていたことを今さらながらに…

ブレイディみかこ『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』

すでに続編となる完結編も刊行されている話題の一作目を、やっと手に取りました。新潮社の書籍…

出久根達郎『漱石センセと私』

直木賞作家である出久根達郎さんの『漱石センセと私』。月刊『パンプキン』に連載された「いと…

松浦寿輝『花腐し』

11月10日公開、綾野剛×柄本佑×新井晴彦監督の映画『花腐し』の原作が、第123回芥川賞受賞…

山田詠美『血も涙もある』

まさに、タイトル通りの「血も涙もある」小説でした。新潮社のホームページ紹介には、次のよう…

西加奈子『くもをさがす』

ベストセラーとなっている西加奈子さん初の「ノンフィクション」は、カナダでの乳がんの闘病記…

夏井いつき・奥田瑛二『よもだ俳人子規の艶』

副会長の新刊は、映画監督であり俳優であり画家でもある奥田瑛二さんとの対談本です! 『よもだ俳人子規の艶』というタイトルが示す通り、二人が語る「子規俳句」は、通り一遍の俳句談義にはおさまらない「よもだ」話の様相を呈していきます。 対談は、いきなり、奥田さんが話題にせずにはいられなかったという「艶俳句」への話題から始まります。 子規が遊女たちを読んだ句群に惹かれたという奥田さんは、それらを「艶俳句」と名付け、そこに見られるエンターテインメント性と毒を、映画人としての自身の嗜好