Shinjiy

1969年に大学を卒業して鉄鋼技術者、工場運営、上場企業のトップを経験し、2021年3…

Shinjiy

1969年に大学を卒業して鉄鋼技術者、工場運営、上場企業のトップを経験し、2021年3月74歳で退任、フリーになりました。振り返ってみると、レールを大きく踏み外すことのない人生ですが、それでも現役時代には人に言えない諸々があります。ここで少しずつ漏らしたいと思います。

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我生涯(まだ存命ですが)

 2年前の1月、世に言う後期高齢者になり現在77歳、同年の妻と二人で東京の日本橋人形町に住んでいます。3年前まで現役で働いていましたが、まわりに(多分)惜しまれつつリタイアしました。世にいう終わった人・です。体の方は年なりに色々ありますが、ともかく・・・・人形町生活を楽しんでいます。  1947年1月に原爆後の広島市で生を受け、いわゆる被爆者2世ですが、何の影響もなく、今日に至ります。4歳で父の転勤に伴い、一家は東京に転居、22歳で大学の工学部を卒業して某鉄鋼会社に就職しま

    • 塩野七生「ローマ人の物語Ⅰ、Ⅱ」

       塩野七生さんは1937年生まれだから私より10年上、今87歳になる。昔から好きな作家の一人だ。 「ローマ人の物語」は塩野七生さんの歴史小説。「なぜローマは普遍帝国を実現できたのか」という視点のもと、ローマ建国から西ローマ帝国の滅亡までを描いている。1992年、塩野七生さん55歳で第1巻から年に1冊ずつ新潮社から刊行され、2006年12月刊行の15作目で完結している。  1992年、当方45歳の時に「ローマ人の物語Ⅰ」が刊行されたので、直ぐに読むと、とてつもなく面白い。以

      • 川端康成「眠れる美女」

         引続き、文芸春秋8月号の特集「昭和100年の100人」から、 「川端康成 ―江口老人の欲望― (作家鈴木涼美)」を紹介します。  例によって冒頭のト書きは・・・・  日本人初のノーベル文学賞を受賞した川端康成(1899~1972)。名作「眠れる美女」は何を書いたのか?愛読する女性作家・鈴木鈴美氏が解き明かす。  以下、ウィキから抜粋する・・・・川端 康成(1899年~ 1972年)は、戦前・戦後にかけて活躍した近現代日本文学を代表する作家の1人、代表作は、『伊豆の踊

        • 青臭い作家のままだった

           引続き、文芸春秋8月号の特集「昭和100年の100人」から、 「石原慎太郎 ―ありがとうな― (作家北方謙三)」を紹介します。  例によって冒頭のト書きは・・・・  石原慎太郎(1932~2022)は、作家・政治家として大きな即席を残した。作家の北方謙三氏(1947~)が、石原文学と人物の核心に迫る。・・・・そうだ。  石原慎太郎は皆さんご存じとは思うが、簡単に紹介すると・・・・ 一橋大学在学中のデビュー作「太陽の季節」で芥川賞を受賞、同映画化で弟の裕次郎をデビュー

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        我生涯(まだ存命ですが)

          マキャヴェッリの「君主論」

           以前に書いたマキャヴェッリ「君主論」シリーズをまとめて、創作大賞用にアップします。  「君主論」はマキャヴェッリがフィレンツェ共和国で失脚し、隠遁生活中の1513年 - 1514年に完成したと考えられており、ウルビーノ公ロレンツォへ自分を売り込んだものだ。一国を支配する君主がどうあるべきかを、様々な局面を想定し、歴史の具体的な例も列挙して解説している。示唆に富む内容だが、面白い読み物とは言い難く、読破するにはそれなりの忍耐が必要だ。  私は53歳から21年間、会社のト

          マキャヴェッリの「君主論」

          正真正銘の馬鹿

           引続き、文芸春秋8月号の特集「昭和100年の100人」から、 「芥川龍之介 ―馬鹿の意味を反転させた人― (作家堀江敏幸)」 を取り上げます。  冒頭の紹介文は・・・・  「羅生門」「杜子春」「地獄変」など数々の名作を書いた芥川龍之介(1892~1927)は、昭和2年、「ぼんやりとした不安」という言葉を残して、自らこの世を去った。作家の堀江敏幸氏が芥川の「特異な力」を論じる。  以下、簡単に芥川の生涯を振り返ってみる。  芥川は1892年に現在の東京都中央区明石

          正真正銘の馬鹿

          人形町寿司「粋」が一時休業

           先日「粋」のHPに、以下の如く休業のお報せがあり、あっと驚いた。 「人形町 粋 総本店は、7月16日(火)より改装工事のため一時休業します。(9月再開予定)」 休業期間中は大変ご迷惑をおかけします。 オープンまで暫くの間おまちください。 リニューアルオープン後、皆様の来店を心よりお待ち申し上げます。 9月再開予定(再開日は決まり次第お知らせいたします。)  つまり2カ月ほどあそこでお寿司を食べられないわけだ。諸々のこじ付けでお祝いする都度「粋」でお寿司を食べているが

          人形町寿司「粋」が一時休業

          「乳白色の肌」

           引続き、文芸春秋8月号の特集「昭和100年の100人」から、仏・日で著名な画家「藤田嗣治」について、映画監督の小栗康平さんが寄稿している。  冒頭の紹介文は・・・・日仏で活躍した画家・藤田嗣治(1886~1968)。映画「FOUJITA」を手掛けた小栗康平監督が、パリを魅了したフジタの「栄光と悲惨」を綴った。・・・・ だが、ここでは、文芸春秋に拘らずに藤田嗣治を記述してみます。  フジタは明治19年(1886年)に東京で生まれ、26歳でフランスに渡ります。当初は暗中

          「乳白色の肌」

          村山由佳「阿部定」

           引き続いて、文芸春秋8月号の特集「昭和100年の100人」から、村山由佳さん記述の「阿部定」を紹介します。  先ず、冒頭の紹介です・・・・  「愛した男を殺し、局部を切り落とす」という事件の猟奇性で、“昭和の妖婦”と呼ばれた阿部定(1905~没年不明)。評伝小説「二人キリ」でその生涯に迫った作家の村山由佳氏が、彼女の意外な実像を語る。  村山由佳さんは「星々の舟」の直木賞作家だ。「ダブルファンタジー」では、男女の営みの、あまりにリアルな心身の描写に、読んでいるこちら

          村山由佳「阿部定」

          人生は短すぎる!

           昨日に続き、文芸春秋8月号の特集「昭和100年の100人」から、三島由紀夫ついて、横尾忠則が書いている記事を紹介します。  三島由紀夫は、1925年1月14日生まれ、なんと、私と同じ誕生日だ。余計な事だが、子供の頃から尊敬するアルベルト・シュバイツアは1875年1月14日に誕生している。これを知った時、1月14日は特別な日だと喜んだものだった。  三島由紀夫は青春の多感な時代に戦争を経験し、戦後の世の中が一斉に、かつ安易に戦争体制を批判する様に違和感があったのだろう

          人生は短すぎる!

          やわ肌の・・・・

           文芸春秋8月号の、昭和100周年記念大特集、 ―総力特集―「昭和100年の100人、激動と復活篇」が興味深い。  以下が冒頭での特集の紹介 来年2025年、日本は「昭和100年」を迎える。昭和は遠くなりにけり-----しかし、私たちはいまだに昭和の光と影を背負っている。昭和元年から戦争を経て、昭和35年の安保闘争、高度成長の黎明期までを100人の忘れがたい人物とともに振り返る。  天皇家、政治家、軍人、文人、学者、スポーツ選手、芸能人等、誰でもが知る多彩な人たちを、

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          「将棋と哲学」糸谷哲郎

           毎月の文芸春秋で、巻頭に各界の著名人の投稿文が記載されているが、最新の8月号では、将棋棋士、糸谷哲郎氏の投稿「将棋と哲学」が興味深い。  糸谷哲郎氏は1988年生まれの35歳、早見え早指しで知られ、各棋戦で活躍する一流棋士の一人だ。2006年に四段に昇段してプロ入り、14連勝してその年の連勝賞、新人賞を受賞した。  ところが、翌2007年に、なんと、名門国立の大阪大学文学部に合格。藤井聡太君が将棋に専念したいと、卒業直前の高校を中退したのとは好対照だ。糸谷氏は大学の

          「将棋と哲学」糸谷哲郎

          塩狩峠

           今月23日に以前よりSNSで親交のある女性2人(ⅠさんとHさん)と我夫婦の4人でお会いすることになった。  私がnoteに来たのは2年程前だが、その前から某SNSで月に1,2度の頻度で日記(月記?)を投稿している。同じく日記を投稿している何人かの方とコメントを交換し(オンラインで)親しくさせていただいている。  Ⅰさんはそんな中のお友達の1人だ。妙齢の女性と言いたいところだが、残念ながら(?)年齢は私と同じ。長く病院の看護婦をされて、その後も介護施設、訪問看護ステー

          塩狩峠

          新日本風土記 人形町

           昨日20時からNHKBSで「新日本風土記 人形町」が放送された。何と言ってもわが街人形町だ、何が紹介されるのか、興味津々で視聴した。  NHKのHPによる番組の紹介には、以下の如く記されている・・・・ 「東京 日本橋人形町」   回放送日:2024年7月8日 刃物屋、豆腐屋、人形焼き屋…粋な老舗や下町グルメが満載の人気の街の路地に一歩踏み込むと、江戸の昔から培われた技や伝統がいっぱい。心意気と情にあふれた人々の物語。 江戸中期に始まる打ち刃物の老舗の職人技、明治から続く

          新日本風土記 人形町

          大逆転だった

           6,7日に行われた王位戦第一局は、藤井聡太君が挑戦者の渡辺明九段に大逆転、先勝した。  勝負は序中盤の膠着状態が続き、2日目の午後になっても戦いにならず、同じ局面を4度繰り返して千日手になってしまった。小休止後、前後番を入れ替えて差し直しの再戦となる。こんどは持ち時間が少なくどんどん進むが、中盤で渡辺九段がリードして終盤にはいる。最後の寄せ合いでは渡辺九段が勝勢、藤井君も負けを覚悟したらしく、俯いてがっくりした様子だ。ところが、なんと・・・渡辺九段が即詰みを逃してあっと

          大逆転だった

          (残念ながら)小池氏圧勝

           我推しの石丸氏は蓮舫氏を凌駕して2位に躍進したが、知事選は2位ではダメなのだ。  得票数を見ると、小池さんが292万票、石丸氏が166万票、蓮舫さんが128万票、事前の予想は、小池さんに蓮舫さんが挑戦する構図で、石丸氏は事前の知名度が低く、物の数ではない・・・・はずだった。選挙戦が進むにつれて石丸氏の主張、考えが浸透し、当方は、ひょっとしたら、と思い始めていた。  彼の主張は主としてYouTubeで拡散している。我が家も連日YouTubeで石丸氏を見ていたし、あれを真面

          (残念ながら)小池氏圧勝