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いいなあ!とか、おもしろい!!と思った記事を集めてます。書いてくださったnoterさんに感謝。
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#創作大賞2023

無音の道・・熊野古道大雲取越、小雲取越 ーcoolなkumano4ー

無音の道・・熊野古道大雲取越、小雲取越 ーcoolなkumano4ー

「音がない」って感じたことありますか。ほとんどの人は経験ないかな。
この道を歩くと音がない時間があるのです。長い時間です。何も聞こえない。何も聞こえない時は、何をしたらいいかわかりません。新鮮で恐怖で貴重な時間。
 私は、最初は怖かったのでしょう。声を出して無音を消してました。(変な言い方ですが。)二回目以降は無音を楽しめたのです。自分の世界に入っているような気がしました。そんな道です。

 いに

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【エッセイ】それは思考の癖だから

【エッセイ】それは思考の癖だから

東日本大震災が発生した2日後、ボクは区役所に顔を出した。
当時は仙台市に住んでいて、その区の沿岸部も津波の被害を受けていた。
何か手伝えることはないかと、仕事のつながりで顔見知りだった課長を訪ねたのだ。
課長はもうすでに疲れを表情に浮かべながらこう言った。
「助かります。私たちは普段、どうしたら問題が起こらないようにできるかという考え方しかしていないので、こういう時にどうしたら良いかわからないんで

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【もしも現世で、太宰治がnoteを書いたら】

【もしも現世で、太宰治がnoteを書いたら】

太宰です。

また自殺して、ごめん。

まさか転生した先の世が、こんなにも、自殺を悪とする時代だったなんて、思ってもみなかったのです。私が間違えておりました。すみません。あぁこうして謝っていると死にたくなってくる。あ、また言ってしまった。ほら、これはもう、口癖みたいなものなのです。

私はあの頃、いったい何を考えて、どんな気持ちを抱えて、「生きて」いたのでしょうか。

もしも生まれた時代が、現世“

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俳句、自選自解002(ワシコフ俳句)

俳句、自選自解002(ワシコフ俳句)

まっとうに、正岡子規から水原秋桜子の流れで俳句を学んでいた私は、高校生のある日、ズギャンと雷に打たれた。引用の、西東三鬼の俳句である。

露人て!ワシコフて!誰やねん!

衝撃が強いと、すぐに真似をしたくなるし、うずうずと何かに書きつけたい欲にかられる。すぐさま「ワシコフ俳句」なる連作をノートに書いた。

書きながら、これがもう、ワシコフのイメージがどんどん膨らむのである。ワシコフの腕、ワシコフの

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図書館で借りる本をルーレットで決める  ①『地下鉄の文化史』

図書館で借りる本をルーレットで決める ①『地下鉄の文化史』

ルール1冊目 S516.72図書館にはいってたところで早速、ルーレットをまわしていく。
ひとつ目の数字は「5」。技術のコーナーへ移動。

それから「1」,「6」。まだ複数あるようなのでもう一回まわす。「7」。
まだまだある。これは予想外だった。さらにまわそう。「2」。

まだまだある……がこれ以上はルーレットで決めていくのは難しそう。
それに読めないと意味がないので、「516.72」たちの中から一

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週末はいつも山小屋にいます#1「月山/清川行人小屋」

週末はいつも山小屋にいます#1「月山/清川行人小屋」

■あらすじ

 山で出会った有希と結婚した「私」は、毎週末にふたりで山を歩く、充実した生活を送っていた。しかし、その毎日は東日本大震災で有希を亡くしたことにより一変してしまう。
 再びひとりで山を歩くようになった「私」は、山で様々な人に出会い、それぞれの悲しみや想いを山小屋で語り合う中で、自分の心に触れていく。
 有希への想いを抱え、出会いからの思い出と共に「私」は今日も山を歩く。
 喪失を経験し

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【エッセイ】男女平等と親父たちの嘘

【エッセイ】男女平等と親父たちの嘘

中高年女性でジャニーズファンという方は多いようですね。
あ、今、話題にして良いんだっけ?良いよね。
娘と2人でコンサートに出かけるという人も少なくないようで。
旦那さんも容認している、というか、容認せざるを得ないというか。
まぁ、全く悪いことじゃないからね。

じゃ、男の場合だったらどうなんだろうね、と。
オジサンがAKBとか日向坂とかいろんな坂に夢中になってたらどうなんですか?
いや、いるでしょ

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サラティガ、月

サラティガ、月



INDONESIA

 昨年の暮れから今年にかけて、わたしはここインドネシア、首都ジャカルタの高層ホテルの一室で、ただ茫然と日を送り続けていた

その小さな旅はもちろん、誰に命じられたわけでもなく、自分の意志で年末年始の休暇を過ごすために、航空券と中央ジャカルタのデザイナーズホテルを押さえておいたのだ

 だが、結局、いったい何をしに、あるいは何を観に来たのかが自分でもわからないままだった

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オイッスターソースで炒めた厚揚げ。

オイッスターソースで炒めた厚揚げ。

題名の通りです。
短時間で作れる料理で、ほぼ肉食をしない私にとって貴重なタンパク源である大豆製品を料理しながら、昭和のお茶の間に家族を釘付けにした芸能人を妄想した記録。

厚揚げ      1丁
卵        2個
葱        青い所7センチ
胡麻油      適量
生木耳      1個
オイスターソース 大匙2
醤油       小匙1
味醂       大匙1
酒        大

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[マンガ / Comic] 中年夫婦の会話 / Conversation

[マンガ / Comic] 中年夫婦の会話 / Conversation

(1100文字オマケ付き)

===

私のマンガに毎回登場する夫のダックさん。

彼とは、2003年の夏に出会いました。エイズのため亡くなった知り合いアーティストの追悼会が友人宅で開催された時。

遅くまでみんな飲んでいて、気が付けば、朝方まで飲んでた私。
ダックさんは、なんとなく隣にいて、一緒に話してたような。ブラジル人のエリオ君が作ってくれたポテトサラダをたらふく食べながら。

最初に会った

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8年前のドライブノォト(自然の不思議)

8年前のドライブノォト(自然の不思議)

8年前も、
確か今頃のような初夏の頃。
快晴の一日だった。

地元の高知に戻って、レンタカーして、
母親のいるところに向かって、
一世一代の宣言をしにいくところだった。

当時、高速バスで高知まで帰っていたけれど、
その3時間半、わたしは緊張でえずきそうだった。

なぜなら、
何年も言えなかったことを、
いや十年以上たっているか、

ひたすら我慢していたことを宣言するのは、かなりの勇気がいるし決行

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もう一つの人生

もう一つの人生

数年前に見た夢です。

「ギャーッ!!!!」と叫びながら目覚めました。
なんという悪夢。よかった、夢で。ありがとう、現実。

でも、現実とかけ離れた、想像したこともない設定の夢を反芻しながらわたしは思いました。
この夢、もしかしたら、もう一つの自分の人生なのではないか?

教育学部出身のわたしが教師になる可能性はゼロじゃないし、東京での会社員生活をあのまま続ける道も、そして実家暮らしで子持ちという

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