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| 1994 東京 |

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マガジン

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    「書いてくれてありがとうございました」 そう感謝すらしたくなるような文章を、マガジンにまとめました。 折々、大切に、読み返させていただきます。

  • 【名刺がわりの10作品】

    【roots】 ・宮崎駿 ・星新一 ・太宰治「正義と微笑」「斜陽」 ・茨木のり子「自分の感受性くらい」「倚りかからず」 ・谷川俊太郎「二十億光年の孤独」「生きる」 ・福沢諭吉「学問のすゝめ」 ・芥川龍之介「兄貴のような心持-菊池寛氏の印象-」「読書の態度」「東京に生まれて」「創作」 ・夏目漱石「坊ちゃん」「我輩は猫である」 ・渋沢栄一「論語と算盤」 ・ダニエル キイス「アルジャーノンに花束を」 ・伊坂幸太郎「重力ピエロ」 ・リリー フランキー「東京タワー」「ビートルズへの旅」 ・中原中也「汚れつちまつた悲しみに…」 ・アルベルト シュバイツァー 伝記 ・さだまさし「風に立つライオン」 ・葉田甲太「僕たちは世界を変えることができない」 ・あさのあつこ「バッテリー」 ・江戸川乱歩「怪人二十面相」 ・細谷亮太「医師としてできること できなかったこと」

  • 【小説】16ビートで命を刻む君と、空虚めな僕のこと。

    お読みいただき、ありがとうございます。 感想等のコメントも心から嬉しいです。 私の知らないどこかで誰かに「次も読みたい」と楽しみに思っていただけるような小説を書けたらなと、すぐに投げ出す飽き性な私ですが、最後まで書き切ってみたいなと、今は思っています。(未完)

  • 【創作大賞2023「ミステリー小説部門」】

    目の前に、飛行機が墜ちてきた。 ただそこに墜ちる運命にあったかのように、機体は真っ直ぐに落下し、僕らの隣町を燃やした。 中学3年生の星(アカリ)の父・聡一郎は、宇宙開発事業の先駆者で、ロケットのエンジンを旅客機に応用し、大勢の旅行客を乗せて飛行機で宇宙まで飛ぶことが夢だった。しかし、ロケットエンジン搭載型旅客機が、国の事業になると、研究目的が一変し、聡一郎も変わっていってしまう。そんなある日、滅びゆく地球から限りある資源を持ち出し、月移住を試みている者の存在を知る。 宇宙の壮大さ、月の美しさを教えてくれたのは、“父”だったのに―。 地球が住めなくなった時、月へ移住することは、エゴなのか・進歩なのか。 【それでも生きる意味】

  • 【映画レビュー】

    「この映画を観た感想を残しておきたい」 そう思わせてくれた映画に精一杯の敬意を込めて、拙いけれど、文章を書いてみます。 🎥https://filmarks.com/users/memenote

最近の記事

プラダを脱いだ天使

今、人生最後の、歌のレッスンが終わりました。 20代までと決めたことを、29歳ギリギリまで楽しむと決めたすべてのことを、やり切って、ちゃんと、おしまいを選びました。 本当に、楽しかった。 それと同時に、夢のような時間を、終えたという実感があります。 20代を、自分のためだけに、ただ楽しいという気持ちだけで、たくさんの人に出会って、たくさんの経験をして、たくさんの寄り道を選んで、思うがままに生きました。 人との出会いの中で、いろんな人からたくさん愛してもらったし、同時

    • 人生で覚悟を決める場面はそんなに無いけれど、今。

      母の誕生日だった。 誕生日だからと言って、きまって電話する習慣はなかったけれど、今年はなんでか母の声が聞きたくなった。 「誕生日、おめでとう」 そう言うために電話をしたのに、最近ようやく覚えたビデオ通話に出た母の第一声は「わぁ〜メメちゃんの顔見れた〜!ちょっと痩せた?もう晩ご飯食べたの?ちゃんと食べないとだめよ。」いつまで経ってもおんなじの、そんな言葉だった。お母さん、もう私、29歳にもなったんだよ。分かってる? 「また帰った時、誕生日会しようね」 切る時にそう伝え

      • 人生、最初で最後のライブを終えた。

        人生で初めて、都内のライブハウスのステージで、歌を歌いました。 もう終わり。20代最後にこんな経験ができて本当に良かった、もう心残りは何もないや。またステージに立ちたいとも、もう思わない。全部置いてきた。そう、思いました。 ◇◇◇ 自分の歌なんか大嫌いだったのに、すごく厄介だったのは、歌を歌うことが、大好きだったことです。 「どうしてメメちゃんはメメちゃんの声に生まれたのかな」 ライブに出る前に、私に歌うことを教えてくれた人が、そんな風に言いました。そんなこと、考え

        • 2024年、1月のこと。

          2024年についてを年末に振り返るとする。それはきっと、2023年を振り返るのとは少し違うだろうなぁと思う。少なくとも、年齢としての大きな変化は迎える。晴れやかな気持ちと、少しの名残惜しさも持ち合わせている。だれかにとって「それしきのこと」でも、私にとっては重大だ。 20代の最後は、ひと月ずつ、大切に振り返っておこうと思う。 大切な時間を、めいっぱい生きられますように。 1月の記憶 【映画】 ・クレイジークルーズ 坂元裕二 いい人なんかいない。いい人というのは、“

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          276本
        • 【名刺がわりの10作品】
          10本
        • 【小説】16ビートで命を刻む君と、空虚めな僕のこと。
          4本
        • 【創作大賞2023「ミステリー小説部門」】
          10本
        • 【映画レビュー】
          5本

        記事

          痛くないことにした傷が、見失わない現在地。

          神田にある、カワセ楽器という楽器屋さんに行ってきた。 ギターの弦交換は、大きな楽器屋さんだと楽器ごとお預かりになることが多いので、こういう個人商店で目の前で施行してもらえる機会は、初学者の私にとって、とても勉強になった。 「本当は自分で弦交換できるようになりたいんです。」って言ったら、じゃあ一緒にやろうかって最後の2本を手渡してくれたので、おそるおそる初めて、自分で弦を張った。少し巻き始めが不恰好になっても「大丈夫大丈夫、巻ければ問題ないから。」と、最後まで面倒をみてくれ

          痛くないことにした傷が、見失わない現在地。

          結婚報道に寄せて

          2024年。年が明けてまだ1月も半ばだというのに、既にかなりの数の結婚報道を目にした。今年は結婚報告が多いなぁと感じていたところだった。そんな中、また今日もひとつの結婚報告の記事を読んだ。KAT-TUN中丸雄一さんの結婚について書かれた記事だった。 KAT-TUN6人時代の全盛期の、あの熱狂の渦を肌で感じ育った世代なので、ファンであろうとなかろうと知っている“ゆっち”こと中丸雄一さんの結婚のご報告には、特別祝福の気持ちが大きかった。 お相手は、私の知らない方だった。 ど

          結婚報道に寄せて

          被災地域外に在るということ

          新年早々、能登半島地震や羽田空港での航空機衝突事故が発生し、悲惨な現場の報道が続いています。衝撃的な映像や写真に、テレビをつけるたびに、インターネットに接続するたびに、自然と触れ続け、心が、疲労してくるのが分かります。 「被災地の人たちはもっと大変なのに」 そういう思いで、被災地域以外の人の心が、知らず知らずのうちに沈んでしまうことは、沢山あります。自分はこんなにも平常通り日常を送っていていいものかと、悪いことなんか何もしていないのに、急に自責の念を感じてしまったり、無力

          被災地域外に在るということ

          祈りながら、走る

          私の住んでいるまちで、火事があった。 消防車が20台以上出動して、ようやく火が消し止められた。 出火元は、私の患者さんが住んでいるマンションだった。人工呼吸器をつけたまま、日々を生きている男の子の住むマンションだった。 その、最上階が燃えた。 在宅用の高濃度の酸素ボンベは、火の元では爆発の原因となる。 その子の住む部屋は出火元よりだいぶ下の3階だったので、幸いにも上へ上へと上がっていく煙の性質上、その子への直接の被害はなく無事だった。 しかしその火事によって、知ら

          祈りながら、走る

          2023年。はじめたこと、終わらせたこと。

          メリークリスマス。 怒涛の日々を過ごしていたら、今日がクリスマスイブだっていうことに、さっき気がつきました。クリスマスとかそういうの、本来好きだしはしゃいじゃうタチなのに、実際「え、もうクリスマス!?」ってなっちゃってんの、多忙すぎた最近の自分を少しは労わってあげないとなって気にさせられます。 街中で流れてる「We wish you a Merry Christmas, And a Happy New Year. 」っていう歌も、メリクリあけおめって言ってるもんね。気が早

          2023年。はじめたこと、終わらせたこと。

          嫌いだ 全部 好きなのに

          この街の電車はいつも、人よりも上を走っていた。 今、私が住んでいる場所は地下鉄が最寄りだから、余計に街中の光を浴びて人々の頭上を走っていくこの街の電車が少し異様で、まだその光景を見慣れなかった頃は銀河鉄道みたく見えていた。 光の上に光がある。 色の上に色がある。 重ねられて、塗りつぶされて、影が出来て、また別の光になって、何度でも何度でも、この街を照らしている。 その光の間を切り裂くように走るあの電車に乗って、私達はどこまで行けるだろうか。 どこまで、行きたいのだ

          嫌いだ 全部 好きなのに

          スプリング・タイム・ノート

          どういうわけか、知らないうちに、私達は大人になっていた。 確かにもう、10代や20代前半の頃のような無理はしない。朝まで通話ボタンを繋ぎっぱなしにしながら眠るなんてこともなく良質な睡眠を優先したいし、真夜中過ぎまで飲みすぎて楽しくなっちゃうなんてことも稀になった。焼肉食べ放題よりもちょっと良いお肉を少量ずつ食べたほうが心がちゃんと満足するようになったし、マクドナルドに行ってもバーガーを2つも頼むなんてことはもうしない。高い税金を納めながら粛々と、社会人生活を生き抜いている。

          スプリング・タイム・ノート

          出発するんだと決めた。

          明日、一世一代の大勝負をしてこようと思う。 どうなるかは分からないけれど、生きるってことはそもそもが、ほとんどがどうなるかは分からないことの連続だ。 周りの人たちに、たくさんの感謝をしている。 さまざまなことが、大切にしたい人の存在や、家族がしてくれたことに、感謝することから始まる。大切にすることから始まる。ありがたいなと思うから、ありがたいと思った気持ちのままを、お返ししたいと思う。ご縁を、大切にしたいと思う。人を、傷付けたくないと思う。正しくありたいと思う。そうあろう

          出発するんだと決めた。

          『しなやかな頑固者』

          あ、風の音がする。 朝の通勤途中、毎日のように突っ切る公園があって、その公園の噴水のところでふと、そんなふうに思った。 思わず風の音のなる方を向いたのだけれど、もちろん風が目に見えるわけもなくて、ただ、確かに風の音がしたのだという事実だけがそこにあった。 小枝が揺れているのも、葉が落ちるのも、あんなにも暑かった35℃の日常がなくなることも、頬をかすめていく空気の冷たさも、全部、目には見えないけれど、確かにそこにある“風”の仕業だった。 風は、目には見えないのにそこにあ

          『しなやかな頑固者』

          “ガムシャラ”という幸せ

          今夜も、街中を見渡せるあの場所まで走る。 ずっとそこで暖かく光り続けていてくれている安心感が、きっと、この街のランドマークたる所以だ。 あの場所まで、あと3.5km。 あと、2km。 あと、1km... 遠かろうが近づこうが、同じ色の光で待っていてくれる。 そのことが今はすごく、ありがたい。 ガムシャラ 最後にガムシャラになったのはいつかって聞かれて、歳を重ねるたびに答えにくくなっていくことが寂しかった。 高校生になったらこうしよう、大学生になったらあれして

          “ガムシャラ”という幸せ

          十月、ジターバグ、この街の跳び方。

          渋谷のハンバーガー屋さんでトイレを借りた。 ドアを開けると見たこともない光景が広がっていて、思わず尿意も引っ込む。 「好きな場所のを使ってください」って、ことなのか。それとも、トイレットペーパーを使ったアートのつもりなのだろうか。収納場所のない狭いテナントを逆手にとった「それならば魅せよう」という工夫なのだろうか。 東京は、「分からない」ことが多い。 東京とつけるだけで美味しそうにみえる”東京ナポリタン”がずるい。東京とつけるだけでちょっと高くなっても文句をいわれるこ

          十月、ジターバグ、この街の跳び方。

          言葉を持たずに生まれてきたのに

          今日、東京の街に、あたたかい雨が降った。 空はこんなにも晴れ渡っているのに、しばらくの間、ひとしきりあたたかい雨が降り続いた。 雨が上がった空には、雨と晴れの境界がなくて、それがなんだか、不穏だった。 家に帰りたくないなぁと、思うことが増えた。 家に帰りたくない。 このまま何処か遠くへ行ってしまいたい。 だけど、どこへ行けばいいのか分からない。 何処へでも行けそうな気がするのに、何処にだって行けない。 雨が降っているのに空は青く澄んでいて、皮膚にあたっているの

          言葉を持たずに生まれてきたのに