【記憶の街へ#2】17歳、スピリチュアルな夏の夜
高校生2年の夏休み、ボクはトラックの助手という短期アルバイトをしていた。
助手と言っても、荷下ろしの手伝い。
名産地から西瓜を満載してきたトラックの助手席に乗り込み、築地や所沢などにある青果市場で下す。
西瓜は割れやすいので手作業になる。
大きな西瓜がふたつ入った重い箱を、ひたすらトラックから下し、指定されたパレットの上に積んでいく。
シートが取り払われ、11トントラックの荷台に現れる西瓜の箱の山は、ベルリンの壁のように高く威圧的で、いったい何時に終わるのだろうと気が遠くなっ