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金の需給は心配ない!?
トルコ中央銀行の金売りで、需給が一時的に緩んだWorld Gold Councilの四半期アップデート
8月1日にWorld Gold Councilの「Gold Demand Trends Q2 2023」が発表された。需要動向を中心にゴールド関連の統計をまとめたものである。
4-6月期の統計データで、最も注目されるポイントとしては、このところ続いていた中央銀行による金買いが、スローダ
アメリカ経済:リスクが徐々に限定されてきたのか
FRBは柔軟に金融政策を運営する準備が整ってきた6月のFOMCの結果
2023年6月のFOMCで、政策金利の据え置きが決定された。2022年1月以来のことであり、急激かつ大幅な金融引き締めを行ってきたFRBの姿勢が、少なくとも金利の面では、一旦、落ち着いたことになる。
しかし、同時に、年内にさらに2回の利上げ(合計0.50%)を実施する意向であることも表明され、今回の利上げの到達点が、FFレ
原油相場は当面強含みとなる見通し
OPECプラスの会合でサウジアラビアの100万バレル自主的追加減産に合意OPECプラスの会合の結果
6月4日に開催されたOPECプラスの会合において、減産措置の期間延長と共に、サウジアラビアによる日量100万バレルの自主的追加減産が合意された。サウジアラビアなど主要産油国としては、需給の緩みを改善し、価格を上昇させたいという狙いがはっきりしている。
今回のOPECプラスにおいては、アフリカ諸
日本株復活は続くのか
短期的な過熱感は強いが、円安で業績上振れ期待はあるバブル崩壊後の高値更新
日経平均株価で見ると、バブル経済が崩壊した後の高値を更新している。実に32年9か月振りの水準であり、30,000円台を維持している(2023年5月19日現在)。
短期間に急上昇してきており、過熱感は強いものの、ファンダメンタルズ面からの割高感は特にないため、短期的調整はあったとしても、先行きは明るいとの見方も増えている
2023年プラチナ需給見通し改定
総需要が上方修正されたが総供給には制約がある2023年のプラチナ需給見通し
ワールド・プラチナ・インベストメント・カウンシル(WPIC)が定期的に発表しているプラチナの需給見通しが改定された。前回に比べても需要超過が拡大する見通しとなっている。2021年、2022年は、コロナ禍の影響もあって、需要が低迷したため、供給超過の状態が続いてきたが、今年、2023年は、コロナ後の需要回復に加えて、供給
サムスンが日本に半導体開発拠点を新設
日本の半導体産業復活に向けて支援材料と考えられる国内半導体関連企業との連携を期待
サムスンは、世界第2位の半導体メーカーであり、世界的な巨大企業である。2022年の半導体部門の売上高は、表のように655億ドル(9兆円弱)に達している。
そのサムスンが、300億円以上の資金を投じて、横浜市内に先端半導体デバイスの試作ラインを整備するという。これは、研究開発拠点という位置付のものであり、日本の半
アメリカ経済:政治リスクが台頭
インフレ圧力と金融不安に加えて政府債務上限問題がのしかかるCPI総合4.9%上昇、CPIコア5.5%上昇
アメリカで4月のCPI統計データが発表された。総合指数は、事前予想5.0%上昇に対して、4.9%上昇と、0.1ポイントながら下回った。食品とエネルギー価格の影響を除いたコア指数では、事前予想と一致する5.5%の伸びとなっている。
総合指数は、10か月連続で上昇率が低下している。ただし、コ
アメリカ経済:FOMCで利上げ決定
金融不安は消えていない:信用収縮リスクFOMC:0.25%利上げ
5月3日にFOMCの結果が発表され、政策金利が0.25%利上げされた。新たな政策金利は、5.00%-5.25%となった。従来、利上げの最終到達点として想定されてきたレンジになっており、打ち止め感が出るとの期待があった。
しかしながら、利上げ打ち止めに関する明確な表明はなされず、さらなる利上げの可能性が残された結果となっている。
金鉱山買収の狙いは銅鉱山取得
ニューモントによるニュークレスト・マイニング買収提案の目的金鉱山世界最大手が第7位企業の買収を提案
元々は、2023年2月に金生産で世界シェア第1位のアメリカ企業ニューモントが、世界第7位のオーストラリア企業ニュークレスト・マイニングに対して、買収提案を行ったものである。その際は、ニュークレスト側から、買収価格が安すぎるということで拒絶されたが、4月10日に買収価格を1割程度引き上げて、再度提
植田日銀新総裁初の政策決定会合
金融緩和策維持と多角的レビュー実施を決定植田日銀新総裁にとって初めての政策決定会合
本日、2023年4月28日、日銀政策決定会合の結果が明らかになった。発表時間がやや遅めだったことで、私も含めて市場関係者の間には緊張感が高まったが、結果的には、金融緩和策が現状維持となり、政策転換はなかった。
その結果を受けて、市場では、株高、円安、債券高(金利低下)という反応が見られた。通常12時前後に発表
アメリカで金融不安再燃か?
First Republic Bankの決算発表はネガティブサプライズ大規模な預金流出判明で株価暴落
アメリカで中堅地銀First Republic Bankの決算発表があったが、預金残高の急減が判明し、市場心理を悪化させる結果となった。表のように、前四半期末比約720億ドルの減少となっているが、大手行からの支援預金を除くと実質的には1000億ドル程度の減少だったと見られる。結果的には預金残高