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何度も読みたい文章。

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わたしが刺さった文章たちです。
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記事一覧

40歳の、肖像。

40歳の、肖像。

40歳になる日が、来るなんて。

人生というものに向き合いすぎて、著名な文豪たちが多く自殺しているのを見聞きして、私もこんなにも自分の人生について考えてる限り、自分は長くは生きられないのでは、とどこかで思っていた。今はもう思わないけれど、自殺する未来、は他人のそれではなかったと思う。具体ではないけれど、死ぬということも生きるということも、自分のポケットに入れて、それにいつも触れていたような感覚があ

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並々ならぬ覚悟で独立した私が、もう一度「社員」となる道を選んだ理由

並々ならぬ覚悟で独立した私が、もう一度「社員」となる道を選んだ理由

8月、私はSHE株式会社の業務委託から社員になった。
でも、改めてSNSで報告もしなかったし、友人にも伝えなかった。
もともと社員同然にコミットしていたから特に変化はないというのもあるけど、「おめでとう!」と言われても、あまり嬉しくなかった。

...実はこの数ヶ月、私はSHEの社員になった自分を責め続けてきました。

独立し、起業を目前にしていたのに「社員になる」という一見矛盾した決断をした自分

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ビジネスホテルの旦那は、旦那より旦那

ビジネスホテルの旦那は、旦那より旦那

最初に言っておくが、下世話である。
これは下世の話である。

大切な仕事があるので、三泊四日で東京のビジネスホテルに泊まった。

最終日のテレビ朝日の配信出演にあわせ、場所は六本木を選んだ。

21時30分くらいにホテルに着き、慣れないアレやらコレやらで、へっとへとのへとになった体をシングルベッドに沈ませたところだった。

「あんっ……!」

あまりの体の重さにベッドフレームが喘いだかと思ったが、

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おとなになって初めて食べたもののこと

おとなになって初めて食べたもののこと

欠点とも呼ぶべきか、チャームポイントとでもごまかすべきか悩ましいですが、どうやらわたしは食べたことがないものがとても多いようです。

薄々その自覚はありました。

「うお〜っ、これ初めて食べました!」と感想を言うたびに「えっ、一体何食べて育ってきた?」と返されることが多いこと。

好きなものばかり食べてしまうこと。たまごシールをたくさん集めたいモードのときはたまご料理ばかり作ってしまうし、外食に行

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ふたりのキャバ嬢とおじさんの弾丸ディズニーランド

ふたりのキャバ嬢とおじさんの弾丸ディズニーランド

10年ほど前、
私は、指名の取れないキャバ嬢だった。

クリスマス間近のある日、お店の人気キャバ嬢と、そのお客さんの3人で、なぜか「東京ディズニーランド」へ行くことになった。

あの日、私はひとつだけ、後悔していることがある。今日はクリスマスだから、その話を書こうと思う。

キャバクラは、いろんなタイプがある。

キラキラした高級なところ、ガールズバーに近いカジュアルなところ。私が一時期働いていた

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その日、私はたった2回カフェをした人のことを想いながら、涙が止まらなかった。

その日、私はたった2回カフェをした人のことを想いながら、涙が止まらなかった。

あれは本当に不思議な出来事だった。

特別タイプなわけでも、ロマンチックな雰囲気でもなく、ハプニングが起きたわけでもない。
たった2回カフェをしただけなのに、わけもなく涙があふれてくる。

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大学4年の秋、私はパリから大まかなルートを決め、のんびりとフランス一人旅をしていた。

航空会社で働く両親のもと育った私にとって、旅行は昔から身近なものだったので、大学時代

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誰かの愛を笑わない。LOVE PARCOのコピーを見て考えた #pr

誰かの愛を笑わない。LOVE PARCOのコピーを見て考えた #pr

最近、わたしの世界は美しい。
何もかもが憂鬱ですべてを投げ出したい日があっても、涙が溢れてシーツがシミだらけになる日があっても、それでも世界を根本的に愛せる。そう思えるのは、わたしが人を愛せるようになってきたからじゃないか、と思っている。

……とか言ってみたけれど。

未だ「愛」がなにかなんて、本当はわかっていない。夫のことを愛しているが、何故愛するようになったのか、いつから「恋」が「愛」になっ

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今週末の日曜日、ユニクロで白T買って泣く

今週末の日曜日、ユニクロで白T買って泣く

今週末の日曜日、私はユニクロで泣く。

いつも行く、イオンの4階に入っているユニクロで。きっと、震えながら白のエアリズムコットンオーバーサイズTシャツ(5分袖)を手に取って、泣く。

何の話か全くわからないと思うけど、今、たった今3時間前に起きたことを、心臓をばくばくさせながら、今日は書く。

私の家は、奈良にある。近鉄電車の快速急行が止まる駅。そして、家の94%を、地元の20代以下に開放している

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ねぇ、きみの嘘なんてだいたいお見通しなんだよ

ねぇ、きみの嘘なんてだいたいお見通しなんだよ

無駄なセックスをした朝は、コーラが飲みたくなる。
自嘲気味に話すと、「え、なんで」と笑われた。
本当につまらない男だな。そう思った。

今、私はいわゆる二股をしている。二人の男、どちらと恋仲になるか天秤にかけているのだ。

一人は、メーカーで働く優しい男。
もう一人は、テレビ業界で働く面白い男。

前者を「あんしんくん」、後者を「おもしろくん」とニックネームをつけるようになっていた。

神様はきっ

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一歩を踏み出せないワタシが出会った、船で世界一周

一歩を踏み出せないワタシが出会った、船で世界一周

旅は好きだけど、世界一周なんて夢のまた夢。
「かわいい子には旅をさせよ」なんてことわざがあるけれど、短期の海外ですら首をかしげる両親が、女の子世界一周をすんなりとOKしてくれるわけがない。仕事もそう簡単に辞められるはずもない。そもそも、かわいさなんてどこにもない。

それでも、「いまだ」と思って飛び込んだ。

世界一周に出かけたワタシ

社会人になって、周囲と同じように就職してただ働く日々

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セックスで恋人の夢をみる

セックスで恋人の夢をみる

鎖骨がひんやりと冷たい。

24℃に設定したエアコンで、布団からはみ出た肌が痛んだ。すやすやと聞こえてくる寝息を恨めしく思っていると、23時を3分過ぎたばかりの街から話し声が聞こえてきて、まだ誰かの今日が続いていることに安堵する。だんだん電車が近づいてくるのを片耳に、大きな音で起こして欲しいと願ったけれど、何事もなく通り過ぎてしまった。

8畳の寝室に置いてきぼりにされた私は、じんじんと熱い瞼を閉

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生活をサボるな。とインド人に叱られた私が、世界一周を経て出した答え

生活をサボるな。とインド人に叱られた私が、世界一周を経て出した答え

「2019年を飾るnote20選」の1つに選んでいただいた、こちらの記事を書いてからもう少しで一年が経つ。

ワーカホリック。

炊事・洗濯・家事、面倒なことは全て外注したらいいと思っていた。

そんな私が、インド人のおじさんに「生活をサボるな」と叱られて「人生は仕事だけじゃない。生活にも目を向けて、ちゃんと自分の時間を生きたい」と思った。という話。

あのnoteを書いたのはちょうど去年の八月だ

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休職したての私が書いたメモが、ちょっぴり役に立った話。

2020年9月17日。

確かこの次の日から、実家に帰る予定だった。その時に過去の私が残していた置き手紙が、少し役に立った話。

2020年11月20日。

私は2ヶ月ぶりに一人暮らしをしている関東の家に帰ってきた。普通にご飯を食べて、余暇を過ごしていると、机の上に置いてあったメモ帳が目に入った。

何となくお絵描きをしたい気分になり、ペンをとった。その瞬間、私の書いたメモがあることを思い出した。

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「20代と30代って、仕事も恋愛も全然違うんだよ」

「20代と30代って、仕事も恋愛も全然違うんだよ」

「ちゃんと仕事もして、外見だって悪くないし、性格もいいのにね。モテそうなのに」

あー、出た出た。「モテそう」フォロー。相手は悪気がなくて、こうやって斜に構えてしまうところが自分はモテない側なんだって痛感する。

「モテそう」って言われる人は、モテない。モテてる人は全然違う言葉を言われるからだ。例えば「今度は2人で会いたい」とか「好きになっちゃいそう」とか。モテる人は「モテそう」なんて思われる前に

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