あの夜の深さは薄れて永遠
つかのまの夢のように思えていたけれど、出会った夜は確かで、過ごした日々も確かで、愛したことも確かなのだと感じてしまうまでには、ほんの5分もかからなかった。
500mlの9%と真夜中の着信はわたしの思考を緩ませる。申し訳ていどに用意された実家の布団。不意に見返してしまう写真は刃物。豆電球の明かりほどの希望。埃かぶるほどに美化された記憶。思い返すと、最後はいつも苛立っていた。
戻らないと決めた千川通りのコンビニ。涙に触れるほど近くて、笑ってしまうほど遠かった。またねと笑顔で嘘