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意味の図画と言葉の工作、このふたつで僕は文章をつくる

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図画とはクリエイティブであり、工作とはエンジニアリングである。実用に資する公的に正しい文章は、伝達と行動を企図した徹底的な他者志向から生まれる。 文化人や知識人は世の言葉の乱れ… もっと読む
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2021年11月の記事一覧

notoに記事を1年7ヶ月毎日投稿してみて、初日の僕に教えたい8つの知恵

notoに記事を1年7ヶ月毎日投稿してみて、初日の僕に教えたい8つの知恵

2020年4月の、noteデビューする僕に、今の僕が教えてあげたいことを綴ってみます。
noteを始めたばかりに方には、ホンの少し参考になると思います。

僕の体験や主観を書きますので、どなたにでも参考になるとは言えません。その点はご了承ください。

1.タイトルに「第○○話」は失敗だった
僕は、このnoteを「10年続けよう」と思ってスタートしました。
僕のnoteは全て、『妻に捧げる3650話

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ストーリーを紡ぐ意義

ストーリーを紡ぐ意義

人間の特徴の1つは複雑な思考や感情を持てること、そして何よりもそれを他人に伝える能力だ。しかし日常生活のコミュニケーションでは考えるまま話したり、あるいはチャット形式のテキストで伝えることが多い。

だからこそ、思考や感情の背景情報とともにストーリーという塊で提示されると、知っている話でもまったく異なるインパクトを持つ。それについてある人は、表情やしぐさ、その場の雰囲気などの背景に邪魔されず否応な

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速く書くコツは書かないことだ/作家の僕がやっている文章術041

速く書くコツは書かないことだ/作家の僕がやっている文章術041

「おい、美樹、原稿をスラスラと書ける方法を教えてやろうか?」

朝日新聞社のMデスクが、私に言ったのです。

えっ、そんな方法があるのか?。

私は原稿用紙に向かって、ああでもないこうでもない、こう書くか、この文章はどうだ……と、執筆に悪戦苦闘の脂汗を流しているときでした。

何しろ、記者からデスクに登り詰めた大先輩です。

いや先輩と呼ぶのも畏れ多い、ヒラ記者にとっては雲の上の人です。

教えて

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物語は小さく静かに発端から書く/作家の僕がやっている文章術045

物語は小さく静かに発端から書く/作家の僕がやっている文章術045

『ONE PIECE』のような、『ハリーポッター』のような、『鬼滅の刃』のような、壮大な物語を書きたい。

そう考える人が陥りやすいのは、いきなり壮大なストーリーを書こうとして、キャラクターをたくさん登場させて、エピソードをふんだんにちりばめて、書き進めるうちに収拾がつかなくなる事態です。

創作を志す多くの人から、こんな悩みを相談されます。

頭が冴えてノリノリなときには、いくらでも世界を描け、

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料理から学べる創作文の書き方/作家の僕がやっている文章術047

料理から学べる創作文の書き方/作家の僕がやっている文章術047

物語の構成はコース料理に似ている

日本料理は、次のような流れに沿って運ばれてきます。

先付
凌ぎ

向付
八寸
焼物
炊合
御飯
水菓子

【1品目:先付】
最初にでてくるのが先付(さきづけ)です。お通しに相当するものです。

【2品目:お凌ぎ】
ひとくち寿司、少量の蕎麦など、空腹を凌(しの)ぐために出されます。お凌ぎで、どんな料理が後に続くのかの察しがつきますし、期待が高まります。

【3

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感情と意思と文章と

感情と意思と文章と

あんたもあんた自身の言葉を発信し続けているかい?

俺の文章にも読んでくれるヒトは居はするんだけれども、メチャクチャ大量のヒトが読んでくれているわけじゃない。

いわゆるSEO的な工夫もしてないし、読んでもらうための文章の内容以外での工夫もあんまりしていないと思う。

ただ、俺が触れ合うヒトに名刺代わりに読んでもらえるものがあれば、そこに意味があるんじゃないかって思って書いているってのがある。

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まったく出版社のルートに乗らない「自費出版」のブックライティングを体験した

まったく出版社のルートに乗らない「自費出版」のブックライティングを体験した

ブックライターとしての仕事はいくつか経験がある。ほとんどの場合は著者さんと出版社の編集者さんがいて、両者の「書きたいコンテンツ」と「売りたいコンテンツ」の着地点を探りながら「文章」にするのがライターの作業になる。

自著の場合は、自分と編集者さんの擦り合わせ地点を自分で探す。どちらにも共通するのは出版社を介して製本したり市場に出したりする点だ。

でも、今年の春〜秋にかけて携わったブックライティン

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小説は、誰に向かって書かれるのだろうか?

小説は、誰に向かって書かれるのだろうか?

「アナログガール」(櫻門書房)という本を出した。中・短編小説を集めた本である。そのなかの「コクー」という小説に、カバという登場人物がいる。小説は、100パーセント、フィクションである。ただ、このカバという名前は、実在の人物から拝借した。当時勤めていた職場のアルバイトの名前である。

            *

 小説は、誰に向かって書かれるのだろうか?

 いや、それは問いかけとして、間違ってい

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「あなたのこの話が聞きたい」とみんなが言うことを書けばいい

「あなたのこの話が聞きたい」とみんなが言うことを書けばいい

noteを始めたいんだけど、何を書いたらいいのか解らない、という相談を受けることがあります。実際に、私はそれなりにnoteを書いているほうだと思います。数えてみると、今年に入ってから今日までの11ヶ月で38個の記事を書いていました。中には注目記事にピックアップいただいたり、Newspicksで「先週多く読まれた記事TOP5」に選ばれたものもあります。noteではなく経済誌に寄稿した記事ですが、ヤフ

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書く力が劇的にアップするワークブック「あなたも作家になろう」がマジでおすすめ過ぎる

書く力が劇的にアップするワークブック「あなたも作家になろう」がマジでおすすめ過ぎる

「創作力が爆上がりする」と世界で大評判のワークブック「ずっとやりたかったことをやりなさい」シリーズ(ジュリア・キャメロン著)。

本シリーズのワークをやってみたレポです。

今回は、同じ著者による、書く人に特化したワークブック「あなたも作家になろう」の、ワーク31をご紹介します。この本にはワークが43こ入っています。初めに言うと、このワーク31、私にはバチクソ効果があったので、マジで書く人にはこの

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「書く」ことで得られるメリット

「書く」ことで得られるメリット

年内には600日連続でnote更新が達成できそうです。この数字をどう評価するかは人によって分かれると思いますが、個人的には可もなく不可もなく。フォロワーが驚くほど増えているわけでもありませんし、noteで生計を立てているわけでもなく、ただただ文章力の鍛錬、日々の振り返り、脳内整理などの文脈で続けています。

連続更新日数に関しても、私の知り合いでメルマガを6000日以上連続配信という方がいらっしゃ

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賢者に学ぶ「心を掴む」思考術

賢者に学ぶ「心を掴む」思考術

column vol.483

昨夜はフォローしていただいている方が2,300名を突破し、非常に嬉しい気持ちになりました。

…とはいえ…、私がフォローしているnoterさんの中には、人を惹きつけるのが非常に上手だなと思う方が多く、日々反省の毎日です…。

ということで本日は初心に返って、読んでくださる方の心を掴む表現力について考えたいと思います。

まずは反感を引き起こさないことが大事コラム記事

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論理的文章と創造的文章:実習レポートの評価の上げ方

論理的文章と創造的文章:実習レポートの評価の上げ方

 文章には大きく分けて3つある。論理的文章、創造的文章、そして日記的文章である。前者2つは他者に読ませるものであって、文章力が問われる。本学の実習レポートで「どう書いていいかわからない」学生さんのために、文章技術について解説する。(小野堅太郎)

 高校の国語では「論説文」と「現代文」という2つのリテラシー課題に分けられていたように、論理的文章と創造的文章には違いがあります。論理的文章では、感情を

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【二次創作】二次小説の「練習」って何をしたらいい?

【二次創作】二次小説の「練習」って何をしたらいい?

文章が上手になりたいけど、「練習」ってどうしたらいいんだろう。という、ちょっと真面目な考察です。
私自身も「もっとさらさら読みやすくて!」「それでいて情感たっぷりで!」「リズム感がいい文章が書きたい!」としょっちゅう悩んでいます。大学院で文学を専攻して文筆業をしている友人に聞くと、好きな作家さんの文章を「模写」するんだそうです。確かに語感やリズム感を掴むには有効そうですよね。
「わかりやすい文章」

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