緒 真坂 itoguchi masaka

新刊は「通り雨のように/ミッキーの薬屋」他全13冊。NIIKEI文学賞ライトノベル部門…

緒 真坂 itoguchi masaka

新刊は「通り雨のように/ミッキーの薬屋」他全13冊。NIIKEI文学賞ライトノベル部門審査員特別賞。USEN朗読文学大賞奨励賞受賞。ネットでは、amazon、めがね書林。リアルでは、中野ブロードウェイ3F、タコシェ。渋谷ヒカリエ8F、〇〇書店にてめがね書林にて販売。

最近の記事

  • 固定された記事

「通り雨のように/ミッキーの薬屋」あとがき ~私的80年代、90年代~

 私の新刊「通り雨のように/ミッキーの薬屋」がめがね書林より発売されました。  68ページの小さな本です。  これはその本のあとがきです。  また、渋谷ヒカリエ8F、渋谷○○書店にて、7月14日(日)めがね書林が店番をしますので、私も付いていきます。新刊を並べ、そのときご購入いただいた方には、サインをします(12時~午後3時。時間にご注意ください)  ご都合のよろしいかたは、ぜひ、お越しください。  また当日、2冊お買い上げのかたには、プレゼントを用意してお待ちいたします。

    • 新宿で、カプチーノラーメンを食した

      〇月〇日  新宿で、カプチーノラーメンを食した。何だかおしゃれ。美味。 〇月〇日  神保町の古書店で、1969年の「少年サンデー」を買った。「女の子はHか!?」という特集があった。小学生の男女が討論した記事。司会は阿部進さん。ご存じのかたもいるかと思うが、カバゴンというあだ名で親しまれた教育評論家だ。 「人間てのは男と、女しかいないでしょう。だから、好きになることが、たいせつだと思うの」と女の子が発言している。  藤子不二雄「ウメ星デンカ」、水木しげる「河童の三平」、白

      • エラリー・クイーンの悲劇⑥更新しました

         小説サイト「NOVEL DAYS」にて、「ストーカーレポート」第2話エラリー・クイーンの悲劇⑤を更新しました。  よろしければ続きは、小説サイトでご覧ください。  社内は、清潔で明るく、いくつかの部署がパーテーションで仕切られていた。  社員は黙々とパソコンのキーボードを叩いていた。  私は応接室に通された。十分ほど待たされて、太った体形を大いに持て余すようにタクがやってきた。私をチラリと見て、顔の表情が曇った。 「どこかでお会いしましたか?」  タクは首を軽くひねったが

        • エラリー・クイーンの悲劇⑤更新しました

            小説サイト「NOVEL DAYS」にて、「ストーカーレポート」第2話エラリー・クイーンの悲劇⑤を更新しました。  よろしければ続きは、小説サイトでご覧ください。  他館からイッチが依頼した海外小説が届いた。さすがにピークのときは、予約の数だけで、百件を越えていた本だ。  本の表紙や背表紙の痛みがひどい。  私はあちこち点検してみたが、人間を殴ったことによる損壊があるようには思えなかった。もちろん、血痕などもついていない。  もしこの本が凶器だったとしても、指紋の特定から

        • 固定された記事

        「通り雨のように/ミッキーの薬屋」あとがき ~私的80年代、90年代~

          エラリー・クイーンの悲劇④更新しました

           小説サイト「NOVEL DAYS」にて、「ストーカーレポート」第2話エラリー・クイーンの悲劇④を更新しました。  よろしければ続きは、小説サイトでご覧ください。  シノザキが住んでいたのは、新宿にあるアパートだった。新宿だからといって、家賃の高い住宅ばかりを想像してはいけない。  築何十年の老朽化したアパートだってあるのだ。シノザキが住んでいたのは、そういうアパートだった。  私は二階建ての木造モルタル造りのアパートの前に立ち止まり、深呼吸を一つしてから、共有玄関の敷居を

          エラリー・クイーンの悲劇④更新しました

          鳥描きの橘さんが人物の絵を描くのは珍しいのではないだろうか。

          〇月〇日  神保町、シェア型書店、SOLIDAに行って、ウミネコ文庫「ウミネコ童話集二」を購入。すずらん通りにある、PASSAGEにはよく行っていたのだが、SOLIDAはそれほどではない。できたばかりだし。どんなお店が入っているのかな、とさっと流す程度。  きれいな表紙。描いたのは橘鶫さん。  「ウミネコ童話集二」には私の童話が収録されている。「ブラック・ビューティー」というタイトルで、私の挿絵も橘鶫さん。  橘さんが描く作中のママと烏の絵がとても美しい。  鳥描きの橘さん

          鳥描きの橘さんが人物の絵を描くのは珍しいのではないだろうか。

          エラリー・クイーンの悲劇③更新しました

           小説サイト「NOVEL DAYS」にて、「ストーカーレポート」第2話エラリー・クイーンの悲劇③を更新しました。  よろしければ続きは、小説サイトでご覧ください。  知り合ったころ、私は、イッチのいたロックバンドをよく知っている、と話した。FAIR WEATHER。好きなバンドだった、と。 「ずいぶん前のことです。有名になったのは、たまたま運がよかっただけです」  イッチはいった。  インディーズのバンドで、メジャーデビューの話もあったが、結局その前に解散した。 「西新宿に

          エラリー・クイーンの悲劇③更新しました

          エラリー・クイーンの悲劇②更新しました

          小説サイト「NOVEL DAYS」にて、「ストーカーレポート」第2話エラリー・クイーンの悲劇②を更新しました。  よろしければ続きは、小説サイトでご覧ください。  図書館の近くに店は狭いが、おいしいパスタを食べさせる店があった。夫婦二人だけで経営している。  昼食時はいつも混んでいるが、きょうは日曜日で、近隣の会社はほとんどが休みだったため、すんなりとテーブルにつくことができた。こんな日はいいことがあるような気がする。  私は、その店のガーリックがたっぷり入ったパスタが好き

          エラリー・クイーンの悲劇②更新しました

          妻くんエピソード3つ

          〇月〇日    電車の中で、パンダの画像を見つけた。  妻くんはパンダが好きなので、スクショして、その画像をLineで送った。  妻くんから「ぱん」と返信が送られてきた。 「だ」と私は返事を送った。   〇月〇日    妻くんがトレーナーに首を突っ込んで、顔の半分を出していた。 「大人は判ってくれない」と私は言った。 「なに、それ」 「トリュフォーの映画」  妻くんは数秒考えて、言った。 「というより、あなたは判ってくれない」  なんでだよ~。 〇月〇日    朝、出勤前、

          妻くんエピソード3つ

          「ストーカーレポート」第2話 エラリー・クイーン の悲劇①

           小説サイト「NOVEL DAYS」にて、「ストーカーレポート」第2話エラリー・クイーンの悲劇①を更新しました。  よろしければ続きは、小説サイトでご覧ください。  今回の話は、けっこう長くなります。  書き出しは、こんな具合です。  フィッシュマンズの佐藤伸治。テクノのアンドリュー・ウェザオール。R&Bのアリーヤ。いかりや長介。坂本龍一。高橋幸宏。  好きな人が、次つぎと死んでいった。そしてこれからも死んでいくだろう。  死んでしまった人々が、私の脳裏に生々しくよみがえ

          「ストーカーレポート」第2話 エラリー・クイーン の悲劇①

          ストーカーレポート

           新作を書き始めました。  「ストーカーレポート」というタイトルで、いくつか書いていこうと思います。  ネットの小説サイトには表紙やアイコンが必要らしいので、ラノベっぽい表紙にしました。  中身はいつもの私の小説です。  昔、文学フリマで、コピーの手作り本を作って売っていましたが、その小説のリライトです。それが第1話で、同じ語り手を使った小説を続けて書いていこうと考えています。  小説サイトは「NOVEL DAYSです。  よろしければ続きは、小説サイトでご覧ください。  

          ストーカーレポート

          紀伊國屋書店新宿本店で、ノーベル文学賞発表の瞬間を、書店員といっしょに立ち会ってみませんかという企画があったので、予約して、足を運んだ

          〇月〇日  紀伊國屋書店新宿本店で、ノーベル文学賞発表の瞬間を、書店員といっしょに立ち会ってみませんかという企画があったので、予約して、足を運んだ。予想以上にお祭り騒ぎで、椅子に腰かけていると、次々とマスメディアにカメラを向けられ、インタビューを申し込まれる。  誰が獲ると思いますか? その作家の魅力は何ですか?  そんな質問のようだ。私はとても語れないので、すべてごめんなさいをした。  それにしても、マスメディアにインタビューされているお客さんの口調を聞いていると、みなさ

          紀伊國屋書店新宿本店で、ノーベル文学賞発表の瞬間を、書店員といっしょに立ち会ってみませんかという企画があったので、予約して、足を運んだ

          ブックオフで、ひさびさに書棚の本のバーコードをスマホで読んでいる男を見た

          〇月〇日  ブックオフで、ひさびさに書棚の本のバーコードをスマホで読んでいる男(セドラー)を見た。 〇月〇日  冷たい雨が降り続けている日、空気は結構、ひんやりしているのに、タンクトップで、悠々と電車に乗っている男(若者?)を見た。 〇月〇日  テイラー・スウィフトのコンサートに行ったというと、不思議な顔をされる。私には似合わないと。  そうかな。そんなことはないと思うのだけれど。テイラーのCDはすべて(同じアルバムの曲を新録音したテイラーズ・ヴァージョンのCDまで

          ブックオフで、ひさびさに書棚の本のバーコードをスマホで読んでいる男を見た

          生きるとは本を買うことだ

           〇月〇日    生きるとは本を買うことだ。  〇月〇日  たまに本が崩れるのこともある。だが、それでも本を買うのだ。

          生きるとは本を買うことだ

          ママと娘のお店ごっこ

          〇月〇日    それなりに広い公園で、ママと娘がお店ごっこをしていた。私と妻くんは、かき氷を食べながら、ベンチに座ってぼんやりと眺めていた。 ママ(客)「これください」 娘(店員)「ありがとうございます」 ママ「ペイペイは使えますか?」 娘「はい。使えます。QRコードをかざして、読み込んでください」 ママ「はい。これでいいですか」  スマホを出して、画面を見せる。 娘「はい、読み込みました」  時代は変わったのだと私は思う。 〇月〇日   昭和のにおいがする落書きを発

          ママと娘のお店ごっこ

          さユりのCDをずっと聴いている。それしかできないから

          9月27日  ショックを受けている。さユりのCDをずっと聴いている。それしかできないから。  「ミカヅキ」「平行線」「フラレガイガール」「それ「は小さな光のような」「来世で会おう」 「birthday song」「オッドアイ」「花の塔」…。

          さユりのCDをずっと聴いている。それしかできないから