Daisuke Inoue

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Daisuke Inoue

ソフトバンク株式会社のメディア統括部長。←ヤフー←アウディ←ユニリーバ←ニュージーランド航空。著書に「デジタルマーケティングの実務ガイド」「たとえる力で人生は変わる」など。NewsPicksアカデミアプロフェッサー。新刊「マーケターのように生きろ」が全国書店とネットで好評発売中。

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「やりたい事」はあなたを幸せにしない

もう15年くらい前になるか。 自衛隊のパイロットを夢見て何年もただそれだけを追いかけていた年下の親友が、山口の宇部空港で行われる最終試験まで行って落ちた。携帯のメッセージで不合格の連絡をもらってから、2ヶ月くらい音信不通になっていたのだが、ある日突然連絡が来て会うと、彼は意外とケロッとしていた。 お互い試験のことには触れず、今何をやっていて次に何をやる予定か、そんな事を話しながらいつものように街をぶらぶらし、やがて海の見える公園にたどり着いた。普段あんまりそんな事はしない

    • 「攻撃的」でも「受け身」でもない「アサーティブ」なコミュニケーションとは?

      丁寧な言葉遣いでも攻撃の意図があれば攻撃的金曜日の22時。会食を終えて新橋駅で電車を待っていると、ホームに駅員さんの怒号? が鳴り響きました。「はー・なー・れー・てー・く・だ・さ・い。発車できませーん」。言葉遣いは丁寧ですが、その口調には誰が聞いてもわかる強い苛立ちが感じられます。駅員さん、その気持ちよくわかります。一人の酔客の不注意が、大勢に迷惑をかけるだけでなく、その人自身を危険に晒すことになるのですよね。私自身も酔客の一人として身につまされました。 一方で、聞いている

      • 「自分で手を動かさず部下に任せろ」という指示がダメな理由

        中間管理職が育つとチームの生産性は爆増する何人かの管理職(マネージャー)を統括する立場のマネージャーを、グループ・マネージャーと言ったりします。課長を統括する部長だったり、さらにその部長を統括する本部長だったりですね。マネージャーの役割は会社から与えられたチームのアウトプットを最大化することですが、グループマネージャーには、そのミッションを達成するためにとりわけ大切な、普通のマネージャーにはできない仕事があります。それはマネージャーを育てることです。 長年グループマネージャ

        • 毎朝「ベットから飛び起きる理由」はあるか?

          ikigaiとは毎朝ベットから飛び起きる理由年末年始のお休みは楽しいものですが、年明けの仕事はじめは憂鬱なものです。今からそんなこと思い出させるなって? そうですよね、すみません。でももし、皆さんの仕事が、「毎朝ベットから飛び起きる理由」になるとしたら。仕事はじめも、きっと「もういくつ寝ると」と指折り数えるイベントになることでしょう。 仕事が「毎朝ベットから飛び起きる理由」だって? そんなことは、仕事への従業員の熱意を示す「エンゲージメント」がイタリアと並んで世界最低レベル

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          「リーダー」と「マネージャー」を混同してはならない

          マネージャーとリーダーは別物外資系の航空会社に勤めていたとき、営業・マーケ系の日本人管理職が3人選ばれて、「リーダーシップ・トレーニング」なるものを受けることになりました。本社が選んだ研修会社から講師が日本にやってきて、そこから何日間か、我々は日比谷の帝国ホテルの会議室に文字通り缶詰になります。 講師はオーストラリア出身の女性で、「結局のところ(At the end of the day)」というのが口癖でした。名前は忘れてしまったので仮に「ジエンド先生」としましょう。ジエ

          「リーダー」と「マネージャー」を混同してはならない

          「お願い」の技法|The Art of RFP

          何となく名言じみたフレーズが浮かんだので引用のテイで書いてみました。冗談はさておき、実際にそうなのです。会社勤めで仕事をしていると、仕事はつまるところ「お願いされる」と「お願いする」に行き着くことになります。私がいま生業としている「新規事業の提案」なんかは、一見すると「お願いされている」感じはしないですが、実際には会社から「新規事業を考えて」とお願いされているわけです。 にも関わらず、社会では、「お願いのしかた」「お願いのされかた」を教わることは滅多にありません。そういう研

          「お願い」の技法|The Art of RFP

          ただフォースを信じて突き進んだほうがいいときもある

          May the Force be with you先日、提携先企業との会食があり、先方の社長に乾杯の挨拶をお願いしたところ、スター・ウォーズの例え使った素晴らしいスピーチを披露してくれました。その人の十八番らしいので、どんな内容だったのかはここでは伏せておきましょう。それを聞いてふと思い出したのは、若い頃に働いていた会社の、偉大なリーダーの口癖です。「フォースと共にあらんことを」。 スター・ウォーズを見たことがある人なら誰もが知っていると思いますが、この台詞は難しいミッショ

          ただフォースを信じて突き進んだほうがいいときもある

          感情的に話すのではなく、感情について話す

          ビジネスコミュニケーションで「説得」は悪手いきなり質問ですが、皆さんは説得されたいでしょうか? 家電を買うとき、または企画の提案を受けるとき、店員さんや営業の人に「説得されたい」と思う人はいるでしょうか? 自分の中で答えが大方決まっていて、あとは誰かにその決断を後押しして欲しい、ということはあるかもしれません。ただそれは、「説得されたい」というのとは少し違います。 日常でもビジネスでも、誰かに説得されたい、と思う人はいないのです。にも関わらず、例えば上司に企画の提案をすると

          感情的に話すのではなく、感情について話す

          自責で考えるとむしろ楽になる

          あらゆる問題は自分が引き起こしている、と「試しに」考えてみる「さっきから部下の課題ばかり議論しているけど、一度自分たちの課題も議論してみたらどうかな?」。メンターからかけてもらったこの短い言葉は、リーダーシップの本を何十冊読むより学びになり、その後ビジネスのいろいろな局面で私を救ってくれました。まさに私の人生を変えてくれた一言です。 その時私たちは、新設組織の運営についてアドバイスをもらうため、幹部数名でそのメンターのオフィスを訪れていました。メンターの名前を仮にAさんとし

          自責で考えるとむしろ楽になる

          恐怖のドライブ体験

          サーキットをフルスピードで走行するレーシングカーに乗ったことはあるだろうか? オレはある。もっとも、レーサーとしてではなく、同乗者としてだ。当時勤めていたドイツの自動車会社では、現地のテストサーキットでレース走行を体験できる研修プログラムがあり、入社間もなかったオレが日本からの参加者として選ばれた。サーキットはノイブルク(新しい町)という南ドイツの田舎町にあった。町自体は実際新しくも何ともない典型的な地方都市なのだが、完成後間もなかったサーキットは田園地帯のど真ん中にあって異

          恐怖のドライブ体験

          アイデアは「ひらめき」ではない

          アイデア=「頭の中にある理想の姿」ドイツの自動車メーカーで広告の担当をしていたとき、一緒に仕事をする外部のパートナーはアメリカの広告代理店でした。国際色豊かなメンバーが英語でやりとりをするわけですが、たまに話が噛み合わないことがあります。言葉が解らないから、ではありません。解らない言葉は聞いたり調べたりすれば良いわけですし、そのようなビジネスの現場では、みんな誤解を避けて難しい物言いはしないものです。 問題は、誰もが知っている言葉を、それぞれが違う意味でとらえている場合です

          アイデアは「ひらめき」ではない

          もう「バズ」はいいんじゃないでしょうか

          結局のところ、バズは何も生まない「無限の彼方へさあ行くぞ!」。いや、そっちじゃなくて。「バズる」のバズです。いや、私だって「バズりたい」という色気がないわけではないです。このnoteだって、バズってくれればそれに越したことはありません。ツイッターやnoteのアイコンを叩いて、「うわ、ありえねー!」とのけぞるほどの通知を見るのは、何というか快感です。承認欲求が満たされます。 ただ、それだけなんです。いっときの快感を覚え、承認欲求が満たされる。ただそれだけ。これまで何度か、ツイ

          もう「バズ」はいいんじゃないでしょうか

          キャリア自律は大事だけど、他律はゼロにしなくてもいい

          「配属ガチャ」は、3〜5年の短いスパンで見れば確かに「ガチャ」 この時期、新入社員研修を終えて配属が決まり、連休明けからいよいよ社会人として本格始動、という方も多いのではないでしょうか。配属は希望通りだったでしょうか? 企画職を希望していたのに営業職の配属だったり、本社でのデスクワークを希望していたのに地方の工場に配属されたり。どんな会社でも全員の希望を叶えることは現実的に不可能なので、不本意な配属に打ちひしがれる新入社員というのは、毎年連休を挟んだこの時期の気の毒な風物詩

          キャリア自律は大事だけど、他律はゼロにしなくてもいい

          「緊張」の本質はダメのレッテルを貼られる恐怖

          実力とは技術とメンタルのかけあわせWBCやワールドカップなどの国際大会は、普段スポーツを見ない人をも熱狂の渦に巻き込みます。世界中の人が注目するスポーツイベントは、普段にも増してドラマチックなのでそれも当然です。私はスポーツ観戦が生活の一部なのですが、国際大会はやはり感動もひとしおです。それは選手たちの「二つの戦い」を目撃できるからです。 一つは選手同士の技と技のぶつかり合い。そしてもう一つは、選手の内面で繰り広げられる、自分自身とプレッシャーとの戦いです。練習で技術が発揮

          「緊張」の本質はダメのレッテルを貼られる恐怖

          キャリアには「計画」などいらない。「コンパス」があればいい

          キャリアは「計画された偶然」5年前に時間を巻き戻してみてください。今これを書いているのは2023年の2月なので、ここでは2018年の2月を5年前としてみます。そのときの、向こう5年間の人生計画はどのようなものだったでしょうか? 私は計画と言えるほどのものは持ち合わせていなかったのですが、いくつかちょっとした夢がありました。そのうち1つは8割方実現したように思われます。1つはまた途上で実現していません。1つはもう夢ではなくなりました。今思えば、なんでそんな事が夢だったのだろう?

          キャリアには「計画」などいらない。「コンパス」があればいい

          キャリア自律は積極的な人だけのものではない

          キャリア自律は今や企業が求めるものでもあるキャリアは会社に決めてもらうものではなく、自分で自ら切り開くものである。このような考え方には以外と歴史があり、1970年代の初頭から提唱されはじめました。心理学者のダグラス・ホールは「プロティアン・キャリア」を提唱し、会社に依存せず、自ら変化し続けるキャリアのあり方を理想として説きました。 1990年代後半になると、「バウンダリーレス・キャリア」という考え方が、キャリア論を専門とするアーサーと、組織行動論の研究者であるルソーによって

          キャリア自律は積極的な人だけのものではない