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諸悪と悲劇の根源=「奪う文化」と「負の連鎖」に立ち向かう

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人が奪う理由は、飢餓や喪失感に根差す本能のため。そして奪われた者は、恨みの矛先を奪った者、または他者に向ける。その繰り返しが、恩(pay)ではなく苦(pain)を送る(forwa… もっと読む
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2020年9月の記事一覧

自分も愛せない人が、他人を愛せるわけがない。

自分も愛せない人が、他人を愛せるわけがない。

「自分が社会から求められていない」から、
「愛がなくてもいいと思って婚活している」
と言った劇団員の女性に、冒頭の言葉を言い放った
美輪明宏さん
(先日の『愛のモヤモヤ相談室』)。

プラスとマイナスで自己採点したうえで、
「ああ、立派、立派」と自分を褒めてあげて
「自分を愛せるようになって、それから他人ですよ」と。
別に悪いところに目をつぶって溺愛しろ、ということではない。
いいも悪いも認めたう

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正義を振りかざす「極端な人」が社会を支配している

正義を振りかざす「極端な人」が社会を支配している

9月17日に、『ネット炎上の研究』(勁草書房)の共著者でお馴染みの山口真一先生の新刊『正義を振りかざす「極端な人」の正体』(光文社新書)が刊行されます。コロナ禍で特に顕著となった「SNSでの誹謗中傷」「不謹慎狩り」「自粛警察」といった主にネット上での負の現象を分析し、その解決策を提示した内容です。本記事では刊行に先立ち、「はじめに」の全文を公開します。

はじめに不寛容化する社会 あなたは、このよ

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何気ない人種差別#1|「STFU!」に見るマイクロアグレッション

何気ない人種差別#1|「STFU!」に見るマイクロアグレッション

 マイクロアグレッションとは何であるかということを知ってもらうために、まずはRINA SAWAYAMA「STFU!」のMVの冒頭部分を見てほしい。(⚠️1:36あたりから急に音が大きくなるので注意)

日本語字幕がないので、以下に冒頭のシーンの和訳を載せる。所々間違っているかもしれないがご容赦頂きたい。(和訳がいらない人は読み飛ばしてもらって構いません。)

※細かい補足(※1ワガママ は、199

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文化は、誰のもの?#2 │ 文化盗用(cultural appropriation)について

文化は、誰のもの?#2 │ 文化盗用(cultural appropriation)について

 前記事では、日本における文化盗用とファッションについて触れてきた。

 今回の記事では黒人音楽における文化盗用、そして実際的に文化盗用を防ぐための手立てについて考えていきたい。

もう一度、文化盗用についておさらいしておく。

文化の盗用(ぶんかのとうよう 英: Cultural appropriation)とは、ある文化圏の要素を他の文化圏の者が流用する行為である。 少数民族など社会的少数者の

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文化は、誰のもの?#1|文化盗用(cultural appropriation)について

文化は、誰のもの?#1|文化盗用(cultural appropriation)について

 文化盗用、という言葉を聞いたことがあるだろうか。英語ではcultural appropriation、直訳すると文化流用である。ある人種の民族や文化を他の文化圏のものが用いる行為のことを文化盗用といい、流用の対象となるものには宗教および文化の伝統、ファッション、シンボル、言語、音楽が含まれる。特にアメリカのような多民族国家においては、このような問題への関心はとても高く、しばしば非難が巻き起こる。

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女性の就業率があがると出生率があがるなんて嘘はもういい加減やめてほしい

女性の就業率があがると出生率があがるなんて嘘はもういい加減やめてほしい

女性活躍と少子化対策は表裏一体だ。ともに実現させるためにはもっと横断的で一貫した施策が要る。より構造的な問題にまで踏み込んでこそ解決の道筋が見える。

なんか、それこそまるで政治家の答弁みたいで、何か言っているようで実は何も言っていないのではないか?

ここで言う女性活躍的なものと少子化対策とは果たして本当に両立できることなのだろうか?

よく言われるのが、女性の就業率の向上と出生率とは正の相関が

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クソゲーよりも神ゲーという言葉溢れる時代になってほしい

クソゲーよりも神ゲーという言葉溢れる時代になってほしい

たった今、このブログを読んだ。

僕が最近思っていたことをそのまま書いてあったこともあり、久しぶりにこっちで筆を取ってみたいと思った。簡単に言えば、共感しまくったので僕も朝っぱらからもう一度キーボードを叩いているわけだ。

最近、YouTubeでクソゲーとサムネイルにデカデカと書いてる動画が増えた。

どこの馬の骨かも分からない方が企業努力の結晶であるゲームをぶった切るのだからどんなものかと一度覗

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『暴走する能力主義ー教育と現代社会の病理』

『暴走する能力主義ー教育と現代社会の病理』

 今回紹介するのは

『暴走する能力主義ー教育と現代社会の病理』(ちくま新書)

です。著者は東京大学大学院教育学研究科の教授である,中村高康先生です。

 能力主義とは,"meritocracy" の訳語です。"-cracy" とは,「…主義」や「…支配」という意味です。例を挙げれば,

 aristocracy 貴族政治
 democracy 民主主義
 autocracy 独裁政治
 th

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「お金のいらない国」を実現するために必要なこと

「お金のいらない国」を実現するために必要なこと

以前、長島龍人さんの小説「お金のいらない国」を読んだことがあります。

小説の主人公は、ある日突然「お金のいらない国」に迷い込みます。そこでは、レストランで注文して料理を食べるのもタダですし、家に住むのもタダです。何をするのも全てがタダなのです。

その国に住んでいる人みんなが、自分にできること、自分が得意なことでもってお役に立つことで、あらゆるモノやサービスが生み出され、社会の中で循環しています

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成功者はなぜ相手の成功を祝福するのか?

成功者はなぜ相手の成功を祝福するのか?

他人の成功を祝福することは成功者の思考として考えられている。しかし、簡単なようでかなり難しい。人には妬みという感情があるからである。

あなたが営業部に所属する営業マンだと仮定しよう。あなたと、同僚のA君は営業成績で1位、2位を争っている。そのようなときに、A君が大型受注を果たした。あなたはA君の受注を喜ぶことができるだろうか。

もしくは、営業成績でビリを争っていたとする。ビリになったら降格・減

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酒は悪くない、寺もいい迷惑だ。

酒は悪くない、寺もいい迷惑だ。

ぼくは飲酒運転については殺人未遂と同等だと感じている。
それは、車という「安全」に関わるものを飲酒して操作することは、故意に包丁を振りまわす事と同義だと感じているからだ。

今日、こんなニュースを目にした。

有名人だろうが…そうでなかろうが・・・酔っぱらって運転する、という行為がどうにも信じられないのだ。

▼飲まなきゃいけない?!実際ぼくが仕事をしている上でも、「飲む」機会はたくさんある。

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【色々と考えさせられた誰かの発言】「産後うつは甘えです」怒鳴りつけて躾けましょう。

【色々と考えさせられた誰かの発言】「産後うつは甘えです」怒鳴りつけて躾けましょう。

もし奥様が「産後うつ」を言い訳にして
家事や育児を怠ったら怒鳴りつけて躾けましょう。
私は産後3ヶ月で衆議院議員選挙を全力で駆け抜けました。
「産後うつ」は「甘え」です。

【2020.9.18追記】
当記事へコメントを書き込んで頂いた後、
すぐにコメントを削除された方がいました。

その方のコメントには、タイトルだけを見た時
「タイトルに対し嫌悪感と怒りを感じた」とありました。
その後、「でも全

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「フェミニズム活動家男性が性犯罪する病理」から、フェミニズムと日本社会の相性の悪さの根本原因と、苦境を打破する最大の味方はどこにいるのか?という話について

「フェミニズム活動家男性が性犯罪する病理」から、フェミニズムと日本社会の相性の悪さの根本原因と、苦境を打破する最大の味方はどこにいるのか?という話について

(トップ画像は、この記事で紹介する弁護士の太田啓子さんの著書より)

1●フェミニズムに過剰に帰依する男性は”女性の味方”ではないのかも?先週、ヒステリック・ブルーという昔かなり売れて紅白にも出たバンドの元メンバーさんが性犯罪で捕まったというニュースが流れていました。

なぜコレがネットで注目されるかというと、この人は以前も性犯罪で懲役12年の実刑を受けて服役していたあと、ネットでかなりアクティブ

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SDGsを阻む「大きさ」の呪縛

SDGsを阻む「大きさ」の呪縛

お疲れさまです。uni'que若宮です。

自身もITベンチャーを経営しており、また大企業のアドバイザーをお願いされることも多いので、「これからの企業のあり方」ということをよく考えるのですが、「大きさ」を手放す、という価値観のアップデートが鍵になる気がますますしています。

「大きさ」が呪縛になっているSDGsという言葉を耳にしたことがある方も多いでしょう。よくご存じない方に簡単にご説明すると、

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