北村花

京都市立芸大卒。主に映画や本や音楽といった文化の表象と社会問題とを絡めて解説記事を書い…

北村花

京都市立芸大卒。主に映画や本や音楽といった文化の表象と社会問題とを絡めて解説記事を書いています。英語の勉強を兼ねて歌詞和訳をしたり、日頃の思考について綴ったりもしています。本職はジュエリー制作。Instagram/twitter ID→@hanakitamura_

マガジン

  • 物語化する/される私たち(全4回)

    千野帽子著『人はなぜ物語を求めるのか』をもとに、音楽、書籍の解説を交えたレビューを更新予定。 第一回目の記事では、人が持つストーリーという認知形式と、メディアで作り上げられる物語、そして新型コロナウィルスの陰謀論と差別を生み出す私たちの認知の歪み(公正世界説の誤謬)について。 第二回目の記事では、最果タヒ『十代に共感する奴はみんな嘘つき』、かつて不登校の人のインタビューなどを取り上げつつ、私たちが「過去」そして「未来」をストーリー化する習性について。 第三回目は、星野源『恋』の歌詞や、フランクル『夜と霧』などを取り上げつつ、人生をストーリー化する目線から生活に根ざした価値観へ転換していくための考え方について。 第四回目の記事では、カミュ『異邦人』や村田沙耶香『コンビニ人間』を取り上げながら、異端者から見た世界のまなざし、そして著作に描かれたストーリーからの脱却について書いていく。

  • 音楽

    主に洋楽の和訳やレビューをします。

  • 映画評

    映画、ドラマなどについて自論を交えつつレビューします。

  • 思想

    自分の考えていることについて。

  • 社会問題

    社会問題について自身の考えを書いています

最近の記事

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【目次】オススメ記事まとめ

 プロフィールの閲覧ありがとうございます。今まで書いた記事のまとめです。是非気になる所からお気軽に読んでいってください。 【1】社会問題系 最近起きた社会問題について、自分の考えを交えてできるだけわかりやすく解説しています。 ▼「新今宮ワンダーランド」の問題について 「新今宮のホームレスとデートする」という記事の問題点について書いています。続きの記事の「新今宮ワンダーランド」を巡る当事者性と第三者性ではより客観的な情報を主軸に、前回の記事の追記をしています。 ▼人種差別

    • 2022 年間ベストアルバム10選

      今回は、2022年にリリースされたアルバムの中で、特にこの一年よく聞いたなぁ、良かったなぁと思うものを10作品ピックアップし、紹介していきたいと思います。 前編では5作品を紹介します。 1.Mitski「Laurel hell」1つ目は3年半ぶりにリリースされたMitskiの待望の新アルバム「Laurel hell」。彼女はアメリカ人の父と日本人の母を持つ、NYを拠点に活動するシンガーソングライターで、こちらの記事↓でも過去の曲について詳しく紹介しています。 前アルバム

      • 【お知らせ】小説、できました

        京都市立芸大の芸大祭で販売していた短編集の受注生産の受付を開始しました。 11月15日までのご注文で、11月末頃にお届けいたします。 詳細 ▽価格:700円 郵送の場合は700円+送料になります。 ▽内容:142ページ 文庫本(A6)サイズ オリジナルブックカバー・栞付き ▽収録作品: 序/赤い縁の月/歩き方を忘れませんように/ピンクキャンディー/パープルレイン/異邦人 ▽変更点について 第一刷の誤字を修正したのち製本いたします。ページ数がやや変動する可能性がありま

        • 【MC全訳】Lady Gaga The Chromatica Ball Tokyo 9/4

          9/4に行われたLady GagaのChromatica ballのMCがとても心に響いたため、MC部分の動画を元に英語の書き起こしと和訳を行いました。 ところどころ聞き取れていなかったりニュアンスが違っている部分もあるかと思いますが、雰囲気だけでも感じ取ってもらえたらと思います。 最後にセットリストを載せています。番号は曲順です。 12. Born this way ありがとう東京! 愛してます、本当に。 今夜は会場の皆の愛が溢れているのを感じます。 心から愛してい

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        【目次】オススメ記事まとめ

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          note更新しました🍀 世界で活躍する日本人/日系アーティスト 3選(Mitski,Joji,Rina Sawayama)|北村花 @hanakitamura_ #note #思い出の曲 https://note.com/moontone/n/n0d3d6ee3f44e

          note更新しました🍀 世界で活躍する日本人/日系アーティスト 3選(Mitski,Joji,Rina Sawayama)|北村花 @hanakitamura_ #note #思い出の曲 https://note.com/moontone/n/n0d3d6ee3f44e

          世界で活躍する日本人/日系アーティスト 3選(Mitski,Joji,Rina Sawayama)

           今回は、日本にルーツを持ちながら、今世界で大活躍しているアーティストであるMitski、Joji、RINA Sawayamaについて紹介していきます。RINAはサマソニやスッキリ!に出演するなど徐々に知られ始めていますが、mitskiやjojiは世界的人気と比べると日本では知名度がまだまだなように思えるので、是非もっと日本のメディアで取り上げて広まってほしい。  幼少期から海外に移住し活躍している方など境遇も様々で、単純に「日本人アーティスト」と括ってしまうのもよくないか

          世界で活躍する日本人/日系アーティスト 3選(Mitski,Joji,Rina Sawayama)

          フェミニズムと音楽 #3│創作者としての苦悩と喜び │Florence+The Machine「King」&「Free」

           今回はフェミニズムと音楽第三回目として、Florence +The Machineのアルバム『Dance Fever』から 、女性として生きることの葛藤と創作者の苦悩を歌った「King」、自己表現を通じて不安を乗り越えることを歌った「Free」を紹介していきたい。 Florence + The Machine「King」 Florence +The Machine は、女性ボーカリストのFlorence Welchを中心としたイギリス出身のバンドとして知られる。ソウルフル

          フェミニズムと音楽 #3│創作者としての苦悩と喜び │Florence+The Machine「King」&「Free」

          2021年を振り返る

          先ほどダッシュボードで確認してみたところ、一年間の総計では、75,449ビュー 750いいね、書いた記事は15本ということでした。フォロワーさんはちょうど100人になってとても嬉しいです。 せっかく年末なので、自分が個人的に何をしてきたかを振り返りながらnoteの記事を紹介していこうと思います。半分備忘録のゆるいエッセイなので、この記事書いてる人は普段こんなことしてるんやな〜と流しながら読んでくれると、あわよくばリンク先の記事も読んでくれると嬉しいです。 1月~3月

          2021年を振り返る

          【映画評】ドライブ・マイ・カーが描くコミュニケーションの断絶

           京都の出町座で映画『ドライブ・マイ・カー』を見たのだけれど、余韻からなかなか抜けられないので、記憶が鮮明なうちに感想を記しておきたいと思う。 村上春樹の原作について  原作の『女のいない男たち』に収録されている『ドライブ・マイ・カー』は1~2年前に読んで、「確か男の人が車を運転できなくなって、不本意ながら女性のドライバーを雇う」みたいな話だったな、というあいまいな記憶のまま足を運んだ。  元々村上春樹氏の作品は好き嫌いが激しくて、それでも『1Q84』などの有名どころは

          【映画評】ドライブ・マイ・カーが描くコミュニケーションの断絶

          日常の絶え間ない忘却へのささやかな抵抗

           普段は開けない戸棚の奥底には、中学生の頃に書いた読書感想文の原稿がしまわれていた。色褪せた応募票の題名の欄には、『記憶には残らないもの』と書かれている。上記の文章はその冒頭の部分である。  幼い頃、記憶を失うこと、忘れてしまうことへの恐怖心が強かった。幸福な記憶は長くは続かず、つらい記憶は歪められて変質し、生々しい感情は時間というヴェールに包まれて薄く淡くなっていき、やがて消えていく。そのことが何よりも、死ぬことと同じくらいに怖かったのだ。  感想文は、以前自分が交通事故に

          日常の絶え間ない忘却へのささやかな抵抗

          存在の脆さと偶然の頼りなさの狭間で|物語化する/される私たち #3

          人はなぜ、人生を物語化し、意味を与えようとするのだろうか。生の意味とは、どこにあるのだろうか。 今回は、人生の無意味さから出発し、 星野源氏の歌詞にもみられる「生活」を主軸にした生の捉え方、そして、偶然の頼りなさについて、クンデラの『存在の耐えられない軽さ』や永井均氏の著作を援用しつつ、書いていきたい。 なお、この記事は「人はなぜ物語を求めるのか」を元にしたマガジンの三作目となります。 ストーリー化される人生  ひとは過去の自分の行いや選択をふりかえり、無理にでも意味を

          存在の脆さと偶然の頼りなさの狭間で|物語化する/される私たち #3

          資本主義と音楽|ポップミュージックが描く現代社会の光と闇

          今回は、資本主義と音楽というテーマで、現代の資本主義を鋭く風刺したRina Sawayama「XS」と、現代の全体主義的社会を皮肉ったKaty perry「Chained to the rhythm」について、書いていこうと思う。 前回、前々回のnoteではフェミニズムと音楽というテーマで和訳しつつ歌詞解説していく形で紹介していたが、今回は資本主義と音楽、というテーマを軸に書いていきたいと思う。 血縁を超えた愛情関係を肯定したRina Sawayama「Chosen Fa

          資本主義と音楽|ポップミュージックが描く現代社会の光と闇

          新今宮ワンダーランドの件、昨日の朝日新聞の夕刊で取り上げていたようです。ご興味のある方はぜひ。

          新今宮ワンダーランドの件、昨日の朝日新聞の夕刊で取り上げていたようです。ご興味のある方はぜひ。

          フェミニズムと音楽 #2|ポップミュージックに込められた思想

          昨年公開した「フェミニズムと音楽」シリーズ第二弾。今回は、2020年以降にリリースされたDua Lipa「Boys will be boys」とMarina「Man's world」の歌詞を詳しく解説しながら、ポップミュージックに込められたフェミニズムの思想について書いていきたい。 (前回書いた記事はこちら。ありがたいことに20,000viewを超えました...!) Dua Lipa「Boys Will Be Boys」(2021) 2021年にグラミー賞を受賞し、勢いにの

          フェミニズムと音楽 #2|ポップミュージックに込められた思想

          以前の『「新今宮のホームレスとデートする」記事は何が問題なのか』のnoteが、The HEADLINEの記事で取り上げられてました、新今宮の歴史まで深堀され、問題の本質が詳細に書かれた記事なので無料部分だけでもぜひご一読ください。 ↓ https://www.theheadline.jp/articles/439

          以前の『「新今宮のホームレスとデートする」記事は何が問題なのか』のnoteが、The HEADLINEの記事で取り上げられてました、新今宮の歴史まで深堀され、問題の本質が詳細に書かれた記事なので無料部分だけでもぜひご一読ください。 ↓ https://www.theheadline.jp/articles/439

          「新今宮ワンダーランド」を巡る当事者性と第三者性

          前回公開した『「新今宮のホームレスとデートする」記事は何が問題なのか」』というnoteを多くの方に読んで頂き、その後自分で釜ヶ崎のことについて色々と調べてみた。今回は「新今宮ワンダーランド」について、当事者の目線に重点をおいて、前回の記事に追記と言う形で書いていきたい。 (なお、例の記事が公開された後、ライターの島田彩氏が謝罪文を書かれており、今も文章をあげる調整を行っているとのことだが、委託した業者や行政が表に出て謝罪せず、エッセイの依頼者のみが槍玉に上がっている現状は、

          「新今宮ワンダーランド」を巡る当事者性と第三者性