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諸悪と悲劇の根源=「奪う文化」と「負の連鎖」に立ち向かう

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人が奪う理由は、飢餓や喪失感に根差す本能のため。そして奪われた者は、恨みの矛先を奪った者、または他者に向ける。その繰り返しが、恩(pay)ではなく苦(pain)を送る(forwa…
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記事一覧

インボイス制度と声優業界の問題

インボイス制度と声優業界の問題

◉有名声優がインボイス制度の問題点を涙の訴え……なんですが、自分のTwitterのタイムラインでは、批判的な意見や冷静なツッコミが多々流れてきました。今まで見逃されていた納税の義務が、課せられるようになっただけですから、当然といえば当然です。また、その訴える内容が、普通の個人事業主などから見たら、首を傾げる内容でしたから。何よりも、戦うべき相手は本当に政府なのか? もっと別の、根源的な問題に映画・

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農水省元事務次官の思い出

(農水省元事務次官の事件は、母親だけの問題ではないのではという指摘に対し)

ええ、あのケースは父親も大きな影響を与えていると思います。私が国家一種で採用されて、新人研修を受けた時、当時の事務次官として講演したのがあの父親でした。講演内容は「陳情をなるべく聞くといいですよ」というもの。そこで私は質問しました。

「阪神大震災では、神戸市東灘区だけで170箇所もの避難所があり、中にはボランティアが一

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優生保護法裁判最高裁判決の歴史的瞬間

優生保護法裁判最高裁判決の歴史的瞬間

私は7月3日東京に出張していました。そこで優生保護法裁判の最高裁判決の歴史的瞬間を見ました。
傍聴券を求めて並んだのですが、抽選に当たったのは集まった900人中40数人。私は抽選には漏れ、最高裁前で待機していました。
原告弁護団の旗出しは「勝訴」「旧優生保護法は違憲」「優生思想を打ち破る」「司法府、その役割を果たす」「障がい者の声が届いた」「全ての被害者の救済を」「今までありがとうございました」。

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ひまそらあかねが追及してきた「公金チューチュー」は、何がどう問題なのか? 

ひまそらあかねが追及してきた「公金チューチュー」は、何がどう問題なのか? 

ひまそらあかね氏が、東京都知事選に立候補した。

ひまそらあかね氏は、ここ2年弱ほど「公金チューチュー問題」を、追及してきた。

住民監査請求を通し、国賠訴訟を起こし(しかも個人で!)、その他公金チューチューにかかわるであろう、NPO法人や一般社団法人周辺の疑惑を多く掘り起こしてきた。

だが、マスコミは全くと言っていいほど取り上げない。

こうなると、ひまそらあかねを、知ってもらうのがまず難儀で

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「当事者B」は免罪符とヒエラルキーを作る-当事者Bと被害者文化-

「当事者B」は免罪符とヒエラルキーを作る-当事者Bと被害者文化-


二つの当事者ちょっと前から「混ぜるな危険!二つの当事者」とか「気を付けよう!甘い言葉と当事者B」とかいうことを私は主張している。

昨今の言論世界には「コト」を中心とした「旧来の当事者」(これを当事者Aと呼んでおく)と、己の感じ方や認識をもとにした「新参の当事者」(これを当事者Bと呼ぶ)が混在していて、後者が各種支援等の文脈で目立つようになってきている。

この流れについては別記事を仕立てている

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法律を守ることもできない議員たちに、外交や内政の難題を解決することができるのだろうか? ~ 一言切り抜きfrom日経#297

法律を守ることもできない議員たちに、外交や内政の難題を解決することができるのだろうか? ~ 一言切り抜きfrom日経#297

日経に書いてあった、国民として共感するしかない一言を、こういう形でリツイートしておきたいと思います。

2024年5月23日日経朝刊の「大機小機」のコーナーより一言切り抜き。

ついでに言うと、選挙カーで名前を連呼して、その迷惑を想像できない政治家に、社会の様々な課題に想いをはせる想像力があるのだろうか?とも言っておきたい。ちょうどこの頃、選挙の数日前だったから。

全文はこちら。

雇われ経営者が常連客に牙を剥くのは、自社の大切な年輪を剥ぎ取るようなものだ。

雇われ経営者が常連客に牙を剥くのは、自社の大切な年輪を剥ぎ取るようなものだ。

 歴史と伝統を誇るホテルにおいて、常連客の存在は、そのホテルの年輪そのものである。よって、長年にわたり足繁く通ってきた常連客の層の厚さは、金銭に代え難いものであり、そのホテルの質の高さや信頼の証でもある。

 ホテル創立期から現在まで経営陣が代わりいく中で、突如、無能な雇われ経営者が現れると、理不尽なるフィルタリングで自らに不都合なる常連客を排除しようとしたり、部下を恫喝して会社全体の士気を下げ、

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某企業・・・失われた5年間

某企業・・・失われた5年間

失われた5年間の始まり

 某企業の5年前に役員が全て入れ替わり、県外から代表者を迎えてスタートしたのは良いが、これが「失われた5年間」の始まりであるとは、当時、社内外の人たちは誰しも思いもよらなかったに違いない

 筆者は気づいていた。異常なる不協和音が幾重にも覆い被さるその様は、狂った歯車の組み合わせで生成されており、負のスパイラルの種は予想以上に巨大なものであった。

 長年続く私物化された

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書き殴り「衰退の途を辿る日本」

書き殴り「衰退の途を辿る日本」

生産性のない稚拙なパフォーマンス

 政治家の稚拙なパフォーマンスを幾度となく見てきたが、それは国民を小馬鹿にしている下手なプロパガンダでしかない。

 例えば、原発の汚染がない野菜や魚をPRするために、わざわざ現地へ足を運び、「汚染は心配ない」と笑顔でカメラの前で食べる姿は、その典型である。こうしたパフォーマンスは生産性がなく、国民の幸福などどこにも見当たらない。

 さらに、海外で米国の大統領

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感情と社会と会話と

感情と社会と会話と

あんたは名探偵コナンの安室透役の古谷徹さんが降板するってニュースを見たかい?

どうも、ご自身の不倫問題を契機にした降板ってことらしいんだけれど、どうにも違和感が残る。
だって、不倫ってのはあくまでプライベートな問題であって、刑事罰でもなんでもないんだもんよ。

それで社会的制裁を受けるってのは法治国家としてありなのか?
なんつーか、体の良いリンチじゃん。こんなの。

アンジャッシュ渡部さんのこと

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星野源と新垣結衣による「根拠なき誹謗中傷の再発防止」の願いを、私たちはどう受け止めるべきか

星野源と新垣結衣による「根拠なき誹謗中傷の再発防止」の願いを、私たちはどう受け止めるべきか

「こういうことが起きてしまったこと自体もすごくつらかったですが、先ほど源さんが言ったみたいな誹謗中傷、攻撃を受けてつらい思いをしている姿を隣で見るのが本当につらくて。
もう二度とこういうことが起きてほしくないなと思ったし、こんな思いになりたくないなと思ったし、誰の身にも起きてほしくないなと思ったので、それを願っております」

5月28日、星野源さんと新垣結衣さんが、自分達に対する憶測の報道を否定す

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慶応大学塾長の提案は、経済的貴族を破滅させる

慶応大学の塾長が、国立大学の学費を150万円に、と発言して話題に。私立大学の苦境を反映してのことだろう。私大はなぜ苦しくなっているのか。2つほど思い浮かぶ。一つは少子化。子どもの数が減ってるのに私大はむしろ増えている。定員割れも増え、経営破綻する私大がやがて出てくるだろう。

もう一つ、案外ボディーブローのように効いてるのは、国民全体が貧しくなっていることにあるのではないか。私大に子どもを送り出す

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戦争文学で反戦を伝えるには|逢坂冬馬×奈倉有里

戦争文学で反戦を伝えるには|逢坂冬馬×奈倉有里

翻訳文学とエンタメの架け橋

──お二人は以前からのお知り合いなんですよね。

奈倉 生まれた頃から知ってますね。姉弟ですから(笑)。

逢坂 はい(笑)。

──奈倉さんはロシア文学の翻訳者で『同志少女よ、敵を撃て』は独ソ戦を扱っているわけですが、執筆経緯でのお二人の関わりは。

逢坂 小説を書き始めた頃から、独ソ戦時のソ連の女性狙撃兵を描きたい気持ちはありました。歴史上の際立った存在でありなが

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