森周 / AMANE MORI
(本記事は「鬼滅の刃」に関するネタバレ情報を含んでいます。) 「鬼滅の刃」に出てくる数々の鬼たち。 一見、好き放題しているようにも見えますが、彼ら鬼たちの世界は大変厳しいものです。 一言で言えば、弱肉強食。 力のない鬼は、鬼舞辻をはじめ上位の鬼たちから暴力と恐怖で支配され、徹底的にいじめ倒され、利用される存在です。 自分の存在価値を無視され、虫けらのように扱われます。 同じくらいの力の鬼同士であれば、少しでも自分が優位に立とうとして、互いに虚勢を張ったり、居丈高に
テレビやYouTubeで楽しそうなコンテンツを見かけても、無邪気に笑うことができない。 今回の戦争について、国を守るため、大事な人を守るためと言う人がいるかもしれない。でも今、私が感じているのは、大事な人同士で殺し合っている感覚だ。 インターネットが広がって、国外との行き来も増えて、他国の人と直接触れ合うことが多くなった。 仕事の関係で、国外からの研修生のお世話係や、国外でのイベント開催の仕事をさせていただいたことがあった。たくさんの人と触れ合い、たくさんの人に助けても
お金に善悪はない。ただの道具だ。 人の心次第で、利己的にも利他的にも使うことができる。 「ありがとう」を表すものとして使うこともできる。 被災地への支援はお金が一番喜ばれるという。物資を送ると、他の人が送ったものと重複して余ったり、保管場所が必要になったりするからだ。 その点、お金であれば保管場所もとらないし、いつでも必要なものと交換することができる。 使い方次第では、とても便利な道具だ。 ただ、お金は「所有」の概念を前提にしている。 私たちが今着ている服、カバ
一昨日の日曜日、所用があって電車に乗っていた時のことでした。電車が駅の構内に入って、ブレーキをかけた瞬間だったでしょうか。 私の1メートルくらい前方に立っていた女子高生の子が、急にヨロヨロとふらつき始めました。 私はスマホを見ていたのですが、「ん?」と思ってその子の方に目を向けると、見る見るうちにこちら側に倒れてきます。 私(ん? あれ? あああぁっ!) とっさに支えようとしたものの間に合わず、その子は目の前で床に倒れ込んでしまいました。 あまり動かさないように気を
以前、「環境問題は心の問題である」という記事を書いたことがありました。 私たちは日々、与えられた幸せに気づくことなく、物質でもって幸せが得られると思っている。 その結果として生じた環境問題を、心をなおざりにしたまま、科学や政治経済でもって解決しようとしている。 これに関連して、以下の本を読んでいました。 インドの最北端、チベット高原ラダック地方の人々についての話が印象的だったので、ご紹介させていただきます。 この地域は何世紀もの間、他の地域から隔絶され、独立した生活
最近、「海洋プラスチック汚染」という本を読みました。 読みやすく、概要をつかむには良い本だと思います。 以下、読書メモと感想まで。 使い捨て文化――大量生産と大量廃棄プラスチックの生産量は爆発的に増えている。1人あたりのプラスチックごみの量は米国が1位で日本が2位。その用途は大半が食品容器や包装等、一度きりの使い捨て用である。 プラスチックの91%はリサイクルされていない。その理由としてコストや品質低下の問題がある。そのため、繊維化して衣服用の中綿等に用いている(ダウ
私の実家は、大阪の京阪電車の沿線にあります。 京阪電車というのはその名の通り、京都と大阪を結ぶ私鉄です。 大阪の中心部に行くこともできるし、京都の祇園や清水、宇治方面にも行ける。 個人的にはかなり便利な電車ではないかと思っています。 この京阪電車の沿線に、パナソニックの本社があります。 西三荘駅のあたり、電車の窓から外を眺めると広大な敷地が広がっていて、子ども心にも「おぉ、なんかすごいなぁ」と思っていたものでした。 そのパナソニックの早期退職制度のニュースが前に話
今年の3月頃、うちの実家に嵐がやってきました。 嵐というのは両親の「別居騒ぎ」のことです。 それはそれは、大きな嵐でした。 きっかけは、1カ月ほど入院していた母の退院でした。 母が入院したのは人生初のことです。 2月の初め、検査のために病院を訪れたところ、そのまま急遽入院となったのでした。 着替えその他、必要な物を家に取りに帰る間もありません。 父が後から病院に届けに行くことになりました。 最初は滅入っていた母でしたが、看護師さんや同室の方々との会話もあり、少
「日本でいちばん大切にしたい会社5」という本を読みました。 本書はシリーズもので、お金が全てと考えるのではなく、会社に関わる全ての人(取引先や社員やその家族も含む)の幸せを考えて頑張っている会社が紹介されています。 その中の一つとして、北海道赤平市でリネンサプライ業を営んでいる「北海道光生舎」が紹介されています。 創業者の方は20歳になる前に事故で右目と両腕を失ったにもかかわらず、逆境にめげることなく、地域の障がい者の人たちが働ける場を作ろうとして会社を立ち上げられまし
最近、「持続可能な資本主義」という本を読みました。 著者は鎌倉投信の新井和宏氏。 鎌倉投信は「投資はまごころであり、金融はまごころの循環である」を投資哲学として掲げ、金銭的リターンの最大化を目的とはせず、社員や取引先や地域を大切にしている会社への投資を重視しています。 当初は周囲の金融関係者から「そんなものは上手くいくはずがない」と言われたそうですが、多くの方々の共感を得て、今は運用実績を大きく伸ばしています。 以下、いくつかポイントをまとめてみました。 1.現代は
新型コロナウイルス用ワクチンの「取り合い」が始まっているようです。 少し前までは「ワクチンって大丈夫なの?」と言っていた人も、いざ周りが接種し始めると「自分だけ遅れるのはまずい」と不安を感じてしまう。 打てれば一安心。予約できないと恐怖と不安が募る。 そのため、善意でもって粛々と行われている地域もある一方、殺気立って怒鳴り込んだり、不平不満の声が寄せられている地域もあるようです。 世界を見渡しても、有望なワクチンについては「ワクチンナショナリズム」でもって国と国の間で
為末大氏の「諦める力」を読みました。 著者は400メートルハードルの陸上選手として3度オリンピックに出場した経験があり、現在はコメンテーターや指導者の道を歩んでいます。 小さなころから走るのが速く、中学・高校と100メートル走で勝ち続けてきたのですが、学年が上がるにつれて周りとの差が縮まり、その後どれだけ努力したとしても、いずれ抜かれることが明らかになってきました。 そうして高校3年生のインターハイの時に100メートルを諦めて400メートルハードルへと転向し、後に世界選
最近、「手紙屋 蛍雪篇 ~私の受験勉強を変えた十通の手紙~」という本を読みました。 何のために勉強するんだろう?何のために大学に行くんだろう? そんな若者たちの問いかけに対し、著者が様々なメッセージを伝えてくれています。 以下にその一部をご紹介いたします。 1.勉強も一つの道具に過ぎない著者はまず「勉強も一つの道具に過ぎない」と言います。 ナイフやコンピュータと同じで、使い方次第で、私たちを助けてくれるものでもあり、人を傷つけてしまう可能性もあります。 勉強の便利
普段、私たちは「お金さえあれば大丈夫だ」と思っています。 しかし災害や疫病のような危機が訪れた時、急にスーパーやコンビニからモノが消えたり、値段が跳ね上がったりすることがあります。 そうすると、いくらお金を持っていてもモノが買えなくなったりします。 昨年の今頃、町中からマスクが消えて値段が高騰していたことを、皆さんも覚えておられると思います。 こういった事態に直面すると、お金に価値があるのは「モノやサービスと交換できるから」だったのだと実感します。 本当にありがたい
かつて、大学の研究室で土の研究をしていたことがあります。 「土」と一言で言っても、中を覗いてみると、とても複雑な構造をしていることがあります。 大きな空洞になっている場所もあれば、弱い生物が隠れ家として使えるような入り組んだ場所もあります。 そうして、いろんな微生物たちが住んでいます。 その中には、人にとって有用な成分を生産してくれたり、逆に有害な物質を分解してくれたりする微生物もいます。 人はそういった微生物を土の中から取り出し、培養することで活用してきました。
西郷隆盛が残した言葉の一つに、「児孫の為に美田を買わず」というものがあります。 この言葉の解釈としては、主に以下の2つがあります。 1.子供を堕落させてしまう恐れがあるから、財産を残してはいけない。 2.子供に財産を残そうとして私利私欲に走るようでは、志を遂げることはできない。志を果たすためにはすべてのものを犠牲にする覚悟を持て。 しかし最近、以下のような意味もあると耳にしました。 3.子供のために財産を残すと、子供が自分自身の力で働き、それでもって誰かのためのお役