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パナソニックとソニー
私の実家は、大阪の京阪電車の沿線にあります。
京阪電車というのはその名の通り、京都と大阪を結ぶ私鉄です。
大阪の中心部に行くこともできるし、京都の祇園や清水、宇治方面にも行ける。
個人的にはかなり便利な電車ではないかと思っています。
この京阪電車の沿線に、パナソニックの本社があります。
西三荘駅のあたり、電車の窓から外を眺めると広大な敷地が広がっていて、子ども心にも「おぉ、なんかすごいなぁ」と思っていたものでした。
そのパナソニックの早期退職制度のニュースが前に話題になっていました。
4千万円の退職金上積みによる早期退職の募集。
このニュースを見て、以前、途中まで読んでやめてしまっていた「ドキュメント パナソニック人事抗争史」をあらためて読んでみました。
「なんであいつが」
「誰の責任やねん。あいつのせいやろ」
「これをやればこれだけ儲かると思います」
この本には、そういった役員同士のプライドやしがらみ、そしてお金の話がたくさん出てきます。
そういった雰囲気は社内全体にも伝わっていく。
そうすると、まともな社員さえも腐らせたり、諦めさせたり、「上がそんなことしているなら、俺も」という思いにさせてしまったりします。
ソニーの本も読んでいました。
私の叔母がかつてソニーの秘書をやっていたのですが、「井深さん、盛田さんの時代は良かった」というのが口癖でした。
井深さんはかつて、経営方針で以下を掲げていました。
一、不当なる儲け主義を廃し、あくまで内容の充実、実質的な活動に重点を置き、いたずらに規模の大を追わず
しかし井深さん盛田さんがいなくなった頃から、「お金を得るために何をするか」「自社が生き残るにはどうすべきか」といった話が目立つようになりました。
そうして社員の間にも「ここで退職するのが得か、損か」といった話が出てくる。
そういった変化を感じての叔母の言葉だったのかもしれません。
資本主義の世の中であるにもかかわらず、お金の話が中心になると、逆に衰退が始まってしまう。
これらの本を読んでいて、そんなことを感じました。
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