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心にしみた作品たち

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心を揺さぶられた作品を集めています。
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記事一覧

1分先の自分を幸せにするために

1分先の自分を幸せにするために

23歳までは自分の選択は間違えたことがない、と自負できる人生だった。

大学時代にできた友人から「私はね、後悔しない生き方をしてるの」と言われて、私もそう生きようと決めていた。

絶世の美女や億万長者の娘なんて、生まれた時の運次第であって、そこを羨む(または妬む)には労力の無駄だと思ってる。だから、自分の努力でどうにか変えられることには死に物狂いで取り組んできて、欲しいものは掴み取ってきた。

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小谷実由さん「追われている、走っている」|僕らの時代 Vol.3

小谷実由さん「追われている、走っている」|僕らの時代 Vol.3

自分らしい価値観をたいせつに、志をもって活躍している人とコラボレーションしていく「僕らの時代」。第3回目のゲストは、モデルの小谷実由さんです。

若き人びとよ。
つくりあげられた今までの世紀のなかで、あなたがたは育ってきたけれど、
こんどはあなたとあなたがたのこどものための世紀を、
みずからの手でつくりあげなければならない時がきているのである。
(出典:『続・道をひらく』PHP研究所)」

松下幸

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傷つくことは、

傷つくことは、

今日も今日とて、羽のお話。

家のそばには田園風景が広がっていて、牛の牧場なんかもある。

そういう場所で散歩がてら、羽を拾っていると、当然のように景色の中の鳥たちが気になってくる。

寝床へ帰るオオサギ。

夫婦で夕涼みをするツバメ。

畑の穀物を啄むスズメ。

巣の場所を悟られまいとするヒバリ。

電柱の上から夕食を探すトンビ。

羽は、抜けるべくして、抜ける。
子育ての終了時期や、季節の変わ

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岩城宏之という指揮者は、はたして正当に評価されているのだろうか。

岩城宏之という指揮者は、はたして正当に評価されているのだろうか。

いまは亡き指揮者の岩城宏之に取材をしたことがある。

彼が亡くなる前年の十二月。場所は赤坂の全日空ホテルだった。

その年の大晦日、彼はベートーヴェンの九つの交響曲を一夜にして全部振るという一大イベントを行った。当時そんなことをする指揮者は世界中に誰もおらず、彼にとって二回目の挑戦になったこのときもメディアは何となく物珍しそうな好奇な目を向けていた。

でも僕はどうしても話が聞きたかった。なぜなら

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輪切りの檸檬を描いてみました

輪切りの檸檬を描いてみました



最近は少し忙しい日々が続き、投稿が開いていますが忘れないでくださいね💦
近所の方から檸檬をたくさんいただいたので早速描いてみました。

檸檬の輪切りを描いたのは初めてですが、油彩画ではすごい写実画をよく見かけます。

とてもあの瑞々しさは描けませんが輪切りに初挑戦してみました😅
以前にも書いていますが、檸檬をよく静物画のモチーフに取り上げています。

梶井基次郎の命日の3月24日は檸檬忌と

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あの時よりおいしいハンバーガーをまだ食べたことがない

あの時よりおいしいハンバーガーをまだ食べたことがない

ハリウッドのどこかという以外、店の場所も名前も覚えていない。それに、たとえ同じ店で同じハンバーガーを食べたとしてもあの時よりおいしいと感じることは決してないだろう。

なぜなら、そのハンバーガーをごちそうしてくれたWangさんとはもう二度と一緒にハンバーガーを食べることはできないから。

期待と不安が入り混じった旅の初日に、それを応援してくれる人と一緒に食べるハンバーガーは、それだけで、忘れること

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075.フランスの下宿先

私は子どもの頃からフランスに憧れていて、昭和60年(1985年)8月に、新卒で就職した会社を退職し、1年間滞在する目的でフランスへ向かいました。

パリに着いてから、滞在先は地方都市だったので、大きなスーツケースを持って鉄道の駅へ行き、いくつもあるテーブルの周りに置いてある椅子に腰掛けて列車の到着を待っていると、同じテーブルの七十代くらいの男性が「もしかして日本から来たのかね?」と尋ねてきました。

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最愛の母に「死んでもいいよ」と言った日

最愛の母に「死んでもいいよ」と言った日

「ママ、死にたいなら死んでもいいよ」

大好きな母に、私が放った言葉です。
高校2年生の時でした。

ひどい娘だと思いますよね。
私もそう思います。
でも、母を救う唯一の言葉でした。
それしか見つからなかった。

話は少しさかのぼりまして。

私が中学2年生の時、父が突然死しました。
働きすぎによる、心筋梗塞でした。

父は建築系ベンチャー企業の経営者で、めちゃくちゃカッコいい存在でした。めちゃく

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人生を味わう

人生を味わう

「人生とはフルコース料理のようなもの」
と、書いていた本を読んだことがあった。
私もそう、思う。
私は結婚してから旦那と年に2~3回くらいはフルコース料理を楽しんでいる。
家の近くのフランス料理店では、絵画のような芸術的なフランス料理が楽しめる。

フルコース料理を食べながら感じることがある。

グラスにそそがれたシャンパンの気泡のように人生はすぐに「ぱっ」と弾けて終わってしまう。
辛口のシャンパ

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月を買った、或いは私の願望を買った。

月を買った、或いは私の願望を買った。

ずっと欲しかった、月の間接照明を買った。

2020年の#買ってよかったもの にも書きましたが。これ本当に素敵なんです。点灯すると月面がリアルに浮き上がって、本当に月を手に入れたみたい。
ブックライトには少々暗いけれど、白色の月にも、黄色の月にも変えられる。(私は暖色の黄色蛍光の気分が多いです。)

年内に引越す予定の為、断捨離をしながら部屋を整理している最中なのに、気付いたらポチっていた。
この

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あら、筋がいいわね。

あら、筋がいいわね。

下駄の鼻緒が切れた。

僕は下駄とか着物とかを身に着ける生活をしているので、日常のなかで、下駄の鼻緒が切れた。という現象が起こる。

下駄の鼻緒が切れると、下駄を捨てるか、下駄の鼻緒のすげ替えという選択肢がある。

すげ替えるという選択をする。

僕の住んでいる街の、昔の街道沿いの履物屋をがらがらがらがらがらと開ける。

すいませんーーーすーーーーーいませんーーーーすーーーーいませーーーん こんに

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【小説】虹飴 (約1000字)

【小説】虹飴 (約1000字)

私の母は神経質な人だった。アレルギーで苦しんでいたので、自分だけではなく、私の食べるものにも気を使っていた。砂糖を使ったお菓子は一切食べさせてもらえなかった。無農薬の野菜を購入し、家で食べるものは無添加で無着色のものばかりだったような気がする。

祖母は母とは全く異なる性格で、おおらかな人だった。祖母のことを考えると、口を開けて大きな声で笑う姿が脳裏に浮かんでくる。共働きだったので、幼稚園から帰っ

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ゴフスタインとの想い出

ゴフスタインとの想い出

M.B.ゴフスタインという作者の名前にピンとこなくても、子どもの頃、または読み聞かせで、『ブルッキーのひつじ』を手に取られた事のある方は多いのではないでしょうか?アメリカ、NYを拠点に画家として活躍、そして多くの絵本を著したゴフスタインは、2017年逝去。2000年の始め、大好きだった書店に入社し特に児童書に夢中だった私は先輩の影響で多くのゴフスタインの作品に出会い、”言葉にできない”衝撃と影響を

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