久し振りの電話
朝晩の冷え込みが身に沁みる季節の、暖かな昼下がりに、山岡さんから電話があった。
山岡さんはプライベートで色々お世話になっていた大学の先輩で、卒業後に知り合った方。
同じ県のOB繋がりで、その当時は仕事の都合で他県に行かれ、暫く疎遠になっており、かなり久し振りの電話。
「よう!久し振りやな!ちょっと頼みたいことがあるんやけど、いいよな!」
関西出身の山岡さんは、いつも、こん
≪あらすじ≫
大学3年生で子供を身ごもり、一時はどうなることかと思ったが、無事に就活と卒論を終え、元気な子供を授かる。その過程で周囲からの、たくさんの援助と理解に救われながら、ゆさぶられもし、自分の在り方を再考する。そしていよいよ入社を迎える。
早大生が在学中に子供を身ごもったときのこと①卒論
早大生が在学中に子供を身ごもったときのこと②就活
早大生が在学中に子供を身ごもったときのこと③本当にそ
麺様|すみれ|note(ノート)https://note.mu/hidamaritea/n/n88937febd9a8
※連載モノなので、マガジンからお読み頂くと、順番にお読み頂けます。
毎夜の生存確認と激励の嵐
とはいえ、1度の励ましでパッと変われるほど、私は強い人間ではありませんでした。
「よし、逆境をバネに、やってやるぜ!」
と決意をするのですが、現実を目の当たりにすると、現実の厳しさに負けてしまうのです。
「もし大学に受かっても、入学金や学費はどうしたらいいのか。」
「バイトが忙しくて