- 運営しているクリエイター
#創作大賞2023
Art of Life I:生きるための遺書 第一部 前編
これは、ある数奇な運命を課せられた一人の男の、魂の遍歴の物語である。それは果たして架空のものであるか、はたまた作者自身の実体験であるのか、その判断は読者の慧眼に委ねたい。
作者として私がただひたすらに願うのは、この物語が一個の独立した芸術作品として美的に享受せられ、もって読者の胸の内に、私に対する理解と愛が育まれる一助となることに他ならない。
第一部序章 別れの秋
源氏物語における最も重要な
【短歌】明日から制服を脱ぐその前に🦋
明日から制服を脱ぐその前に下の名前で呼んで先生
制服を着た女子にしかできない恋というものが、あるように思います。まるで命が絶えてしまうような苦しさと、世界をすべて薔薇色に塗り替えてしまうような喜びと。彼女たち自身にとっても、以降の人生において再びは味わうことができないかもしれない、不器用でも真っ直ぐで、自らを燃やしてしまうように激しい感情。
男子校という馴染めない環境で、かけがえのない十代を
【和歌】ありのままの姿であって欲しいけれど
雑草と呼ばるる命ひとつびとつ名を確かめつためらひて摘む
自然や動物に触れることは、私の大きな喜びの一つです。特に、なるべく人の手の入らない、ありのままの姿で自然があることに安心を覚えます。
しかし、隣家との距離が近い都市部では、本意ではなくても、ときに庭を「手入れ」し、「雑草」を取り除かなければならないようなこともあります。
雑草と一括りにされる植物も等しく生き物です。自身に害を及ぼす訳では
【短歌】連作「親友」―F1カーとバン―
連作「親友」
中学高校時代に出会い、卒業後もずっと特別に大切な存在だった友だちとのことを詠みました。掛け替えのない思い出と、そのあとに起きた、信じられないような出来事と。
全13首です。
ふたりして通った劇場放課後の舞台に見つめたそれぞれの夢
一人だけ白のニットで浮く君と並んで聴いたX JAPAN
「五十嵐はF1カーさ。俺はバン」すべてを失くした俺に笑って
君にしか言えないだから打ち
【短歌と俳句】初夏の東北を旅して―十四歳の思い出―
湖畔にてかすむ対岸にらみつつ朝もやの中われ逍遥す
車窓より見ゆる人影田植え人
中学三年生のとき、修学旅行で東北地方を訪れた際の作品です。私が通っていた学校は都内の大変喧噪な場所にありました。毎日、地下鉄の轟音と車の排ガスとにさらされて通学していた私には、初めて旅する東北地方の初夏の空気は実に涼しく、さわやかでした。
湖というのは十和田湖のこと。すぐ近くのホテルに宿泊していました。朝起きて、
【短歌】自撰三首―迷いない心のつばさで―
あふれ出る言葉は泪泣くことのできない私の胸の奥より 題詠:「短歌」
否ばれて生ひ立てる身に消たれざる光ぞありて吾を生かしむ
歌意:否定されて生い立った私の中に、何ものによっても決して消されることのない光があり、それこそが私を生かしている
迷いない心のつばさで翔んでゆく私の空はどこまでも澄む
第一首と第三首は近作です。共に私を代表する歌として特別な愛情を持っています。特に第三首については、も
【短歌】本当に受け入れられないもの(令和5年5月28日)
からっぽになりたい茜色の空浮かぶ雲さえまぶしく光る
憧れはSNSを止めることネットを離れて生きられること
今日もまた起き上がれない僕用のカーネーションを誰か下さい
最初の二首は今月28日に詠んだものです。その前日の歌(今日の短歌 令和5年5月27日)にすでにはっきりと表れているような、どうしようもない気持ちを抱えて一人、夕暮れどきに外を歩いていました。
まるで無意識に助けを求めるように