【短歌】本当に受け入れられないもの(令和5年5月28日)
からっぽになりたい茜色の空浮かぶ雲さえまぶしく光る
憧れはSNSを止めることネットを離れて生きられること
今日もまた起き上がれない僕用のカーネーションを誰か下さい
最初の二首は今月28日に詠んだものです。その前日の歌(今日の短歌 令和5年5月27日)にすでにはっきりと表れているような、どうしようもない気持ちを抱えて一人、夕暮れどきに外を歩いていました。
まるで無意識に助けを求めるように、ふと空を見上げたとき、自然と心に湧き起こった思いを歌にしたのが第一首です。ほんの数日前の出来事ですが、本当にこのような気持ちでいっぱいでした。
こうした精神的に極めて悪い、危険な状態に陥ったとき、第二首のような感慨が胸の内を占めるのはいつものことです。
抑えきれない気持ちがそのまま言葉となって飛び出したような、特別な工夫のない歌ですが、現代社会においては、人間ならば誰もが皆このような気持ちを経験しているのではないでしょうか。
第三首は、今年の母の日に詠みました。先の二首と直接的なつながりはありません。が、上述したようなあまりにも危険な状態に私をしばしば落とし入れる、私にとっての苦しみの根源が、もし仮に、母親という存在にあったとしたら、このような歌を詠むことは決してできなかったでしょう。
人間は、本当に受け入れられないものについては、その名を口にすることさえできなくなります。
自分が少なくも母というものに関しては、別の言葉に対しては禁じ得ない絶対的な忌避や嫌悪の感情を抱くことなく、平板かもしれないが平和な歌を詠むことができたという事実。
それは誰もが当たり前に与えられるものでは決してなく、一つの有り難い恵みに他ならないのだということを、痛感します。
私に魅力をお感じ下さるそのお心を、もしサポートとしてもお伝え下さいましたなら大変幸せに存じます。体質上、生きるために私にはどうしても日々必要な、保険適用外の医療を含め、制作に充当させて頂きます。より美しい作品、演奏をご披露することで、頂戴したお気持ちにきっとお応え致します。