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短歌(和歌)と文章

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【自己紹介】輝いて生きる芸術家・五十嵐創の真実

【自己紹介】輝いて生きる芸術家・五十嵐創の真実

初めまして、五十嵐創(いがらしそう)と申します。日本の芸術家、作曲家、ピアニスト、文学者、歌人です。現在、個人として活動しています。

私の半生コンピュータ音楽と人工知能を慶應義塾大学大学院において専攻し、在学中に発表した前衛的な電子音楽作品によって国際的に一定の評価を得ました。同時に作曲の個人レッスンを受け、西洋古典音楽を学びました。

非常勤教員として慶應義塾大学および東京工科大学に勤め、研

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今月八日に投稿しました【自己紹介】記事を昨日改訂しました。追記し、内容を充実させました。初稿を既にお読み下さった方にも是非ご再読頂けたらと思い、お知らせ申し上げます。
お手数をおかけ致しますが、それだけのものを書いている自信はあります。

【和歌】鈍色の秋の海には

【和歌】鈍色の秋の海には

生まれ落ちたその瞬間から、生きることが日々魂を殺され続けることであったような人間は、いったいどうすれば救われるのだろう… 。

否定されて生い立ち、間違った医療を施され、自分の人生を得られないうちにすでに、取り返しのつかない、あまりに多くのものを奪われてしまった。本当に生きることができないうちに老いてしまった、というチャタレー夫人コンスタンスの嘆きは、私自身の最も受け入れることのできない無念と不本

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Art of Life I:生きるための遺書 第一部 前編

Art of Life I:生きるための遺書 第一部 前編

これは、ある数奇な運命を課せられた一人の男の、魂の遍歴の物語である。それは果たして架空のものであるか、はたまた作者自身の実体験であるのか、その判断は読者の慧眼に委ねたい。

作者として私がただひたすらに願うのは、この物語が一個の独立した芸術作品として美的に享受せられ、もって読者の胸の内に、私に対する理解と愛が育まれる一助となることに他ならない。

第一部序章 別れの秋

源氏物語における最も重要な

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【文学作品】Art of Life I:生きるための遺書 第一部 後編

【文学作品】Art of Life I:生きるための遺書 第一部 後編

本稿は拙作『Art of Life I:生きるための遺書』第一部後編です。前編は以下の記事にてお読み頂けます。

第八章 天国のようなところ

祖父にとって唯一の同性の孫であった私は、祖母にとっては唯一の異性の孫だった。祖父と同様、祖母もまた孫たちを隔てなく愛してくれたが、自身で男の子を育てた経験のない祖母にとっては、私が示す表情や仕草の一つ一つが新鮮に感じられ、特に強く印象に残る部分はあったかも

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先日投稿しました『Art of Life I:生きるための遺書 第一部 後編』を改訂しました。間違いなく質を高めることができました。向き合って下さる方がいらしたら、嬉しく思います。

第八、九章についてはこれで底本とし、第十章以降は近日中に発表する予定です。

こんばんは。紅梅の盛りを迎えました。

本日、拙作『Art of Life I:生きるための遺書 第一部 後編』に第十章を追記しました。お付き合い頂けましたら幸いです。

第一部は第十三章で完結の予定です。近日中に公開します。

生きられるはずのない生に
ずっと たった独りで耐えて来た

信じ続けた人は 愛は
皆 去って行った

私が全身全霊を捧げて尽くしたもの

そんなものは
初めから無かったのだと言わんばかりに

天は私に
 これほどのものを授けながら
 なぜこんな人生を与えたのか

もう泪さえ出ない

『Art of Life I:生きるための遺書 第一部 後編』に第十一章「星梅鉢と二つ引き」を追記しました。どうぞご覧下さい。
https://note.com/soh_igarashi/n/nac35f19f15de
第一部完結までもう少しです。

朝、床の中で目を覚ますと、しっとりした空気の中、雨の音が聞こえました。そのときの気持ちを詠みました。

妖気充つ 春の心をなぐさむる 花の雨こそ あはれなりけれ

(不穏な気配に充ちた春の落ち着かない心を和らげてくれる、そんな桜の季節に降る雨こそは本当に趣深いものだ)

社会によって人間を失格させられる男。発表以来、特別な心の支えとして多くの人に愛されてきたというこの小説はしかし、私を救わない。

最後のマダムの言葉が、もしその結論なのだとしたら――。

この黒々とした不気味な小説を、私は一人で抱えていられない。

誰かと心を分かち合いたい。

小さいけれど大切なお知らせ

小さいけれど大切なお知らせ

『Art of Life I: 生きるための遺書』と題した私の文学作品の第一部が完結に近づいています。これまでは完成したところまでを無料記事として公開して来ましたが、第一部の完結という一つの節目を迎えるにあたり、今後適当な時期に全編を有料化する予定です。

本作品は、芸術家として、人間として、私が生きられるためには是が非でも書き上げ、世に訴えなければならない作品の一つです。これまで執筆を続けなが

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【和歌】優しい光に包まれるとき🦄

【和歌】優しい光に包まれるとき🦄

碧眼の青年はしもてカレー食ふ木もれ日やさし神宮のもり

吹く風に少しずつ初夏の香りが漂い始めた、ある晴れた日のこと。折にふれて訪れていた神社で参拝を無事に済ませ、境内に設けられた食堂で休んでいると、隣のテーブルでは青い目の青年が一人、懸命に箸を使ってカレーライスを食べていた。いかにも食べ辛そうであったけれど、彼はむしろ誇らしげな表情をしていた。

日本文学研究者の故キーン・ドナルド氏は、初めて日

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