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ポップカルチャーは裏切らない

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”好きなものを好きだと言う"を基本姿勢に、ライブレポート、ディスクレビュー、感想文、コラムなどを書いている、本noteのメインマガジン。
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2023年1月の記事一覧

変わらない自分と救われるpsykhē〜カネコアヤノ『タオルケットは穏やかな』

変わらない自分と救われるpsykhē〜カネコアヤノ『タオルケットは穏やかな』

4枚目の境地1月25日にリリースされたカネコアヤノの新アルバム『タオルケットは穏やかな』はその題からイメージしていたぬくぬくとした空気感もあるが、全体を通してロックミュージックとしてのタフな強さが印象深い。そして演奏陣を固めてからの『祝祭』以降3作とはやや異なる雰囲気を纏う1作に思えた。

2018年からバンドでドラムを担当していたBob(HAPPY)がメンバーを離れ、本作では新たに2名のドラマー

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意味と無意味、意識と無意識〜 ゲルハルト・リヒター展@豊田市美術館

意味と無意味、意識と無意識〜 ゲルハルト・リヒター展@豊田市美術館

何かを観たり聴いたりした後でその感想を書こうとする時、私はその作品に込められた意味を真っ先に考えがちだ。しかしその一方、むしろ"意味がない"としか言いようがないものにも強く惹かれることだって多い。たとえばランジャタイの漫才。不条理を極めた意味のない言葉の羅列と、道理の通らない動きを繰り出しつ続けるネタには初めて観た時から魅了され続けている。

また、UNISON SQUARE GARDENの楽曲の

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2022年ベストドラマ トップ10

2022年ベストドラマ トップ10

2022年ベストもこれでラスト。海外ドラマの面白さについに目覚めてしまったかもしれない。

10位 ストレンジャー・シングス 4

最高のジュブナイル冒険譚に、青春の苦味と無敵さが加味されて更に躍動。最初はピンと来なかったラスボスの存在も大仕掛けで完全に食らった。

9位 魔法のリノベ

全く興味ない題材だろうと、物語の組み立てとキャラクターの魅力でいくらでも夢中になれる。脚本:上田誠(ヨーロッパ

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「ぼっち・ざ・ろっく!」とアジカンが寄り添う自傷的自己愛

「ぼっち・ざ・ろっく!」とアジカンが寄り添う自傷的自己愛

臨床場面で向き合う自傷的自己愛精神科外来では様々な病状を抱えた患者と向き合い治療を行う。ストレスの原因となる職場や家庭の環境調整を行い、薬剤を適切に使用することで改善するのが一般的だが、そういった治療だけでは回復に至らない患者も多い。

たとえば過剰に思える程の自己否定を行う患者たち。自分の外見やステータスを卑下したり、社会や家庭環境に不満を述べたりしながら、周囲を困らせる行動を取ったり、時に希死

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2022年ベストバラエティ 10選

2022年ベストバラエティ 10選

2022年に放送されたバラエティ番組の中で特に好きだったものを10選。なるべくレギュラー放送回から選んだ。最近のバラエティ、面白すぎる。ちなみにヘッダーの画像は、なまずのおばけ(@namazuno_obake)さんに作っていただきました。年間ベストのマガジンのヘッダーにも使いたいと思います。

マヂカルクリエイターズ 占い界のニュースターを発掘したいよ~! 後半戦(1/26放送)

一貫して薄っす

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最近観た配信のお笑い(マヂカルラブリーno寄席/ダイヤモンドno寄席)

最近観た配信のお笑い(マヂカルラブリーno寄席/ダイヤモンドno寄席)

1.1 マヂカルラブリー no 寄席 (アーカイブ1/9まで)

3年連続開催、お正月の風物詩となりつつある無観客配信ライブ。2021年の初回で客席から他芸人がヤジを飛ばす形式で爆ハネした結果、昨年は全員が張り切りすぎてやや失敗。今回はかなり良い盛り上がりを観れて素晴らしくぶっ壊れたものを浴びることができた。めちゃくちゃ面白いのだけど、これを年明けに観ると何が面白いのかの1年の基準が狂っちゃうのが

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旧作の感想メモ(2022年11,12月)

旧作の感想メモ(2022年11,12月)

11月は間違えて1か月延長したアマプラの作品などを一気に見て、12月に久々にレンタル屋を利用した結果、突如としてシャマランブームが到来。

未来世紀SHIBUYA(2021)

僕らの白石晃士監督がHuluで撮ったドラマ。2036年の渋谷を舞台にWeTuber正義マン(金子大地と醍醐虎太郎)がのし上がっていこうと危険なミッションを動画配信するうちに、いつしかこの世界の陰謀に巻き込まれていく、、とい

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#note書き初め 2023

#note書き初め 2023

祖母が手芸で作り上げたドレスアップキューピーがある我が実家でこれを書きあげました。去年に引き続きのnote書き初めです。

去年書いてあったことを考えるとZINE以外は全部やり遂げられたかな。ZINEはひとつもいいアイデアが浮かばなかった。またいつの日かやりますよ!

「2012 to 2022」は完遂した末に、こういうのは向いてないぞ!という発見を果たした。やはりシーン自体を読み解くというのは特

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