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結婚という墓場に引き摺り込もうとする北風と、意図せず結婚に気持ちを向けさせる太陽。
未婚である。30半ばにして、ぶっちぎりの未婚だ。はっきり言って、他の追随を許していない。一部の友人は結婚をして出産し、離婚して、別の相手と結婚して、出産し、再び離婚している。そんなひと達からすれば、私など人生周回遅れも甚だしい。
今の私の暮らしぶりに、結婚の気配はない。同じ"けっこん"でも、先日痔瘻の手術をしたため、血痕の方に関しては割と身近である。
とはいえ、未婚であることに不満はない。元々
キーボードクラッシャーに癒される金曜深夜。
今週は、GWにもかかわらずいつもよりもちょっと忙しかった。余暇時間もあまりなく、くだらないことを考える余裕もない。そんな、ちょっと疲れてしまった時でも、サウナに行ったりお酒を飲んだり、運動をしたりすれば大抵のことはリセットできる。
しかし、緊急事態宣言でそれすらできなかったり、それでも元気が足りない時に行う、心の回復法がある。別に、疲労がポンと飛ぶ例のアレではなくて、
「キーボードクラッシャー
痔除伝 第十一章 後編 Have you ever smelled the Baked asshole?
オペ室は、思ったよりも狭かった。大体12畳くらい。もっと広いイメージだったが、手術の内容、難易度などによって広さが変わるのかもしれない。
執刀医やオペナースは、オペ中に赤いもの(血液や内臓など)ばかり見ることになるため、部屋の内部が寒色系の内装になっていると聞いたことがある。赤いものばかりを見続けた後に白いものを見ると、反対色である青や緑などのシミが見えるようになるらしい。
確かに、オペ室の壁
痔除伝 第十一章 前編 Have you ever smelled the Baked asshole?
夜中、最後にスマホの時間を見たのが3:30頃だった。看護師さんに起こされ、検温したのが6:20頃。優しい笑顔で、眠れましたか?と聞かれ、世の中のすべてに裏切られたような、アウトローな男の表情で「いや……」と答える。
看護師さんは、理解を示すような苦笑いを浮かべ、
「急に環境変わると、そうですよねぇ。不安もあるだろうし……」
と、同意してくれたが、心の中で、「そういうことじゃねぇんだよ!」と叫
村上春樹が、純文学がわからない。
アヤノは激怒した。アヤノには純文学がわからぬ。アヤノは、エンタメ好きの中年である。マンガを読み、楽器と遊んで暮して来た。
ある日、竹馬の友のシンタロティウスから一冊の書を借りた。『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』という書だった。とても面白いものだという。アヤノは早速持ち帰って読むことにした。
後日、アヤノはシンタロティウスに語勢を強くして質問した。
「さっぱり、意味がわからない