北条政子の夢

平安時代末期の話。

ある日、北条政子さんの妹が夢を見た。
『高い山に登り、月と太陽を左右の袖に入れる』という摩訶不思議な夢。
(これはきっと良い夢だ!)と思った政子さんは咄嗟に言う。

「それは災いをもたらす悪い夢。私が買い取ってあげる」

政子さんはお気に入りの小袖と引き換えに、妹の夢を買い取った。
すると翌朝、政子さんの運命を決定づける出来事が起こる。


この

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【いざ鎌倉(7)】源頼朝5年ぶりの上洛

建久4~5(1193-1194)年は鎌倉幕府にとって政変の年でした。
源氏一門の重鎮だった弟・源範頼と甲斐源氏・安田義定を排除し、建久6年、源頼朝は5年ぶりに京へ向かうことになります。

意図してかせざるか、源範頼は三河守、安田義定は遠江守、鎌倉から京へ向かう途上の東海道に強い影響力を持つ2人を排除した上での上洛となりました。

東大寺大仏殿の再建

建久6(1195年)2月14日、源頼朝は多数の

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鎌倉時代(建久~承久)を解説する

このnoteでは建久3(1192)年の源頼朝の征夷大将軍就任から承久2(1221)年の承久の変までを解説する記事を連載しています。
週に1~2回の更新ペースです。
2022年 大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の予習にご活用ください。

記事本編は下記のマガジンにまとめてあります。
これだけ読めば鎌倉時代初期30年の流れがわかる内容を目指しています。

人物伝では本編で死亡、あるいは失脚した人物を解説し

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【いざ鎌倉(4)】大衆に愛された物語 曾我の仇討ち

本編第4回です。
今回から話は1193年‐建久4年に移ります。
このペースだと1221年まで全50回構想は無理ですね(汗)

今回は軍記物語では『曾我物語』、歌舞伎や能では「曾我もの」として有名な曾我兄弟の仇討ちについて。

本編前回はこちら。

番外編を一度挟みました。

巻狩の実施 源頼家の晴れ舞台

建久4(1193)年3月、後白河院の一周忌の喪が明けると、源頼朝は巻狩を実施します。
巻狩と

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【いざ鎌倉(3)】源頼朝の将軍就任と実朝誕生

第3回です。
過去2回は1192年までの歴史の流れを東の源頼朝、西の後鳥羽天皇の2人を中心に駆け足で振り返りましたが、今回からは1192年以降の出来事を丹念に見ていこうと思います。
まずは、第1回の最後から繋がる源頼朝の将軍就任からですね。

源頼朝将軍就任の経緯

建久3(1192)年7月12日、頼朝は征夷大将軍に任じられます。
形式的には後鳥羽天皇に任じられた形ですが、このときまだ天皇は13歳

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惨(ざん)の記⑤完結

堀家

突然大姫様がお見えになった。
藤内光澄に会いたいというのだ。
藤内光澄といえば、他ならぬ義高殿を、直接手を下して討ち取った者だ。

最期が聞きたいのだ。
ぜひ会わせて欲しい。

いとけない姫の切実さ漂うおっしゃりように絆され、私は藤内を呼びにやらせた。

藤内は若いに似ず、脂ぎった中年のような雰囲気の男で、姫の前にかしづいても、贅(あま)り肉が小山のようで、俊敏だったであろう木曽若様をどう

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惨(ざん)の記④

六日(むゆか)の恋

とと様は、どうあってもにいさまを殺すという。
なぜじゃ。
妾をにいさまに引き合わせたとき、とと様はこうおっしゃった。

きょうからそなたはこの義高の嫁じゃ。
仲よう暮らすのじゃぞ。

そしてにいさまはうちにいるあいだ、たった一つのあやまちも起こしていない。
なのに殺すなんて間違ってる。
にいさまは、いい人なのに。
大人のつごうが変わっただけ。
そんなの、にいさまに関係ないでは

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あらどうも
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惨(ざん)の記③

変化

寿永二年(1183年)夏から秋は、何やらとても慌ただしかった。
父上が幾度も平氏に勝ち、最後は平氏を追い出して、京都の警護者になったのだ。

人質の立場が逆転するかもな。



おまえでなく、大様のご家族ご一同がおまえの逆人質。

ありえるかー、それ?

このまま勝ち続けたらありえるって。

うはー。

そんな世情なら、頼朝の家の居心地も、悪くなってもおかしくないのだが、頼朝妻殿も家中の

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惨(ざん)の記②

不思議

不思議だ。
大と居ても、股間は凝(しこ)らぬ。
でも頼朝妻殿とか、侍女とか下女を、盗み見る時には凝るのだ。
夜半に怪しい夢見るときも、朝方それが屹立するときも、乗馬の途中も時々なる。
気味が悪い。
吾のそれはどうなってしまったのだ。
怪しい病気なのではあるまいか?

そうではない。
少し年かさの重隆が、吾と幸氏に説明する。

凝ったり、剥けたりすることによって、おまえらも一人前の男になる

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惨(ざん)の記①

人質

まだ元服したばかりじゃないか!

それでも…送らねばならぬ。

奥方は承知したのか!?

するわけがない。
それでも…送るしかないのだ。

いきなり平手が飛んだ。

義仲!
おまえは屑だ!

言い捨てて立ち去っていった。
頬はひりひりと痛い。
力自慢の巴にぶたれたのだから当然ではある。
室が弱かったから、巴は乳母でもあった。
太郎太郎と可愛がっていた。
それでも送るしかない。
鎌倉組のほう

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Σ( ̄□ ̄)!
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